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ブドウマニアが選ぶ、スーパーで買えるおすすめのブドウ10選+珍しいブドウ5選

少年B

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ブドウマニアが選ぶ、スーパーで買えるおすすめのブドウ10選+珍しいブドウ5選

緑、黒、赤。特にこれからの季節、スーパーへ足を運ぶと、色とりどりのブドウに目移りしてしまいますよね。同時に「どのブドウがおいしいんだろう」と疑問を抱える人も少なくないでしょう。そこで今回は、自称「日本一ブドウを食べる男」の少年Bが選ぶ、スーパーで買えるおすすめのブドウ10種類をご紹介!後半では珍しいブドウ5品種も紹介しますので、ぜひスーパーや直売所などで探してみてください!

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おいしいブドウの選び方

おすすめの品種を紹介する前に、まずはおいしいブドウの選び方を解説します。

軸の色を見て判断する

ブドウを選ぶ際、まずは軸の色に注目してください。軸の色が茶色くなって、木のようになっているブドウは時間がたっているので避けたほうが無難です。新鮮なブドウを食べたいなら、軸の色が緑色のものを選びましょう。品種によっては軸が少し赤くなったり、黄色くなるものもありますが、特に問題はありません。

また、シャインマスカット系の品種は、新鮮な状態でも軸が茶色くなることがあります。実の付け根の部分をよく観察してみましょう。軸と実がつながる部分がしっかり緑色ならば、新鮮と判断してもいいでしょう。

ブルームがまんべんなくついているものを選ぶ

また、粒には張りがあって、できるだけブルーム(実の表面についている白い粉)がたくさんついているものを選びましょう。農薬では?と勘違いされる方もいますが、ブルームは天然成分が果皮の表面に浮き出たものです。 ブルームには、雨や朝露などをはじいて病気を防いだり、水分蒸発を防いで鮮度を保ったりする働きがあり、生産者は収穫の際、できるだけ落とさないように丁寧に扱っています。

そのため、このブルームがまんべんなくついているブドウは鮮度がよく、丁寧に扱われている証しなのです。品種によっては、ブルームが目立ちにくいものもありますが、並んでいるブドウをよく観察して、できるだけブルームがついているものを選ぶといいでしょう。

スーパーで買えるおすすめのブドウ10選

さあ、ここから本題です。比較的スーパーでもよく見かけるブドウの中から、少年Bの独断と偏見で10種類を選びました。

品ぞろえはお店によってさまざまなので、中には近所のお店では見かけない品種もあるかもしれません。

たとえばスーパー大手のオオゼキは変わった品種を仕入れていることが多く、店によっても品ぞろえが大きく違うのでおもしろいです。イオン系列のスーパーは、新品種をたくさん置いていることが多いですね。ロピアやオーケーストア、ヤオコーあたりは生鮮食品に力を入れているので、ブドウの種類も豊富です。

そのため、さまざまなスーパーをのぞいてみると、思わぬ出会いがあるかもしれませんね。

シャインマスカット

シャインマスカット
シャインマスカット

大人気のシャインマスカット。硬めの食感、強い甘さに加えて、種なしで皮ごと食べられるという手軽さ。まさにブドウ界に革命をもたらした品種です。

高級なイメージがありますが、9月中旬以降のハイシーズンは、量も出回って価格も下がり、比較的狙い目の時期になります。

シャインマスカットは「緑色のものが新鮮」と思っている方も多いですが、皮の色はあくまでも熟度の差によるもの。あまりにも緑色が強いものは、甘みが乗っていないので注意しましょう。

逆に黄色くなっているものは完熟で、角砂糖をそのまま口に入れたような強烈な甘さがあります。さすがにそこまで行くと極端なので、皮の色はやや黄緑がかったものがいいでしょう。

シャインマスカットの色

シャインマスカット専用のカラーチャート(出典:山梨県総合理工学研究機構)

上記のカラーチャートでいうと、3、4あたりの色のものがおすすめです。とにかく甘いものが食べたいという方は、5の色のものを探してみてください。

巨峰

巨峰
巨峰

おなじみの巨峰も、おすすめのブドウ品種の一つです。甘く濃厚な味わいですが、特に「適度な酸味がある」という点は最近のブドウにはあまりない特徴。巨峰系特有の香りも魅力の一つです。日本のブドウといえばコレ!という方も多いのではないでしょうか。

皮が厚くて食べづらいという欠点もありますが、丸ごと口に含んでかんでしまえば、そのままスルッと皮はむけてしまいます。あとはそのままペッと口から出すだけ。意外と食べやすいんです。

種なしのものがほとんどですが、通が好むのは種あり。一般的に、種ありのほうが味が濃厚で、甘みも強いといわれています。種ありの巨峰を見つけたら、試しに食べてみてはいかがでしょうか。

デラウェア

デラウェア
デラウェア

5月のGWごろから店頭に並ぶデラウェア。関東では主に8月の頭ごろまでの品種ですが、時々9月になっても売っていることがあります。

その名前から、つい発祥の地をアメリカの「デラウェア州」と想像してしまいがちですが、実際はオハイオ州のデラウェア市。日本には1872年(明治5年)に導入され、すでに150年以上の歴史を持つブドウです。

種なしで甘みが強く、さわやかな酸味もあります。粒が小さいという欠点もありますが、これは逆にいえば、「小さなお子さんでも食べやすい」という長所にもなります。小さなお子さんがいる家庭には特におすすめの品種です。

皮が食べられないという欠点もありますが、粒を軸から外し2枚のまな板で挟んで、グリグリと押し込めば、簡単に皮がむけてしまいます。あとはお皿に盛り付けるだけ。ゼリーやフルーツポンチにも最適なので、ぜひ試してみてください。

マスカット・オブ・アレキサンドリア

マスカット・オブ・アレキサンドリア
マスカット・オブ・アレキサンドリア

かつて、高級ブドウの代名詞だったいわゆる「マスカット」です。スーパーの一番いい棚に、化粧箱に入れておいてあったブドウですね。果物好きや青果に携わる人たちは「アレキ」と呼んでいることが多いです。

現在ではシャインマスカット人気に押されて取り扱いも減ってきていますが、逆に言えば価格も下がっているわけで、意外とお手頃な価格で買えることも。特に、お盆明けには価格が下がるので、化粧箱入りのものでも店頭に並んでいるシャインマスカットより安い……なんてこともよくあります。

皮は厚く、種もありますが、その魅力は何といっても鮮烈なマスカット香。くんくん嗅いでも匂いませんが、果肉をかんで、飲み込む瞬間に心地のいい香りがふっと鼻に抜けていきます。

化粧箱に入ったマスカット・オブ・アレキサンドリア

化粧箱に入ったアレキ

もちろん、パックに入ったものだと場合によっては1000円を切るような価格で売られているものもあります。でも、個人的にはやっぱり、化粧箱に入った立派なアレキをぜひ食べてみて欲しいですね。高級感がある一方、探せば意外とお手頃な値段で買えることも多いんです!

価格でいうとお盆明けが特に狙い目ですが、味的にも8月に入ってからのもののほうが、しっかり熟していておいしいものが多いような印象です。

キングデラ

キングデラ
キングデラ

5月から8月ごろにかけて、スーパーでちょっとお高めの棚に並ぶのがこのキングデラ。その見た目から、デラウェアの大きいものと思われがちですが、じつは別の品種なんです。

デラウェアの持つ強い甘さはそのままに、マスカットの香りが加わって、さらにおいしくいただけるブドウです。露地栽培のものよりもハウス栽培のもののほうが品質がよくなるようで、特に6月ごろの熟したハウス栽培のものは絶品です。

皮は食べられませんが、種なしで、上品な香りを持つデラウェアの進化系。以前よりは見かけづらくなりましたが、ぜひ食べてみてほしい品種です。

ナガノパープル

ナガノパープル
ナガノパープル

シャインマスカットと並ぶ人気品種といえば、このナガノパープル。名前の通り、長野県で生まれた品種です。

巨峰系のブドウでありながら、種なしで皮ごと食べられるという特徴があり、高級品種としての地位を確立しています。シャインマスカットと同じか気持ち高いか……といった価格帯なので、確かにお値段は張るのですが、ぜひとも食べてみてもらいたいブドウです。

濃厚な甘さにコクのあるうまみがあり、でもしつこくない。いってみれば、巨峰をさらに上品に洗練したような味わい。皮は果肉と一緒に崩れるので、気にせず食べられます。

皮が薄いということは、それだけ実が割れやすいということで、天候によっては出回る量が少ない場合もあります。

クイーンニーナ

クイーンニーナ
クイーンニーナ

赤ブドウの中でもおすすめなのがクイーンニーナ。シャインマスカットを生み出した、独立行政法人農研機構が作り出したブドウです。

「安芸クイーン」の子どもで、系統番号が「安芸津27号」だったから、という冗談みたいなネーミングですが、極めて甘く、硬めの食感が特徴。こちらも価格帯は高めで、シャインマスカットと同じぐらいの価格で売られていることが多いでしょうか。

巨峰の仲間で、皮は食べられませんが、種なしのブドウです。硬めのプリッとした食感と、砂糖のような強烈な甘さが特徴で、どこかいちごを思わせるような香りもあります。

クイーンルージュ

クイーンルージュ
クイーンルージュ

長野県が新たに作り出した、シャインマスカットの子ども。クイーンルージュは商標名で、品種名は「長果G11」といいます。

シャインマスカットの子どもなので、もちろん種なしで皮ごと食べられます。甘みが強く、ほのかなマスカット香があるのもうれしいところ。甘みは強いんですが、スッと引いていくのでしつこくなく、いくらでも食べられます。

こちらも高級品ですが、露地栽培のものが出てくる9月以降は比較的価格が安くなります。ただ、この品種もハウス栽培のほうが品質がよくなる傾向にあるので、どちらかといえば8月中の購入がおすすめです。ちょっとお高いですけどね……!

クイーンセブン

クイーンセブン
クイーンセブン

山梨県の志村葡萄(ぶどう)研究所が生み出した品種。とにかく糖度が高く、他のブドウが20度前後のところ、平気で25度を超えてくる激甘ブドウです。

スーパーではたまに見かけるぐらいのやや珍しい品種ですが、その甘さは驚異的。とにかく甘いブドウを食べたい!という方におすすめです。シャインマスカットの子どもなので、種なしで皮ごと食べられます。

小粒で、外観に目立った特徴がないことから、親のシャインマスカットより価格が安いことも多く、比較的安価なのもうれしいポイント。とはいえ、徐々に人気や知名度も高まっており、数年後には高級ブドウの仲間入りを果たしているかもしれません。

知名度がまだ高くない、今がチャンスです!

マイハート

マイハート
マイハート

こちらも志村葡萄研究所が生み出した、シャインマスカットの子品種です。スーパーでは10月に入ってから見かけることが多い印象があります。

特徴は何といってもその見た目。粒の形がハート型になっていて、とにかくかわいいブドウなんです。そのまま食べてもよし、パフェやケーキの彩りにもよし。万能な品種です。

もちろん、強みは見た目だけではありません。皮はシャインマスカットよりやや厚めですが、実は硬く締まっていて食感もよく、シャイン系特有の砂糖のような強い甘さがあります。秋の訪れを見た目でも彩ってくれるマイハート、おすすめです。

マイハートの粒

房だとわかりづらいですが、粒がハートの形をしています

見つけたらぜひ買ってほしい、レア&ご当地品種5選

ここからはスーパーの枠組みを超えて、地方のスーパーや農産物直売所などで買える珍しい品種をご紹介します。もちろん、場合によっては都内のスーパーや青果店で見つかる場合もあるので、ぜひ探してみてくださいね!

サンシャインレッド

サンシャインレッド
サンシャインレッド

山梨県でしか作ることができない品種で、2023年8月31日に命名されました。仮称は「甲斐(かい)ベリー7」。この名前でテレビやインターネットなどでも特集されていたことも多くあり、ご存じの方もいるかもしれません。「ふるさと納税10万円の返礼品」としても話題になったブドウです。

シャインマスカットの子どもで、その名の通り赤いブドウです。最大の特徴はその香りで、かむと強烈なマスカット香が充満し、「鼻に抜ける」ではなく「あたりを漂って鼻から入ってくる」ほどです。

種なしで皮ごと食べられ、もちろん甘さも十分。まだ苗木の供給が追い付いていないため、お店で見かけることは珍しいですが、数年後には都内のスーパーや青果店に並ぶことでしょう。

神紅

神紅
神紅

島根県でしか作ることのできない品種で、こちらも赤いシャインマスカットの子どもです。

作っている農家さんが少なく、地理的に関西や中国地方にも多く出荷されているため、都内で見かけることはまれです。知人の情報によると、関西や中国地方ではスーパーに並ぶこともあるんだそう。

種なしで皮ごと食べられ、皮にはやや渋みもありますが、圧倒的な甘さの前にはいいアクセントになっています。かむとバラのような華やかな香りが漂うところも◎。

高級品ではありますが、関東ではなかなか見つからないブドウなので、もし見つけたらぜひ買ってみてください。

マスカ・サーティーン

マスカ・サーティーン
マスカ・サーティーン

山梨県の植原葡萄研究所が生み出したシャインマスカットの子品種です。甘みは強いですが、シャインマスカットよりも上品な味わいで、強いマスカット香があります。

果肉はシャインマスカットよりもやわらかく、ポリッという歯ごたえのよさはありませんが、逆にいえば子どもやお年寄りでもかみ切りやすいということ。

日持ちがよくないのが欠点といえば欠点ですが、全体的にシャインマスカットをさらに進化させたような、非常に優秀なブドウです。

変わった名前ですが、同じ交配組み合わせでまいた種のうち13番だったことと、「シャインマスカットを後ろから狙い撃ちするような品種になってほしい」との願いが込められたネーミングとのこと。

まだ珍しく、都内のスーパーでもごくまれにしか見かけませんが、間違いなくおいしいブドウなので、ぜひとも食べてみてください。

瀬戸ジャイアンツ

瀬戸ジャイアンツ
瀬戸ジャイアンツ

1979年に岡山県の花澤ブドウ研究所が生み出した品種です。独特な粒の形が桃のようにも見えることから、一部ではブランド化し「桃太郎ブドウ」の商標で販売されていることもあります。

やや古い品種ではありますが、皮はシャインマスカットよりも薄く、まったく気にならないほど。

最近の品種のようなパンチの効いた味ではありませんが、あっさりした穏やかな甘みとパリッとした皮の食感が魅力。硬いけれど弾力のある果肉にジューシーな果汁、独特の風味があり、五感で味わってほしいブドウです。

シャインマスカットに押されて、都内のスーパーではあまり見かけなくなりましたが、岡山県のスーパーや直売所などのほか、都内でも高級果物店に並んでいる姿を見かけます。

グローコールマン

グローコールマン
グローコールマン

生産量の9割以上を岡山県が占めている、古いタイプの温室ブドウ。特徴はその収穫時期で、なんとこのブドウは11月から翌年の1月にかけて出回る品種なんです。

「こたつブドウ」の愛称があり、原産はロシアのコーカサス地方。他のブドウがあまりない時期に出回る貴重な品種として、古くから愛されており、日本では明治時代から栽培されています。

粒の大きさは巨峰と同じぐらい。種があり、皮は厚くて食べられません。穏やかな甘みと柔らかな果肉は今のはやりではありませんが、あっさりしていていくらでも食べられます。特に、とろりとした食感は唯一無二のもの。

シャインマスカット人気に押されて、都内のスーパーで見かけることはだいぶ減りましたが、ごくまれに置いてあることもあります。岡山に行った際にはぜひ購入してみてほしいブドウです。

まとめ

近所のスーパーなどで比較的気軽に買えるブドウ、まだ珍しい最新品種やご当地ブドウを紹介してきました。旅行などで地方を訪れた際はぜひ本記事を参考に、農産物直売所や地元のスーパーなどをのぞいて、珍しいブドウを探してみてくださいね!

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