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幌延町の地域おこし協力隊。とある脱サラ営業マンが選んだ「酪農家」への道

幌延町の地域おこし協力隊。とある脱サラ営業マンが選んだ「酪農家」への道

北海道の中でも北に位置する幌延町(ほろのべちょう)。北緯45度線上にある町として、冷涼な気候と緑豊かな自然景観が魅力の町です。町ではこの自然を生かした酪農業が基幹産業となっており、既存の酪農家への支援だけでなく新規就農者の受け入れにも注力しています。全くの未経験ながら幌延町で「地域おこし協力隊」として農業支援活動に従事し、独立を志す竹中さんご夫婦に幌延町での生活についてお話を伺いました。

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酪農家の夢を叶える選択肢に!「幌延町」ってこんな町

広大な草地を活用した酪農が基幹産業。町のいたるところで放牧の様子を見ることができる。

幌延町は北海道の中でも最北のエリアに位置しています。札幌からの距離は約280kmに及ぶものの、町から車で1時間ほどの稚内空港からは札幌や東京への便も発着しており、本州へのアクセスもスムーズなので道外からの移住者にもおすすめの町です。

また、フランスのボルドーやイタリアのミラノとほぼ同緯度の北緯45度線上にあることでも知られています。そのため、温暖化の影響で北海道内でも、年々牛の暑熱ストレスが増す中、幌延町の気候は夏でも20℃前後と冷涼。基幹産業である酪農に非常に適した場所といえます。人口はおよそ2,100人。空と大地がどこまでも続く自然が魅力で、その広大な土地を利用して町の面積の約15%(8,868ヘクタール)を農地が占め、52戸の搾乳農家により7,000頭もの乳牛が飼育される、人よりも牛が多い町です。

逆転の発想で我が町のピンチをチャンスに!

近年、新規就農者への支援に力を入れる幌延町

北海道で酪農をしたいと考えた時に、知名度が高い町から調べることが多いと思います。その点、他の有名な自治体に比べると幌延町は認知度が低く、なかなかヒットしないかもしれません。これが幌延町の課題であり、だからこそおすすめのポイントでもあるのです。

移住者の受け入れに積極的な自治体には希望者が多く、受け入れの順番待ちという状況も珍しくありません。一方で、幌延町は最近になって募集に力を入れ始めた町です。役場をはじめJAや農業改良普及センターなど地域が一丸となってスムーズな受け入れ体制を整備しています。

また、全国の酪農業が頭を抱える悩みといえば離農の問題です。幌延町でも後継者不足や高齢化に伴い、離農にいたる酪農家が年々増加するようになっています。この問題も、裏を返せば新規就農を志す方にはチャンス。幌延町では、地域おこし協力隊の制度の活用や、幌延町酪農担い手育成センターの研修制度により、新規就農希望者一人一人に合わせた研修を受けることができるとともに、離農予定者との多様なマッチングの機会を設けています。

幌延町の地域おこし協力隊の取組みとは?

幌延町の地域おこし協力隊は、3年間の任期の中で、農業支援員として近い将来離農を予定している農家に対し、農作業支援を行うことで生乳生産の維持を図りつつ、経営継承に向けた準備などを支援します。
隊員は、農作業支援活動を通じて、酪農に関する知識や技術、経営のノウハウを習得することができ、任用終了後には、新規就農者・雇用就農者として、幌延町への定住・定着を目指します。
さらに、幌延町酪農担い手育成センターでは、最長2年間の新規就農研修制度もあり、これらを組み合わせることで、新規就農で難しいとされる離農予定者とのマッチングの機会を最長5年間設けることができます。

幌延町に感じた「可能性」

結婚を機に未経験の酪農に挑戦した竹中さんご夫婦

竹中良輔さん・知美さんご夫婦は、2022年8月から地域おこし協力隊の農業支援員第1号として幌延町に移住しました。良輔さんは岐阜県の出身。前職は農業の総合情報サイト「マイナビ農業」の営業スタッフとして、札幌で働いていました。もともと農業や酪農の経験はなかったものの、営業先として出入りの多かった酪農業に惹かれて本格的に酪農家になることを志すようになったそうです。

北海道の酪農が盛んな町を調べていく中で幌延町を知り、手厚い支援制度や受け入れ時期のタイミングなどから移住を決意。
当時交際していた知美さん(旭川市出身)と結婚し、全くの初心者2人という状況でしたが、地域おこし協力隊として町内の3つの農家さんを手伝う形で牧場の仕事をスタートさせました。

竹中さんご夫婦に一問一答!酪農と移住のあれこれ聞いてみました!

Qどうして北海道の中でも幌延町を選ばれたんですか?

幌延町を選んだ理由は「可能性」を感じたからです。温暖化が進む北海道の自然環境の中でも、幌延町は涼しく、これから先も安定的に酪農が続けられること。あとは、夫婦で経営する中小規模の農家が多いこと。他にも、独立を考えた時に広大な土地を他のエリアに比べて安価で買えることですね。

Qもともと酪農業界の事情にかなり詳しかったようですが、地域おこし協力隊になることに対して背中を押した要因はなんですか?

受け入れ体制が充実しており、すぐにでも移住できたことが背中を押した要因でした。受け入れ体制に力を入れ始めたばかりの幌延だからこそ、町が一丸となった手厚いサポートをしてくれると感じました。

Q結婚のタイミングで新しいことにチャレンジする不安はありませんでしたか?

金銭面での不安はありませんでした。地域おこし協力隊の任期は最長3年間、1人当たり月額20万円が支給されます。また、地域おこし協力隊は幌延町の会計年度任用職員として採用されるので、給料の他に期末手当の支給もあります。一次産業なのに残業手当もしっかりと支給され、移転にかかる赴任旅費の支給や、住宅料は町が負担、牧場への移動に公用車が使えるなど、安定した生活設計を立てることができました。

Qどのような作業をされているのか、1日の流れを教えてください。

【地域おこし協力隊としてのある1日】

5:00 担当する牛舎に出勤

(エサ寄せ・除糞・寝床の掃除・哺乳・搾乳など)

8:45 午前の部 終了
(その日の状況により10時ごろまで働くこともある)

《中休み》

15:00 午後の部 開始
(朝と同様の仕事内容)

19:00 作業終了・帰宅

―――――――――――――――――――――――――――――――
※【農作業支援以外の時間】※
役場、JA、農業改良普及センター主催の勉強会に参加、北海道立農業大学校が開催する農作業研修への参加、大型特殊・けん引免許の取得をしました。新規就農者向けのフェアに参加、SNSで日々の農業支援情報のPR活動もしています。
休みの時間を使って、乳牛市場を視察したり、共進会に参加したり、町内や近隣市町村の牧場視察により様々な酪農形態の勉強を行っています。

Q日常の中で不便さを感じることは?休日の過ごし方は?

初めての田舎暮らしですが、無理なく過ごせています。幌延町は全戸に光回線が整備されており、インターネット回線が充実しています。幌延町内だけで考えると日用品の購入は限られますが、ネット通販でなんでも揃う時代なので不自由に感じることは少ないです。休日は地域の方々と一緒にナチュラルチーズ作りをしたり、愛犬の散歩やドライブ、動画のサブスクサービスを見たりして、のんびりと過ごしています。

笑顔で質問に答えてくれた竹中さんご夫婦。サラリーマン時代には気付かなかった新たな生き方に魅力を感じているようでした。

夢は自分の牧場を経営すること。毎日が発見の連続

離農する農家を引き継いで新規就農を目指す

地域おこし協力隊として働き始めて1年が経ち、目標もより明確になってきたそうです。「牛は手をかけた分、しっかりと応えてくれる。日頃から目を光らせて、病気の牛を早期治療に回すことも大切な仕事。自分たちの気づきで乳量が増加していくのがやりがい」と話す良輔さん。働いていく中で、自分の職人気質な内面にも気づいたそうです。仕事への情熱を持ち、いずれ独立する日を夢見て、勉強の日々は続きます。

これまで酪農の経験がなく、移住前と異なる生活サイクルに当初は困惑されたという竹中さんご夫婦でしたが、現在では毎日仕事もプライベートも充実できているといいます。困ったことがあれば、役場・JA・農業改良普及センター、そして地域の先輩農家が一丸となって新規就農者を応援する体制が整っていることが幌延町の最大の魅力です。

竹中さんご夫婦の相談にのる幌延町役場の奥山 純基さん

幌延町役場で受け入れを担当する奥山さんも「なんでも気軽に相談できる環境。技術面だけでなく精神的な面でも竹中さんご夫婦をサポートしたい」と話していました。現場での実践的な指導だけでなく、座学での勉強会も頻繁に開催されるため、新規就農に向けての知識を深めることができるのも幌延町ならではです。酪農未経験者でも幌延町なら、いちから挑戦できる風土や支援が揃っています。

酪農に興味がある、北海道で新規就農をお考えの方は、ぜひ幌延町の地域おこし協力隊として活動しながら「酪農家」を目指しませんか。

【幌延町地域おこし協力隊に関するお問い合わせ】
北海道幌延町産業建設課
HP:https://www.town.horonobe.lg.jp
メールアドレス:sangyokensetsu@town.horonobe.lg.jp
電話番号:01632-5-1115
Fax:01632-5-2971

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