自然と歴史、文化が息づく玉川村の魅力
福島県の空の玄関口、福島空港がある玉川村は、人口6,200人ほどの小さな村です。日本の滝100選に選ばれた名爆「乙字ヶ滝(おつじがたき)」をはじめ、標高500メートル以上の高地に位置する「東野の清流」などの景勝地は、玉川村を緑あふれる楽園として彩っています。
玉川村が守り続けてきたのは自然だけではありません。村のほぼ中央に位置する南須釜地区には民俗芸能「南須釜の念仏踊り」が今に伝えられており、江戸時代から続く伝統の舞として福島県の重要無形民俗文化財、文化庁の民俗文化、福島遺産百選にそれぞれ認定されています。
また、明治時代に開校し、これまで多くの人々に学びの場として親しまれてきた旧四辻分校をリノベーションした「たまかわ観光交流施設 森の駅yodge」をはじめ、旧須釜中学校の敷地と須釜公民館を含む範囲全体を「職」「住」「遊」「学」の場として提供する「すがまプラザ交流センター」に生まれ変わらせるなど、温故知新の精神が根付いているのも玉川村の特徴です。
乙字ヶ滝周辺を一体化した川まちづくりを行う計画も進められており、複合型水辺施設の設計は、新国立競技場などを手掛けた建築家の隈研吾氏です。歴史と現代の技が融合する玉川村は今、まさに進化の時を迎えています。
そこで今回は、玉川村の現役地域おこし協力隊員にインタビュー。村の魅力を移住者の視点で掘り下げ、実現に向けて取り組んでいる和田 正樹(わだ・まさき)さんと黒木 光治(くろき・みつはる)さんのお2人に、活動内容や村での暮らしについて伺いました。
自分がやらねば誰がやる?クラフトビールに魅せられた和田さんの挑戦
「ビール作りに携わることが夢だった私にとって、玉川村のクラフトビールによる地域おこし協力隊はまさに天職です」
と、話す和田さんは、自他共に認めるビール好き。福島県矢吹町で高校卒業までを過ごし、以降は関東で約20年間、エンジニアとして忙しい日々を送っていました。ある日、飲食店でクラフトビールの美味しさに衝撃を受けた和田さんは、アルコール事業に携わる仕事がしたいと、転職を考えるように。そんな時に目にしたのが、玉川村の新産業チャレンジ支援隊員の募集です。村内民間事業者が実施するクラフトビール製造に関する活動支援や、村内ホップ栽培へ向けた環境づくり、 販売に係る活動などを行うことをテーマとする活動内容は、まさに和田さんが求めていた“やりがい”でした。
「自分が好きなこと、やりたいことが玉川村には全て揃っていました。自分がやらなければ誰がやる、という思いで応募し、移住したのが令和4年7月です。以降は地元企業の「あぶくまビール」の醸造家としてクラフトビールの製造やブランディング、ホップ栽培に取り組んでいます。
玉川村ではかつて、ビールの原料となるホップが栽培されていましたが、長くその技術は失われたままでした。あぶくまビールでは玉川村でのホップ栽培再興と、そのホップを使ったビールによる、「玉川村でしかできないビールづくり」に挑戦しています。
「来年度完成予定の複合施設に、念願の醸造所を構える予定です。まずはあぶくまビールのブランドを確立させることが最大のミッションですが、今後の抱負としてはワインやウィスキーなどを醸造する樽を使ったビールづくりにもチャレンジしたいと考えています。クラフトビールならではの自由な発想で玉川村を盛り上げていきたいですね」
と、ビールづくりの情熱を語る和田さんは現在、県内の醸造施設でビールづくりの技術を磨くと同時に、県内外へのあぶくまビールのPR活動にも尽力しています。
「夢の実現にゼロから携われることはやりがいそのもの。恩返しができるよう、玉川村ならではの唯一無二のクラフトビールを作っていきたいです」
“ビールで乾杯をしている人たちの笑顔が大好き”と話す和田さんは、その笑顔をたくさん作れるよう、今日も醸造研究に勤しんでいます。
地域の頼れる“お兄さん”、黒木さんが担う、スポーツによる地域おこし
和田さんとほぼ同時期に地域おこし協力隊に就任した黒木さんは東京都出身。大学で労働法を学んだ黒木さんは卒業後、業務改善を担うロボットの開発に取り組むIT企業に就職し、約2年半を過ごしました。
「年功序列の企業体質に疑問を感じた私は、自分らしく働くことができる環境を求め、玉川村の地域おこし協力隊に応募しました」
そう話す黒木さんのミッションは元気スポーツクラブ活動支援です。「たまかわ元気スポーツクラブ」を拠点に、クラブの内容充実や活動強化、元気スポーツクラブ活動を通じ、子どもから高齢者までスポーツの楽しさが得られるようクラブの環境づくりを行い、地域おこしとなる各種イベントなどの協力や玉川村の情報発信活動を担っています。
「数あるミッションの中からスポーツを選んだのは、大学時代に熱中した「ダブルダッチ(※)」の経験が活かせると思ったからです。 体を動かすことの楽しさや喜びを活動を通して伝えてきたいと考えています」
※ダブルダッチ: 2本のロープを使って跳ぶなわとび競技。世界大会も行われる今注目のスポーツの1つ
たまかわ元気スポーツクラブでは体操やダンス、トレッキング、ウォーキング、ランニング、フットサルなどさまざまな講座を用意し、黒木さんはインストラクターとして指導にあたるほか、イベント運営なども担っています。
「子供は正直なので楽しいことしかやってくれません(笑)。準備運動に楽しい動きを盛り込んだり、面白い話をする工夫をしています。また、ご高齢の方と触れ合う際はとにかく話を聞くことを大切にしています」
村内の認定こども園「たまかわクックの森」で5歳児を対象に月2回、運動支援を行う黒木さんは、子どもたちから親しみを込めて“くろコーチ”と呼ばれる、頼りになるお兄さん的存在です。
また、ダブルダッチのプロチームのマネージャー経験がある黒木さんは、小学生以上の男女を対象とした「ダブルダッチスクール」を開講しました。ダブルダッチの楽しさを伝えながら、ゆくゆくは“チーム・たまかわ”を結成し、国内外の大会出場を目指しています。
「自分がやりたいこと、やってみたいことを後押しし、実現するための協力を惜しまない玉川村の風土は、卒隊した協力隊や先輩隊員がさまざまな活動を通して実績を残してくれたおかげだと感じています。私もスポーツをフックに村を盛り上げ、玉川村の魅力を国内外に発信していきたいですね」
玉川村に新風をもたらした若きチャレンジャーとして奮闘する黒木さんの挑戦は今、始まったばかりです。
教えて先輩!玉川村の暮らしのあれこれ
都会での暮らしが長い和田さんと黒木さん。玉川村での暮らしに不便を感じることもあるのでは?また、そのリアルな声は、玉川村の地域おこし協力隊に応募する方の参考にもなることでしょう。ズバリ、率直な声をお聞きしました。
Q.買い物で不便に感じることはありますか?
黒木さん
Q.医療機関はありますか?
和田さん
Q.協力隊として活動するにあたって、行政の支援はありますか?
黒木さん
Q.玉川村の好きなところはなんですか?
和田さん
黒木さん
Q.未来の玉川村地域おこし協力隊にメッセージをお願いします!
和田さん
黒木さん
多彩な職種が魅力の玉川村地域おこし協力隊。あなたのアイデアを実現してみませんか?
自然に囲まれた、心温まる癒しの村・玉川村では現在、地域おこし協力隊員を募集しています。協力隊員は地域を元気にする使命を担い、自分のアイデアや情熱を注ぎ込むことができます。
●ゴミ減量化・再資源化の村づくり支援隊員
●情報発信支援隊員
●フリーミッション
●健康づくり支援隊員
●文化体育館利活用促進支援隊員
●地域プロジェクトマネージャー
※各1名の募集となります。
玉川村の地域おこし協力隊プログラムでは、地域振興のためのサポートやトレーニングを提供し、あなたのアイデアを実現するサポートをしています。
玉川村の魅力を発見し、地域を元気にする仲間としての道を歩みませんか?村全体を活性化することで、新たな未来を築くチャンスが広がることでしょう。
■お問い合わせ■
玉川村役場 企画政策課 地域創生係
〒963-6392
福島県石川郡玉川村大字小高字中畷9
TEL:0247-57-4628 FAX:0247-57-3952