創業110余年。最も身近な農業総合支援企業として
農業産出額で全国ベスト8の愛知県。その5割以上を占めるのが東三河エリアです。市町村別でも田原市は全国トップを争い、中核市の豊橋市もトップ10の常連です。中京圏はもちろん関東・関西へのアクセスがよく、太平洋岸の温暖な気候に加え、昭和43年に豊川用水が全面通水して全国屈指の農業地帯へと発展を遂げました。
渥美半島の南端の田原市では、秋冬キャベツを基幹とする露地栽培のほか、施設園芸のトマト、メロン、キク、バラ、観葉植物などの栽培も盛ん。土地生産性の高い農業が営まれています。そんな田原市に創業して110余年、農業者と共に歩んできたのがイノチオグループです。石黒薬局として始まり、農薬・肥料から農業用ハウス、種苗、スマート農業、営農サポートなど、農業総合支援企業として事業を拡大してきました。
現在は豊橋市に本社を置き、次世代施設園芸の実証実験を行いながら、新規就農者や農業経営者の支援・育成にも取り組み、農業を未来へつなぐ活動をしています。「困ったときはイノチオ(旧称・イシグロ)に聞くといい」と、祖父や父から言われて育った後継者も多いほど、発祥の地・東三河での知名度と信頼は抜群。イノチオは密着型の営業で地域の生産者と共に歩んできた農業総合支援企業なのです。
農業用ハウスで半世紀の実績、安心かつ低コストを実現
田原市で園芸作物を生産する横地伸幸さんは、祖父の代に入植した農家の3代目。23歳で就農して、35歳からの5年間は農業関連企業に勤めて園芸作物の栽培技術の研究に従事し、2022年1月に家業に戻ってきました。
両親と共に経営する横地愛菜園は、露地栽培12000㎡、施設栽培18000㎡でハウスの数にすると61棟の規模。渥美半島の作目としては珍しく、冬場は露地栽培のグリーンセロリ(3000㎡)、施設栽培のコーネルセロリ(3000㎡)で、日本一美味しいセロリを目指しています。このほか、施設栽培のニラ(3000㎡)と小ネギ(12500㎡)を周年栽培。小ネギは年間約4回転で約100t、ニラは8回転で28tを生産。父の代から契約栽培にシフトして生産量の9割をスーパー・小売店へ出荷しています。
横地さんとイノチオとの付き合いは、10年前に農業用ハウス4棟を新築したことがきっかけです。ビニールハウスと自動谷換気装置の見積もりで、他社と比べて安かったイノチオアグリで建てることに決めました。「栽培する作物は小ねぎとニラで予定していましたが、土地の形状に合わせて規格外の設計で建ててくれました」と横地さん。土地をフルに活用して建てたハウスで、ニラと小ネギを2年ごとのローテーションで栽培しています。
栽培作物や立地環境に合わせて、自社で設計、施工、資材加工ができることが同社の強み。イノチオアグリ渥美営業所の杉浦伸哉さんは、「全国展開で施工件数も多いので、資材調達時に価格メリットを出せ、さらに自社工場での大量生産でコストを削減できたと思います」と話してくれました。全国での施工実績は過去5年で約2000棟にのぼり、開発部門でも部材の共通化や削減などの工夫を重ね、製品を年々バージョンアップしています。
ハウスのフィルムの張り替えや潅水工事は、自分でやってしまう横地さんですが、自動換気装置の不具合などで頼りになるのは、やっぱり営業担当者です。設備の故障は待ったなし。杉浦さんは連絡を受けるとすぐに駆けつけ、原因を把握して対応します。
「施工の品質がよく、アフターフォローがしっかりしています」と横地さん。メリットは価格だけではありません。歴代の担当者が、密着型の営業でしっかりとサポートしています。
土づくりにこだわるからこそ、土壌診断もイノチオ
横地愛菜園のこだわりは土づくりです。「土耕栽培で有機肥料を使うと化学成分が過剰になりがちなので、土壌の状態を正確に診断して過不足なく与えることが肝心です」と、横地さんは話します。
農業用ハウスを建てた10年前から、全圃場の土壌診断を他社からイノチオに切り替えました。イノチオの土壌診断を試して、数値が農業者の感覚に近く信頼感があったそうです。数値の正確さは、科学的な分析データと蓄積した経験知で農業を支援するイノチオのこだわりです。高精度な分析装置を導入し、さらに国の機関でも定期的に数値にブレがないかを確認しています。横地さんは毎作、全圃場イノチオの土壌診断を受け、診断結果に基づいた作物ごとの肥料提案をもとに施肥設計をしています。
「グループの総合力が大きな強みです」と話す営業担当の杉浦さんは、農業用ハウスと設備・資材が専門ですが、社内には各分野の専門スタッフが在籍。作物の生育や肥培管理、分析関係などの問い合わせにも迅速に対応することができます。杉浦さんもまた田原市の出身。親戚や友人にも就農者が多く、身近に農業がある環境で育ち、地域を支えることにやりがいを感じているそうです。
横地さんが地域で目指しているのは農業による雇用創出です。小ネギとニラの契約栽培は、その第一歩でした。現在、袋詰めの作業を地域の高齢者や体の不自由な人へ外部委託して約40名が従事しているほか、その配達員と事務職員をパートで3名、栽培には技能研修生4名を雇用しています。
「イノチオさんも農業雇用で東三河に貢献しているように、私も正規雇用を進めていけたらと思っています」と横地さん。将来的に小ネギは数年かけて現在の約2倍の25000㎡までニラも面積を増やすことを検討中。そのときは、まずイノチオに相談しようとも考えているようです。
一気通貫であらゆる困りごとを解決、農業をトータルサポート
愛知県東三河の農業者に圧倒的な信頼と知名度を持つイノチオグループ。農薬の会社から、現在は農業用ハウスの会社としても定着しています。ハウスを建ててからも、営農サポートや修理・メンテナンスなどのアフターフォローまでワンストップ。同社では農業経営モデルのシミュレーションをトマトとイチゴで実施しており、今後は他の品目にも拡大予定です。収支試算を数値で出してもらえるので、施設栽培への新規参入を考えているなら、まずイノチオに相談してみるといいでしょう。
メーカーでありながら商社機能を持ち、お客さまの声を聞いて商品やサービスとして提供することができるのも一気通貫のイノチオグループだからこそ。近年ではキク農家の声を聞いて元営業が開発した内張りカーテンフィルム「なつみスクリーン」、横地さんも導入している砂をろ過材とした「サンドフィルター」など、低コストの商品開発を実現し、国内外の製品も取り揃えてニーズに応えています。
農業総合支援企業を標榜するイノチオグループの想いは、農業のことはすべて任せられる企業になり、農業で地域を支えていくこと。「愛知・渥美半島の元気を日本中へ、そして世界へも届けたい」と、広報チームが全社員の想いを代弁してくれました。
全国どこでも、農業で少しでも困ったことがあれば、まずイノチオに相談してください。営業所の店頭でも、同社Webサイトからでもワンストップで、農業者に寄り添った答えを出してくれるでしょう。
(取材協力)
横地愛菜園 横地 伸幸さん
愛知県田原市
(お問い合わせ)
イノチオホールディングス株式会社
愛知県豊橋市向草間町字北新切95
TEL:0532-48-5711
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