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果樹王国で必要不可欠の作物保護・農薬を学ぶ 新規就農者も安心、JCPAの講師派遣・全国で開催中

果樹王国で必要不可欠の作物保護・農薬を学ぶ 新規就農者も安心、JCPAの講師派遣・全国で開催中

温暖多湿な気候の日本の農業は、病害虫・雑草との戦いと言われています。そんな農家にとって重要な作物保護を学ぶ第一歩に、JCPA農薬工業会の講師派遣事業があります。新規就農希望者を対象とした講習会もあり、「作物保護技術の核となる農薬、ラベルはまず何を見ればいい?」など、就農前に学ぶべきポイントを伝えています。今回は山梨県甲府市で開催された、新規就農希望者向け講習会の様子をご紹介します。

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「農薬って何?」から「正しい使用方法」まで。基礎がしっかり身につくプロによる講習会

作物を栽培するには、まず病害虫・雑草の害から作物を守ること。そのために使うのが農薬です。

しかし、

「農薬は種類がありすぎて、何を使って良いのかわからない」
「先輩は出荷直前まで農薬を散布しているけど、安全なのかな?」
「無農薬にこだわりたいけれど、本当にうまくいくのだろうか」

など、これから就農する方にとって、農薬とその使用方法は疑問や不安が大きいものの代表格ではないでしょうか。

「とりあえず1種類だけ使おう」
「先輩農家の真似をすればいいか」
「良いイメージが無いから、使わないようにしよう」

なんて方もいるかもしれません。

実は農薬には様々な種類があり、それぞれ使い方が明確に定められています。正しい知識に基づいた適切な使い方を実践することができれば、消費者や生産者の安全と安心を守り、営農の効率化がはかれます。一方、誤った使い方をすれば、消費者や生産者自身に多大な影響を及ぼしかねません。

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これらの悩みに応えるため、専門講師の派遣による研修講習会があります。この講師派遣は、JCPA農薬工業会が公益社団法人 緑の安全推進協会に委託して実施しています。

今回ご紹介するのは、このうち、2023年1月に山梨県で行われた講習会です。
山梨県就農支援センターが主催する「やまなしあぐりゼミナール研修」の20代から40代までの新規就農希望者およそ20名が参加。彼らは、将来の就農を目指し、栽培や経営について学んでいる真っ最中です。

講習会は、クイズからスタートしました。

委嘱講師
木村さん

農薬を使用しなかった場合、コメの収穫量は約8割に減ります。
では、りんごの収穫量はどれくらいまで減ると思いますか?

答えはなんと「約1割」。その他、ももやきゅうりも半分以下になるなど、多くの作物で収量減になってしまうことが紹介されました。
また、農薬を散布することで、除草時間が大きく減少するというグラフも。約50年間で、水田では10アールの除草に51時間かかっていたのが約1時間まで減少。その他の畑でも圧倒的な効率化が図られていることが説明されました。これには参加者も驚いたようすです。

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公益社団法人 緑の安全推進協会 委嘱講師 木村恒さん

委嘱講師
木村さん

国によって使用が認められる農薬の基準は『散布された後、収穫物を洗わずに食べても人体に影響がないもの』と定められています。だから農薬散布を過剰に忌避する必要はありません。
実際、残留農薬の基準値超過の例はまれにありますが、残留農薬による事故の事例は確認されていません。

そのほか、配布されたリーフレットなどを使いながら、適切な散布方法についてじっくり解説がされます。

中でも「正しいマスクの装着方法」は、動画を視聴した後、配られたマスクを用いて参加者全員が実際に練習。また、薬剤・散布方法ごとに違う保護具の種類、その見分け方も詳しく説明されました。

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日常生活で使う不織布マスクでは農薬を約30%しか防げないが、農薬用のマスクなら97%は防げる

最後に、周囲への安全対策や正しい保管方法を紹介して、講義は終了。最後に行われた質疑応答では、農薬散布を経験した参加者から、具体的な質問もあげられました。

農薬について体系的に学べる機会はそう多くはありません。
これから就農する生産者にとって大切な基礎知識や心構えが身についたのではないでしょうか。

いよいよ迫る独り立ち。講習会を経て、解像度の上がる生産者としての夢

講習会に参加した佐藤正太郎さんと土屋舞夏さんに感想を聞きました。
2人とも「やまなしあぐりゼミナール研修」に参加して2年目。佐藤さんは2023年の春から、土屋さんは秋から、もも・ぶどう農家として新規就農する予定です。

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もも・ぶどう農家を目指す佐藤正太郎さん(左)と土屋舞夏さん(右)

農薬散布は研修先農家でも経験していましたが、詳しい混合方法や分量、時期や頻度まで、基礎から教えてもらえて、より安心できました

佐藤さん


農薬はできるだけ使いたくないと思っていましたが、山梨県は果樹畑がたくさんあって、近隣の農家の畑と接しているところばかり。
使用しないことで病害虫が発生したら迷惑を掛けてしまうのでどうしようか悩んでいましたが、農薬はどんどん安全になっているということがわかり『上手に使っていこう』と思えました。

土屋さん


そうですね。農薬は、収穫物を洗わずに食べても人体に影響がない基準で作られているという話が印象に残っています。
適切に使えば消費者に安全な果物を届けられるんだと、安心しました。

佐藤さん

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10代のころからずっと農業に憧れていたという佐藤さん

ラベルの読み解き方や散布の方法など、具体的な話も今後の役に立ったと佐藤さん。

先輩や近隣農家さんからいろんな農薬を勧めてもらえるのですが、まず、どこを見ていいかがわからないんです。基礎知識を習得できたので、これからは自分でも選択できるようになりたいです。

佐藤さん


保護具の大切さも理解できました。これまで曖昧だったことやイメージだけで考えていたことが、講習会を通して具体的に理解できるようになりました。
秋からのスタートがよりリアルになった感じですね。

土屋さん

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都内で働いていたものの、コロナをきっかけに地元山梨に戻ったという土屋さん

基礎知識もそうだし、配布されたたくさんのリーフレットや資料もありがたかったです。

佐藤さん


そうですね、今後何度も開いて読み直すと思います。

土屋さん

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講習会で配布されたリーフレット。JCPAへの問い合わせで受け取ることも可能

これから農家として歩む日々にしっかり生きてくる講習会となったようです。
最後にお二人に将来の目標をたずねました。

いつか、大臣賞をとれるような桃をつくりたいと思います。

佐藤さん


メリハリをつけた経営で、夏はしっかり働き冬はゆっくりできるルーティンをつくれるようになりたいです。

土屋さん

栽培、そして農業経営の要となる農薬。二人の未来の解像度が少し高まりました。

農薬は農家を支えるパートナー。だからこそ”就農前”に正しい基礎知識を

「農薬の基礎に関する講習会を開いたのは、今回が初めてです。農家にとって絶対に必要な知識なので、新規就農希望者向けに開きたいとずっと考えていたところ、JCPAのおかげでやっと実現しました」。
そう話すのは、やまなしあぐりゼミナール研修の研修コーディネーターを務める渡辺久夫さん。自身もぶどう生産者です。

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山梨県就農支援センター 渡辺久夫さん

「農薬を使わなければ果樹の収量は激減します。昨今は有機や無農薬を打ち出す生産者も増えていますが、農薬を使わない場合は、病害虫の被害が出ていないか、常に畑を見回らなければなりません。私のような兼業農家には難しいし、経験も知識も必要となります。まずは適切に農薬を使用して生計を確立し、経験を積んでから少しずつ自分のやり方を試していってほしいなと思います」。

山梨県の果樹にはブランド種や高級品が多く、少しでも傷や病気が見つかれば出荷できません。最悪の場合は、樹木そのものを処分する必要も出てきます。そうなれば、数年にわたって収入に影響を受けてしまうことに。
だからこそ「果樹農家にとって農薬は切っても切れない関係です。正しい知識を身につけることは、生産者として生き延びることに直結します」と渡辺さんは考えています。

「果樹は収穫が1年に1回しかできません。実務の中で学ぼうと思っても、機会や時間自体が少ないため、すぐに身につけることが難しいんです。だからこそ、今回のような基礎知識を身につけられる講習会が重要と考えていました」。

様々な研修を探す中で、JCPAを知ったという渡辺さん。「重要な基礎知識が網羅されていて、とても良い講習会だったと思います。今日学んだことは、これからの営農に必ず役立つはずです」。
また、今後も新規就農希望者向けのこの講習は続けて行きたいと意欲的。「中堅やベテラン農家向けなどレベルに合わせた研修もお願いしたいと考えています」とJCPAの講習会に非常に満足したようすでした。

今回のような講師の派遣を、JCPAは全国で行っています。
農業にとって重要な農薬の適正使用の知識についての講習会はもちろん、様々なテーマでの開催も可能だとのこと。

農業関係者の皆さんは、相談してみてはいかがでしょうか。

【取材協力】

山梨県就農支援センター

【お問い合わせ先】

JCPA農薬工業会
東京都中央区日本橋茅場町2丁目3-6 宗和ビル

JCPA農薬工業会のHPはこちら

公益社団法人 緑の安全推進協会
東京都千代田区内神田3丁目3-4

緑の安全推進協会のHPはこちら

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