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新しい農業経営の可能性を広げる飼料用とうもろこし『ハヤミノルド』とは?

新しい農業経営の可能性を広げる飼料用とうもろこし『ハヤミノルド』とは?

ウクライナ情勢の影響も受けて飼料価格の高騰が続く今、自給飼料の活用が期待されています。そんな中、従来の栽培限界地帯でも安定栽培できる新品種として開発されたのが、超極早生品種とうもろこし『ハヤミノルド』です。その魅力について、試験栽培を行った北海道道北地区での活用をもとにお話を伺いました。

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ニーズが高まる自給飼料に注目の新品種『ハヤミノルド』が登場

濃厚飼料の9割近くを輸入している日本では、飼料自給率の向上が課題となっています。

国内最大の酪農、肉用牛の生産地である北海道では、飼料用とうもろこしの栽培面積が増加傾向にあるものの、栽培過程では「すす紋病」「ごま葉枯病」などの病害、台風による倒伏に見舞われることも少なくありません。

また、飼料を消費する道内の主要酪農地帯が飼料用とうもろこしの栽培限界地帯に位置することなど、高エネルギー作物である飼料用とうもろこしの安定栽培のためには避けて通れないいくつもの課題があります。

このような背景から開発されたのが、超極早生品種の飼料用とうもろこし『ハヤミノルド』です。

ハヤミノルドの特長は大きく3つ!

・相対熟度60日という、他品種と比べて圧倒的に早い「早晩性」
・すす紋病やごま葉枯病、赤かび病にも負けない「耐病性」
・『極強』という、これまで類を見ない「耐倒伏性」

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試験で収穫されたハヤミノルド。飼料用だけでなく、子実用とうもろこしとしての利用も検討されている

農研機構と道総研が約6年の歳月をかけて開発したハヤミノルドは、従来の飼料用とうもろこしと比較し、多くの長所をもつ超極早生品種として今後の活用が期待されています。

試験で証明されたハヤミノルドの強み 事例をもとに紹介!

実際にハヤミノルドの試験栽培を行った上川農業改良普及センター名寄支所の後藤有美主査、士別支所の大日方唯子主査にお話を伺いました。

早生による収量の課題も克服! ハヤミノルドであれば倒伏も心配無用

もち米の作付面積が日本一を誇る名寄市は、スイートコーンやかぼちゃなどの園芸作物や畑作物も多く作付けされている地域です。また、牧草や飼料用とうもろこしも多く作付けされています。

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名寄市で行われた試験栽培ほ場の様子。ハヤミノルドや他品種の比較試験が実施された

「飼料用とうもろこしには様々な品種があります。なかでも、ハヤミノルドは現地で作付けされている他の品種と比べて収穫期を早く迎えました。収量は少ないと予想していましたが、2カ年の試験栽培では慣行品種の平年値収量と比較して生総収量で約80%でした。」と話すのは、名寄支所の後藤主査。

名寄市では相対熟度85日クラスの品種を中心に作付けされていますが、ハヤミノルドは相対熟度60日クラスなので、既存品種よりも早期の収穫が可能です。

また、とうもろこしは早く刈り取れる品種であればあるほど収量は少ないですが、ハヤミノルドであれば「密植」で十分カバーすることも可能です。一般的にとうもろこしは密植すると倒れやすくなる性質がありますが、耐倒伏性に優れた『ハヤミノルド』であれば、その心配もありません。

輪作に組み込むことで省力化! ハヤミノルドによる新しい作付体系の可能性

名寄市の南に位置する士別市は、酪農家と耕種農家が混在する地域です。牧草や飼料用とうもろこしの他、作物ではうるち米をはじめとした水稲や、麦や大豆などの畑作物の栽培も盛んに行われています。

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「士別市では大規模な畑作を営む農家も多いため、輪作品目としてハヤミノルドを組み入れることができればメリットを感じる方が多いのでは」と話すのは、士別支所の大日方主査。

実際に、士別市でのハヤミノルド試験栽培は大規模畑作農家が実施。結果として、ハヤミノルドの登熟の早さに加え、飼料用とうもろこしが省力作物であることが確認されました。

試験栽培に取り組んだ農家も「大規模畑作経営の輪作品目として魅力的な作物になるかもしれない」と、ハヤミノルドに対して期待を込めます。

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とうもろこしで他品目も収量アップ!? 秘訣は土壌にあり

名寄市の試験栽培ほ場を、見学した農家から「相対熟度60日のハヤミノルドで、ある程度の収量が確保できるなら、8月にハヤミノルドを収穫してから、草地更新をする方法もあるのではないか」という話も伺えたと、後藤主査は話します。

超極早生のハヤミノルドであれば8月に収穫を行い、その後、秋まき小麦を播くことも十分可能です。普通に播けば小麦の前作として活用でき、遅播きにすれば春に集中する作業を分散しつつ、通常の品種と同じタイミングで刈り取ることもできます。

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とうもろこし栽培後、秋まき小麦や大豆において収量が増加した報告があり、土壌改善効果も見込めます

また、農研機構の黄川田智洋上級研究員は、ハヤミノルドの研究開発に携わる”育成者”として、そのポテンシャルに期待を寄せています。

「深根性の作物であるとうもろこしを栽培することで畑の土壌構造を改善するメリットもあります。その後植える基幹作物の小麦や大豆の収量を上げるために、緑肥としてハヤミノルドを植える考え方もあります。このように、各地域の作付体系にハヤミノルドが組み込まれた結果、思ってもみなかった農業の展開が生み出されていくことを育成者としても望んでいます」

国産飼料の生産拡大は、持続可能な農業にも貢献

士別支所の大日方主査は、「畜産農家だけでなく畑作農家にとっても飼料用とうもろこしを栽培するメリットは大きいはずですが、今は栽培しても収支を合わせることや販売までつなげることが難しい。飼料用とうもろこしの作付け拡大には今後、耕畜連携がとても重要になると感じています。」と地域の今後に期待を込めます。

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ハヤミノルドは今年度も試験を実施予定。北海道各地での試験により実用化を目指します

畜産農家が良質な堆肥を農地に還元し、その堆肥を土づくりに生かした畑作農家が作物を栽培し、出来上がった作物を家畜に供給できれば地域の循環型農業が確立します。そのためには、地域全体で農業のしくみから変えていく必要がありそうです。

一般社団法人日本草地畜産種子協会の伊澤健さんは、「新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、肥料や燃料など様々な資材の価格が高騰しました。飼料原料の輸出元国においても同様であり、飼料原料の調達価格は高騰前の状況には当面の間戻らないでしょう。」と見通します。

飼料の多くを輸入に依存している日本は為替などの外的な要因を受けやすく、今後は畜産物需要大国である中国の飼料原料輸入量が増大することも懸念されます。

国内の畜産経営における『飼料の安定的な価格による量の確保』のためにも、自給飼料の生産・利用の拡大が求められています。ひいては地域の農業の持続的な発展にもつながるのではないでしょうか。

新品種『ハヤミノルド』を試してみませんか

今回ご紹介した『ハヤミノルド』に興味のある生産者の方には試験栽培の一貫として試作用の種を少量頒布することが可能です(※)。

秋まき小麦の前作として、新たな輪作作物として、既存品種との比較として栽培を検討してみたい方はぜひお問い合わせください。

※栽培データ取得へご協力いただける方が対象となります。

『ハヤミノルド』についての問い合わせ

一般社団法人 日本草地畜産種子協会 
東京都千代田区神田紺屋町8 NCO神田紺屋町ビル4F
TEL:03-3251-6501
FAX:03-3251-6507
『ハヤミノルド』についてはこちら

試作用の種頒布についてのご相談・お申込み

農研機構北海道農業研究センター 研究推進部研究推進室
北海道札幌市豊平区羊ケ丘1番地
URL : https://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/harc/

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