伝統あるこんにゃく芋農家、その仕事の魅力と面白さに引き込まれて
「このあたりには古くからこんにゃく芋を育てている農家さんが多いんです。うちは約10ヘクタールの畑がありますが、規模としては小さい方かな」と話す加藤大輔(かとう・だいすけ)さんは群馬県昭和村の若手農家。代々農業を営んでいる家に生まれ、なんと26代目だそう。
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群馬県昭和村でこんにゃく芋やトマトなどの栽培を手掛ける加藤大輔さん(39)
家業であるこんにゃく芋の生産に加藤さんが携わるようになったのは、16年ほど前のこと。
「長く続く農家の家系ですが、父は『継がなくてもいい。好きなことをやれ』と言っていました。それもあり、短大を卒業したあとは食品業界で会社員をしていました」。
就職して少し経った頃、父がけがをしたことなどから一時的に実家に戻った加藤さん。このとき手伝ったこんにゃく芋の収穫経験が、農業の魅力を知るきっかけになったそうです。その年はとても出来が良く、小さな頃から見ていた父の仕事が実を結ぶこと、そしてその面白さと嬉しさを自身も実感できたのです。
「農業、面白いな。本気でそう思いました。すぐに会社を辞める決心をし、翌年から父と農業を始めました。23歳でした」。
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加藤さんのこんにゃく芋は、スーパーなどで売られるこんにゃくのほか、大手食品メーカーのゼリーに加工されることも
加藤さんは父のやり方を覚えながら、自分なりのやり方も少しずつ試していきました。「好きにやればいいと父は言っていましたが、毎日ケンカしていましたね」と笑います。思ったように結果が出ず、難しさを感じることも多かったそうで、「10年かかりましたね、納得いくこんにゃく芋が育つまで」と振り返ります。
「10年以上経ち、病気もなく元気に大きく育った、納得できるこんにゃく芋が獲れるようになったんです。試行錯誤してきたことがカタチになった、とまた農業の面白さを感じられるようになりました」。
試行錯誤した日々が報われ、また新たな夢が膨らみ始めた
丁寧なケアと効率化で収量増加 新たな栽培種や加工にも挑戦していきたい
こんにゃく芋は、出荷までに2年かかります。冬の寒さが厳しい群馬県北部では、春に植えた芋を秋に掘り起こし、暖かい倉庫で越冬させなければいけません。手間も時間もかかるだけに、病気で収量が減ってしまうと収入に大きく影響します。加藤さんは繊細なこんにゃく芋のケアと効率化を心掛け、就農時と比べて収量も増えているとのこと。トマトやフキなどほかの栽培に注力する余裕もできたそうです。
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「丸くて、でこぼこしていないものが良い芋です」と収穫したこんにゃく芋を手に話す加藤さん
「トマトは手をかけた分だけ味が良くなり、美味しかったという声を直接もらえる。やりがいが大きい作物ですね。今後は栽培種の幅を広げ、加工にも挑戦していきたいと思っています」。
周囲からの強い勧めで試したカクイチの倉庫 期待以上の結果に広がる夢
加工を行う場所として、「昨年末新しく建てた倉庫が使えると期待しています」と新設の倉庫を紹介してくれた加藤さん。
新たな倉庫の設置を決めたのは、手つかずだった庭を有効活用したいと考えたことがきっかけでした。ただ、以前別の場所に倉庫を建てた際、製品に満足できなかったことがあり、ほかのいい倉庫はないかと知り合いの農家さんたちに相談したそうです。すると口をそろえて「カクイチの倉庫は、うんといいよ」と勧められます。そこで農協に問い合わせ、カクイチの営業マン・山野井敏樹(やまのい・としき)さんと知り合いました。
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山野井敏樹さん(左)から倉庫の説明を聞く加藤さん
「カクイチさんは、しっかり話を聞いてくれて、すぐに土地を測り、最適な倉庫を提案してくれました。造り始めてからもいろんな変更を快く聞き入れてもらえました。気に入っているのは、電動シャッターの支柱が動かせること。大きな農機具や設備を入れるのに便利ですね」と満足したようすの加藤さん。
「次は外壁に屋根をつけて、雨の日でも作業できる場所を作りたいと相談しています。親身に応えてくれるので、すぐ頼ってしまうんです。今後も間違いなく力になってもらえると期待しています」。
カクイチと出会ったことで、夢が膨らんだという加藤さん。その理由はカクイチの確かなものづくりはもちろん、農業にかける想いや、描いている未来にもありました。
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昨年末新設したカクイチの倉庫。外壁に屋根を付ける計画も進行中
とことん寄り添うことで、農家の「よき相談相手」を目指す
まずは徹底したヒアリング。要望はもちろん、規模や使っている農機具、困っていることや描いている将来の夢まで、とことん聴き取り、最適な提案を生みだすのがカクイチのスタイルです。
「農家さんごとに状況は違います。お話を聞くことで、提案の精度があがります」と山野井さん。
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前橋営業所の山野井敏樹さん。営業マンであり、建築士でもあります
カクイチでは、倉庫に多彩なカスタマイズを加えることができます。外観や色をはじめ、窓などの開口部の位置や数、倉庫内の間取りや仕切りなど、細部にわたって1000種類を超える規格品とオプションが選べます。しかし、選択肢が多いからこそ、営業マンの適切な提案が重要。
加藤さんは「種類が多いので、最初は提案をもらい、そこから好みに合わせて選んでいきました。その都度山野井さんが最適なものを教えてくれるので不安はなく、安心してお願いできました」と話します。プロの視点で、農家一人ひとりに合ったものを提案される安心感がありました。
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加藤さんお気に入りの電動シャッターの支柱。山野井さんがこだわりを説明します
山野井さんは、倉庫自体の性能の高さも訴えます。「例えば、東日本大震災では、揺れで倒壊した倉庫はゼロでした。長期にわたる積雪も、標準仕様で75cm、最大200cmまで耐えられます。その強い鋼材に、防錆性・耐候性に優れた塗装を施しているので、美しいまま祖父から孫へ、3代にわたって使っていただける。だから自信を持っておすすめできるのです」。
これまでカクイチとして納めた倉庫は、全国で110,300棟にも及ぶそう。この数字が実力を物語っているといえるでしょう。
そして納入後の手厚いサポートも特徴的です。「こまめに訪問して、困りごとはないかお伺いしています。他社製品であっても、簡単な修理はその場で対応してしまいますね。これからの計画や夢などをお聞きすれば、その場でご提案もします」と山野井さん。
豊富な知識と経験を持った営業マンが、農家に寄り添った「よき相談相手」となってくれる。だからこそ強い信頼が生まれるのでしょう。
「農家とともに歩み、成長する」それがカクイチ140年にわたる想い
創業1886年と、約140年の歴史を誇るカクイチ。鉄鋼金物商としてスタートして以来ずっと、樹脂ホースや倉庫など、農業用製品を数多く手がけながら成長してきました。
「歴史を振り返ると、カクイチは常に農家さんと共にありました。だからこれからも農家さんに寄り添い、成長していきたいという想いがあります」と事業戦略部の小山由美(こやま・ゆみ)さんは話します。
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事業戦略部 ハウス事業企画・デジタルマーケティンググループの小山由美さん
その想いに基づき、新たな事業も積極的に手がけています。
農作物の収穫増・農薬削減などが期待できる「ウルトラファインバブル水」を扱うアクアソリューション事業はその代表。また高齢化社会のモビリティ問題と環境問題を解決する糸口に、と進める三輪EVカートなどを扱うMaaS事業でも、農業に貢献する道を探っています。
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ウルトラファインバブル発生装置。既存の配管などに接続して直径が1μm未満の超微細な気泡を発生させ、通常の水よりも生育環境を良くする
さらに、現在展開する11の事業を通して「13 気候変動に具体的な対策を」「15 陸の豊かさも守ろう」など13のSDGsの目標に取り組んでいます。それもまた、農業を盛り上げる一助になればという想いから。
「多くの農家さんが跡継ぎ問題に悩まれている現実があります。農業が盛んだった土地では、高齢化や過疎化がより深刻な状況に。これでは農業は衰退産業のままです。こういった様々な問題を解決するにはどうすれば良いか、カクイチは常に考えています。解決策の一つは『効率よく、安定的にいい野菜や作物ができること』。それが実現すれば、農家さんは潤う。若い人にとっても魅力ある産業になる。また、高齢になっても長く働ける産業になる。そのために始めたのが、アクアソリューションなどの事業です」と小山さん。
目指すのは、農業に携わる人が、活き活きといつまでも働ける環境。それは地方創生にもつながる、と話します。
小山さんは「その第一歩が、一人ひとりの農家さんと信頼でつながり、よき相談相手となること。夢をお手伝いし、一緒に新しい、ワクワクできる夢を見ることですね」と抱負を話しました。
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国連サミットで定められた、誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための17の国際目標の例。カクイチはこのうち13の目標に取り組んでいます
「カクイチさんに相談すると、だいたいなんでも『できますよ』ってすぐに応えてくれます。思い描いたことが、これはたしかに実現できるぞと思えるんです。だからまた新しい夢が広がる気がします」と期待を寄せる加藤さん。1ユーザーと企業の垣根を超えた、確かな信頼関係が築けていると感じました。
カクイチと出会うことで、加藤さんのように、農業のやりがいに魅せられ、面白さを楽しむ農家さんが増えていく。
それがカクイチの描く、これからの農業の未来なのです。
取材協力
群馬県昭和村 加藤大輔さん
お問い合わせ先
株式会社カクイチ
住所:東京都千代田区二番町5-1住友不動産麹町ビル
電話:0120-984-802 ※土日・祝日を除く9時から18時