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【岡山県】倉敷の大産地でもも農家に!会社員からもも農家になった経緯と魅力とは?

【岡山県】倉敷の大産地でもも農家に!会社員からもも農家になった経緯と魅力とは?

瀬戸内海沿岸の豊かな自然と温暖な気候を生かし、さまざまな農産物が栽培されている岡山県。今回は県内最大の栽培面積・生産量を有し、近年5年間で移住者等12名の新規就農者を確保した『JA晴れの国岡山 玉島北園芸協会桃部会』に所属するもも農家 杉原崇仁さん(34)に、就農の経緯ともも農家の魅力について伺います。杉原さんも利用した、岡山県の『新規就農研修制度』は必見です!

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結婚を機に、大手企業勤務からもも農家に転身!

杉原さんの前職は造船業。地元、岡山でも知名度の高い大手企業で、仕事内容も面白く、安定性も申し分なかったそうです。しかし、凄まじい発注数をこなすための連日の残業や手がけた仕事への評価が発注元から得られないなど、自分の力がおよばぬ現実に戸惑いを感じ、結婚を機に昔から抱いていた農業への思いが強くなっていきました。

岡山県の『新規就農研修制度』を利用してもも農家になった杉原崇仁さん(34)

新規就農に際して、奥さまにお伺いを立てたところ「どうぞ♪私は手伝わないけど(笑)」とあっさり了承。「農作業への参加を求めない」を条件に転職(就農)の許可を得られたのでした。

栽培品目は果物だけでなく、米やキノコに野菜など、ありとあらゆる品目を検討したそうです。その一環で、岡山県が主催する産地見学ツアーに参加し、農家から直接話を聞きながら、自分に合った品目を絞り込んでいきました。

杉原さんがももの栽培に挑戦すると決意した最大の理由は、ほかの農作物に比べて初期投資が抑えられそうだったから。

たとえば、米の栽培には大型の設備や機械だけで数千万円単位の投資が必要な上に、十分な収益を確保するためには大規模な田んぼを手に入れなければなりません。他方、露地野菜は米に比べれば初期投資の負担は軽いものの、十分な収益を確保するには大規模な畑を確保する必要があります。

杉原さんはもも農家の道を選択(オレンジの袋は「白桃」を産み出す果実袋)

ももは露地栽培なので、青空の下でのびのびと作業ができます。どうせなら、なるべく自然を感じながら仕事がしたい。そう思ったのも、ももを選んだ理由の1つです。

万全の就農準備と充実した支援制度!周囲の農家の励ましも大きな支えに

産地見学を繰り返しながら3年近くかけてじっくり検討を重ね、28歳で10年務めた造船会社を退職した杉原さん。その後、岡山県の『新規就農研修制度』を利用して、ついに「就農」の道へと進みはじめます。

同制度を通じて地域のベテラン農家と引き合わせてもらい、2年間、ももの摘果や袋掛けにせん定、農業機械の使い方などの栽培技術、簿記や税務申告などの経営面を含め「農業」について学んだと語る杉原さん。

そんな岡山県の『新規就農研修制度』のメリットについて、就農者をサポートしている岡本寛さんにもお聞きしました。

産地副会長として、就農者をサポートしている岡本寛さん


研修中は収入が途切れるため、経済面の不安から二の足を踏む人も多いです。しかし、岡山県の『新規就農研修制度』は研修期間中の研修費として年間150万円が用意されており、就農後の支援も手厚いので、安心して挑戦できますよ。

岡山県の研修制度はこちら

杉原さんは、上記の研修費に加えて、研修前の3年間にしっかりと資金を準備したことと、会社員として働く奥さまの収入があったため、研修期間中も日々の生活費は十分賄えたそうです。

新規就農にあたっては、生活資金だけでなく、園地の確保や農業機械・設備などの初期投資にもお金がかかります。自分の目指す経営の確立に向けて、就農前にしっかり貯金しておくのが大切ですね。

慎重で几帳面な性格もあり、順調に就農への道を歩みはじめた杉原さん。はじめて大きな不安に襲われたのは、園地の準備に動き出した時でした。

地域のベテラン農家から「園地が出たぞ」と紹介され、訪れてみると…そこは密林。10数年前までももを栽培していた土地と聞いて高まっていた期待が、ガラガラと崩れ落ちました。

あの時は「こ、これを…ど、どうしたらいいんだ???」と、大きな不安に襲われましたね。

そんな杉原さんを支えてくれたのが、地域の仲間でした。チェーンソー部隊が次々と雑木を切り、その後を重機部隊が追いかけ、根を掘りあげていく。道具・重機は各農家持ち寄りです。杉原さんは圧倒されながらもチェーンソーを振るい、約60aの耕作放棄地を見事に再生させ、自身の手でももの苗木を植えました。

今では多くのももが成っている、杉原さんが仲間達と再生した園地

さらに大きな励みとなったのは、同世代の志を同じくする大勢の新規就農者でした。
彼らとは、県やJAが主催する栽培技術講習会では、摘果やせん定、品種構成など技術面について議論し、また農業経営や資金繰りなどの研修でも悩みを交換するなど、現在も共に切磋琢磨し、高め合っています。

就農5年目の3人組!写真左:兵庫県から移住・就農した岡本さん夫妻 / 写真右:大阪府から移住・就農した森本さん夫妻

2019年1月、産地一丸となった手厚いサポートのおかげで農業実務研修を終えた杉原さん。ついにもも農家としてデビューを果たします。再生した園地も植樹から3年が経ち、これからどんどん収量が上がっていきそうです。

昨年、試しに果実を1つ成らせたんです。順調に成熟期となったももを手に取り、じっと眺めると、いろいろな想いが溢れました。神棚にお供えし、家族で分け合い、みんながおいしいと言ってくれた笑顔がとても嬉しく、一生忘れられない光景になりましたね。

選果場にはたくさんのももが入った箱の山!この日の出荷量はまだ少ないほうなのだそう

現在1.4haの園地で白鳳や清水白桃・白麗・白皇®・恵白など約10品種を栽培し、3ヶ月の長期出荷を達成している杉原さん。じつは、果樹栽培で課題となるのが、植樹から約5年を経ないと収入を得られない現実。
しかし、杉原さんは幸運にも、果実を十分に収穫できる成木園40aを手に入れました。地域の皆が、一生懸命に園地情報を探してくれたおかげだと語ります。

うちの産地はしっかりとした選果場も整備されていて、収穫したももを持ち込むだけで、選別・梱包・運搬・販売してくれるんです。生産に集中できるのは大きなメリットですね。

志を同じくする新規就農者とともに、産地一丸で岡山の農業を盛り上げたい!

順調に収量が伸びているとはいえ、就農5年目の杉原さんはまだまだ成長途上。天候は毎年変わり、樹にも1本1本個性があるため、同じ栽培管理をしていても思った通りにはいきません。そうした悩みも地域のベテラン農家に相談し、自分なりの答えを出して実践する。毎日が勉強です。

また、杉原さんが地元の農業を盛り上げるために意識しているのは「さらなる新規就農者に対するサポート環境の充実」。

現在、新規就農希望者を産地全体で受け入れ、サポートする体制が整いつつあります。組織で受け入れる最大のメリットが、園地情報の収集や開墾作業等の協力体制の強化。新規就農希望者に真っ先に選んでもらえる産地になるべく奮闘中です。

岡山県の新規就農研修制度の営農継続率は約99%と高い水準で推移しており、多くの研修生が離農することなく農業を続けています。中でも岡山のももはブランド力が高く、技術を身につければ高い収入が見込める作物。新たな研修生も安定して受け入れています。

ももの栽培は開花から収穫までが半年程度と短いため、作業が集中する5~7月は目が回るほど忙しくなります。しかし、アルバイトを入れて労働力を確保し、仕事量をコントロールできるようになってきました。今は子どもの参観日や運動会などの行事にフル参加できるので、生活は大変充実していますよ

***

常に自然と向き合わなければならない農業は、決して楽な仕事ではありません。しかし、当産地は、農地確保、栽培方法など、新規就農希望者をしっかりサポートする体制を構築しています。

新規就農をお考えの方に必要なのは、心とお金の準備をしっかり整えるだけです。

「興味はあるけど、自分にできるか自信がない!」

そんな人は、岡山県担い手育成総合支援協議会のHPにアクセスしてみてください。見学・体験・相談からスタートし、「やりたい!」「できそう!」という確信を得てから本格的に挑戦できるプロセスが整っています。

まずは一歩、踏み出してみませんか?

就農希望者向けにイベント情報などを発信している岡山県担い手育成総合支援協議会のHP

岡山県の就農情報ポータルサイトはこちら

お問い合わせ

岡山県農林水産部 農産課 担い手育成班
〒700-8570 岡山県岡山市北区内山下2-4-6
TEL:086-226-7420

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