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ECで埋没を防ぐノウハウ、顧客満足度を高める「2階から落としても大丈夫な梱包」

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

ECで埋没を防ぐノウハウ、顧客満足度を高める「2階から落としても大丈夫な梱包」

自社ECサイトやショッピングモールサイト、産直ECなどを使い、農産物をインターネットで販売する農家が増えている。だが利用が増えるのに伴い、消費者に見つけてもらえず「埋没」するリスクも高まっている。そんな中、ECを販路の柱にして売り上げを伸ばし続けている花卉(かき)農家の中村光輝(なかむら・みつてる)さんに、その秘訣(ひけつ)を聞いた。

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店舗休業と台風被害をネットで挽回

中村さんはもともと電子部品メーカーの子会社で営業の仕事をしていた。だが、小さいころから抱いていた「花が好き」という思いが募り、脱サラを決意。数年間勤めた会社をやめ、花農家を目指すことにした。

新規就農者は栽培への思いが先に立ち、農業を始めた後にどこにどう売るかで壁に当たるケースが少なくない。その点、中村さんがユニークなのは販路に困らないようにするため、2010年に自ら花屋を開いたことだ。

当初は市場から花を仕入れて売っていた。店が軌道に乗ると、東京都瑞穂町にハウスを建て、念願かなって花農家になった。2013年のことだ。

中村光輝さんの栽培ハウス

花を育てるハウスと店舗の両方を運営しながら、売り上げは順調に増えていった。転機は2018年に訪れた。一緒に仕事をしていた妻が出産を控えて店に出るのが難しくなったため、8月から店を休むことにした。

休業に伴い、以前から少しずつ手がけていたECサイトでの販売に力を入れることにした。ところがその直後、栽培面で思わぬダメージを受けた。2棟あったハウスのうち1棟を台風で吹き飛ばされたのだ。

影響は深刻だった。2017年の売り上げを基準にすると、2018年は約3割減り、ネット販売だけになった2019年は6割減まで落ち込んだ。ところがこれを底にV字回復をとげ、2022年は2017年と同じ水準まで戻した。ネット販売だけで比べれば、22年は18年の3.7倍まで拡大した。

この過程で2019年と2021年に新たにハウスを建てた。ネット販売の好調が、増設へと背中を押した。今年さらに1棟増やすことも計画している。実現すれば合わせて4棟になり、売り上げは2017年を超える。

愛好家の心をつかむ販売手法

中村さんが利用しているのは、アマゾンと楽天市場だ。膨大な出品数がある大手プラットフォームで、どうやって売り上げを伸ばしているのか。この点について「漠然と出品していたのでは検索してもらえず、埋没する」と指摘する。

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