研究・開発を深化・発展
『「知」の集積と活用の場』は2016年、農林水産・食品分野に他分野のアイデア・技術等を導入し、産学連携で新たな商品化・事業化を目指すオープンイノベーションの取組として立ち上がった。現在、4,000を超える企業や大学、研究機関等が参画。共通の課題に取り組む「研究開発プラットフォーム」と、その中で具体的な研究を行う「研究コンソーシアム」が多数設立され、研究活動が行われている。
ポスターセッションは生産者や企業、大学など研究機関が連携し、研究を深化・発展させていく契機とするべく、2018年から毎年開催されている。
2022年のポスターセッションは11月30日、東京都内の会場でオフライン開催されたほか、同日から12月16日まで、特設サイトにて研究成果を示した計約60点のポスターが展示れた。
15日に行われたオンライン開催では、2つのグループに分かれてスマート農業や持続可能な農林水産業に向けた取り組み、研究の成果発表が行われた。このうち「持続可能な農林水産業・食品産業部会」の発表では、食品廃棄物などから機能性成分をワンストップで生成する技術や実用品種に応用可能なゲノム編集技術、植物の成長を促進させる新奇塗料の開発など、最先端のテクノロジーや研究成果が披露された。
土壌改良による農産品の品質向上と収量増加に関する研究開発プラットフォームの発表では、未利用有機物を堆肥化し、青枯病、立ち枯れ病、うどん粉病、ネコブセンチュウなどを克服した事例を紹介。プロデューサーの農学博士である関浩一さんは、独自開発した酵素を使った有機物分解技術に触れながら「これまでウッドチップやヒノキ、ヒバの葉を発酵させるなどして、さまざまな未利用有機物を試してきた。今後はもみ殻などを有効活用できたら」と話した。
同日は会員や参加者らによる懇親会も行われ、研究談義に花を咲かせていた。