荒れた夏の天気。秋はどうなる?
2022年の夏は、6月の記録的な猛暑や8月の東北・北陸を中心とした豪雨があり、農業にも大きな影響がありました。気象庁は6月下旬に九州南部から東北南部までの9つの地方の梅雨明けを発表したものの、その後7月下旬に変更。9月には過去最強クラスの台風14号が九州や北陸に上陸し、被害が報告されています。
今後の気温や雨、台風についてはどうなるのでしょうか。秋の気象についてウェザーニューズ社の予報センター に予想してもらいました。
気になる秋の台風や雨は?
――9月中旬に日本列島を襲った台風14号は大型で強い台風でした。10月もこうした台風は日本に接近するのでしょうか?
今年は太平洋高気圧の後退が平年より遅く、張り出しが強いため、台風が本州付近に接近しやすい見込みです。具体的な場所や時間の予想は難しいですが、10月も注意が必要になりそうです。
――本州の農家さんは特に台風への備えが重要になりそうですね。秋雨前線についてはどうでしょうか?
降雨量については現時点の見解ですが、南西から高温多湿の空気が流れ込み、秋雨前線の活動が活発になりやすいため、10月は全国的に平年より降水量が多くなる見込みです。11月も前線や台風による暖湿気の影響で、初めごろはぐずつく時期があり、東日本太平洋側で大雨のおそれがありそうです。
暑さはどこまで続く? 温度変化のタイミング
――2022年の夏の暑さは記録的でしたが、秋もまだまだ暑くなりますか?
残暑という意味では9月末までは続きそうです。10月も全国的に平年より気温が高く暖かい予想となっています。ただ、気温そのものがだんだんと下がってくる時期ではあるので、体感的には涼しさも感じそうです。
エリア別では、北〜東日本は9〜11月を通して平年より高くなる予想です。西日本は9〜10月は平年より高いものの、11月は平年並みか高くなる見込みです。沖縄・奄美では9月は平年並みかやや高く、10〜11月は平年より高くなりそうです。11月下旬に寒気が西日本を中心に流れ込みやすくなるため、西日本ほど前月との体感差を大きく感じる時期がありそうです。

画像提供:ウェザーニュース
――特に気温変化が感じられる時期はいつになりそうでしょうか?
温度変化が大きくなるタイミングは、西日本が11月下旬ごろ、東、北日本は12月中旬ごろになりそうです。ラニーニャ現象の影響で11月以降は西日本や沖縄方面に寒気が入りやすくなり、あわせて北極の寒気も放出傾向で、本州にも北からの寒気が南下する可能性があります。
――11月は寒くなりそうですね。
そうですね。11月に入ると季節が大きく進んで冬の気配も感じられそうです。昨年(2021年)は10月中旬に一気に季節が進んだのですが、今年は同様のタイミングが11月に予想されています。野外での作業の際は防寒用のインナーなどがあるとよいかもしれません。
また、湿度が下がってくるので、乾燥にも注意ですね。
――11月までに農作物の寒さ対策や乾燥対策も万全にしておきたいと思います。ありがとうございました!
取材協力:株式会社ウェザーニューズ