コロナ禍で打撃を受けた花き業界。
生き残るためのアプローチを模索
新型ウィルスの流行で多くの業種が影響を受け、働き方や取り組みの変化を求められました。切花などを生産する花き栽培農家も例外ではありません。桑原さんや楠さんが主力としている白い輪菊は仏花や葬儀、墓参りなどに重宝される花です。感染を防ぐため、葬儀や集会が激減したことで需要も大幅にダウン。出荷しても売り上げにならない日も少なくなかったといいます。
桑原さん
楠さん
全国的に切花の需要が減少する中、リスク分散のためにも多品種の生産に取り組みます。学名から「マム」とも呼ばれる洋菊の人気は高く、お祝いや普段使いなど幅広く使われているそう。桑原さんや楠さんを含む若手花き栽培農家8名がつくる研究会では、さらなる対策の検討がスタート。その中でキーワードになったのが“鮮度保持”でした。
ネット検索で発見した日栄インテックの
『スーパークーリングシステム』
切花は他の農産物と同じように、収穫してからどんどん鮮度が落ちていきます。特に輪菊は花が開いてしまうと価値が下がるので、収穫から出荷、市場へ輸送する間の鮮度保持も含めて冷蔵庫での低温管理が基本です。鹿児島県枕崎市は気候的にも暑い期間が長いうえ、桑原さんや楠さんの農家では北海道から宮崎まで全国各地の市場に出荷するため、輸送距離と輸送時間を考慮する必要もあります。また、白の輪菊は葬儀以外に年末年始、お盆、お彼岸に特需があり、栽培農家としては単価が良い時期に安定して出荷させたい希望を持っていました。
楠さん
桑原さん
既存の冷蔵庫に後付け可能。
特需を狙った出荷調整にも活用
桑原さんと楠さんを含む、研究会メンバーの4農家が『スーパークーリングシステム』の導入を決定。導入に関しては、鹿児島県のポストコロナ農業生産体制革新プログラム事業を活用しました。これは生産者に対する技術革新のための補助金で、必要経費の75%をサポートしてもらえる内容です。枕崎市の担当課とも相談し、申請は無事に採択。2021年12月、それぞれの冷蔵施設にシステムが設置されました。
桑原さん
楠さん
12月は年末年始の特需時期。とはいえ、寒い季節ということもあり、すぐに大きな違いを感じることはなかったそう。『スーパークーリングシステム』の効果を実感できたのは、やはり気温が上がる5月からとのこと。
桑原さん
楠さん
鮮度保持がもたらした花き栽培農家の働き方改革
狙った時期に良質な商品を安定して出荷できることは収入の安定にもつながり、年間130回ほど催されるセリに向けて出荷を途切れさせないという点では市場からの信頼も得られます。導入からまだ9カ月ですが、お二人の声から『スーパークーリングシステム』に対する信頼と可能性を感じている様子がうかがえました。実は、売上げアップの他にもメリットがあったようです。
楠さん
桑原さん
花き業界の底上げや地元雇用にも貢献!?
未来に向けた可能性が広がる
現在、枕崎市の4農家で導入・運用されている『スーパークーリングシステム』。そのうちの一軒が『スーパークーリングシステム』での貯蔵を経たスプレーマムを鹿児島県の品評会へ出品し、優秀な成績を残したそうです。いろいろと検証段階ではありますが、導入実績としての評価を高める結果になりました。
桑原さん
良い設備や情報は仲間と共有していきたい、と考えている桑原さん・楠さん。花き業界に『スーパークーリングシステム』が広まると、特需に合わせて出荷調整できる大きなウマみが無くなる懸念はないのでしょうか。
桑原さん
楠さん
桑原さん
楠さん
今後、『スーパークーリングシステム』の導入を通じて一次産業の発展、そして地域活性につながる新たなイノベーションを生み出すきっかけになるかもしれません。気になる方はぜひ、『スーパークーリングシステム』の公式サイトをチェックしてみてください。
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来月10月12日(水)~14日(金)の3日間、
農業Week2022(於:幕張メッセ 7ホール入って左側:小間番号:2-2)に出展します。
記事にて掲載中の『花卉』や『青果』も展示しておりますので、鮮度保持の事実を『見て』『触って』『食べて』ご体感ください。
【お問い合わせ】
日栄インテック株式会社
環境事業部 スーパークーリンググループ
東京都荒川区西尾久7-34-10
TEL:03-3893-4471(担当:市川・上野)
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