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家庭菜園におすすめの防虫ネット10選! 効果や選び方、張り方も解説【家庭菜園のミカタ/防虫ネット編】

家庭菜園におすすめの防虫ネット10選! 効果や選び方、張り方も解説【家庭菜園のミカタ/防虫ネット編】

家庭菜園やベランダ菜園で頭を悩ませるのが防虫対策。できるだけ防虫剤や農薬を使わないようにしたいけれど、何もせずに育てるとどこからともなく害虫が現れて、食害や病気などの被害が一気に広がってしまいます。
そこで活躍するのが防虫ネット。太陽光や水、風は通すけれど害虫を物理的にブロックできるので、薬剤を使わず作物を守ってくれます。安全・安心野菜のイメージが強い有機農法でも、防虫ネットが有効活用されています。本記事を参考に、たくさん種類がある防虫ネットの選び方や張り方、使い方のコツをつかんで、効果的な防虫対策にお役立てください!

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家庭菜園における防虫ネットの効果とは?

植物がグングン生育する季節は、虫にとっても過ごしやすいシーズンといえるでしょう。大切に育てた野菜に、虫が卵を産みつけたりおいしい葉をかじったりするのを防ぐために防虫ネットを活用します。防虫ネットを使うことで遮光や保温の効果も期待できます。

農薬を使わずに防虫できる

畑の作物やプランターを防虫ネットで覆うことで、網の目よりも大きな害虫はネット内に入ることができません。農薬を使わずに対策できるので、有機栽培でも積極的に活用されています。

目合いや色によって対象の害虫が異なる


防虫ネットにはさまざまな目合い(網の目の細かさ)や素材、色のものがあります。目合いのサイズは0.2㎜から最大2㎜ほどまで。防ぎたい害虫に応じて、目合いを選ぶことが大切です。

季節を選ばず使用できる

通気性と保温効果がある防虫ネットは季節を選ばず1年中使えます。種まきから収穫まで、ずっとかけていても問題ありません。光をよく通す白、強い日差しから守る黒、その他にも赤やラメ入りネットなど、カラーバリエーションも豊富です。

家庭菜園用の防虫ネットの選び方

防虫ネットはバリエーションが豊富なだけに、家庭菜園でいざ導入しようとする時に、目合いや色などで悩むことも多いでしょう。ここでは防虫ネットのスマートな選び方をご紹介していきます。

侵入を防ぎたい虫に応じて目合いを選ぶ


はじめに、育てる野菜がどのような害虫被害に遭いやすいのかを本やインターネットなどで調べます。その害虫の大きさに合わせて、防虫ネットの目合いを選ぶとよいでしょう。

例えば、生まれて間もない幼虫やコナジラミ、アザミウマ類を防除したい場合は、0.4㎜以下の目合いが基本になります。ただし、目合いが小さくなるほど対策できる害虫の範囲は広がりますが、通気性が悪くなり蒸れやすいという側面もあります。闇雲に小さい目合いの商品を選ぶのではなく、対策したい害虫に応じて、導入する防虫ネットを選んでいく必要がありそうです。

畑やプランターのサイズに応じて選ぶ


畑で育てる場合とプランターで育てる場合では、防虫ネットの目合いは同じでも全体の大きさが異なります。害虫はわずかな隙間(すきま)からも入ってくるため、作物や畝全体を覆えるサイズが必要です。大きく育つ野菜や、葉や茎が旺盛に茂る作物は、成長した時の状態まで考慮してサイズを選んでください。

時期や目的に応じた色を選ぶ

防虫ネットは、使用する時期やターゲットとする害虫によって使い分ける必要があります。光の透過率が高い白ネットは太陽の光量が少なめの春や秋におすすめ。日差しを遮る効果の高い黒ネットは夏野菜に効果的です。また、赤いネットはアザミウマ類の防虫効果が高いといわれています。

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初心者はセットもおすすめ

防虫ネットは単体でも購入できますが、ネットとプランターや支柱がセットになった商品も売られています。隙間が生まれにくく、防虫したい虫に合わせて目合いの大きさも選ぶことができます。

庭や畑での家庭菜園におすすめの防虫ネット

ここからは、家庭菜園におすすめの防虫ネットをご紹介していきます。さまざまなメーカーから多彩な商品が出ていますので、ご自身のイメージに近いものや防ぎたい虫に合わせて選んでください。

SUNHOO 防虫ネット

一部の害虫が苦手とする銀糸入りで、体長1mmのコナジラミもシャットアウト。レタス、トマト、ホウレンソウ、きのこ栽培などにマッチし、小型ハウスからトンネル栽培、べたがけまで、栽培のあらゆる場面で活躍します。透光率80%以上と光をよく通し、ネットの上から散水できます。

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ダイム(DAIM) ファスナー付き防虫ネット

トンネル栽培におすすめの防虫ネット。幅が1.8m×3.4mで、目合いは1mmです。ネットの上部分にファスナーが付いているので、開口部を簡単に大きく開けられます。そのため、追肥や水やりなどの日々のお手入れがラクです。

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渡辺泰 サンサンネットレッド

アザミウマ類に効果が高いといわれる赤色の防虫ネット。大きさは1.8m×5m。目合いは0.8mmです。アザミウマは赤色が黒く見えるため、トンネル内の野菜に気づきません。目合いが0.8mmなので、体長1mmの害虫もシャットアウト。極細のポリエチレン糸を使用し、通気性が高く、夏場の温度上昇による蒸れを軽減。種まきから収穫まで掛けたままで使用できます。

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クラーク 害虫対策ネット 黒

遮光率の高い黒の防虫ネット。コナガ、アオムシ、ヨトウムシなどから作物を守り、キャベツ、レタス、チンゲンサイなどの栽培に適しています。また、銀のラインが太陽光を反射して虫の忌避効果をアップさせます。遮光率は約40%で目合いは1mm。1.8m×5mのサイズです。 減農薬・無農薬栽培におすすめです。

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エイ・ジェイ・テックス AJメッシュシート

0.25mmの細かい目合いで、コナジラミなどの微細害虫を防ぎます。素材がやわらかいので作物の葉を傷めず、透光率約80%と光を通し、水も通すのでネットの上から散水できます。サイズも豊富で、べたがけして不織布代わりにも使用できます。無農薬栽培におすすめの防虫ネットです。

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プランター栽培におすすめの防虫ネット

ベランダ菜園や、ミントなど成長が旺盛で広がりすぎる野菜を育てる際にはプランターの活用がおすすめです。プランター専用の防虫ネットも多数販売されているので、プランターのサイズや使用目的に沿ったものを選んでください。支柱などがセットになった商品もたくさんあります。

第一ビニール すっぽり虫よけカバー

プランターにかぶせるだけの簡単仕様。バンドで設置するので取り外しも簡単で、植物のお手入れも手間なく行えます。目合いが約0.6mmと細かいため、アオムシ(モンシロチョウ)、コナガ、アブラムシ、ヨトウムシなどの対策におすすめです。

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アイリスオーヤマ ベジタブル防虫カバー

カバーフレーム3本、支柱3本、防虫カバー1枚、設置パーツがセットになった商品です。プランター栽培の花木や野菜の防虫対策をはじめ、防鳥対策にも使えます。サイズは33cm×60cm×76cm。防虫効果を高めるため、ネットに銀色のリボンが編み込まれています。

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マルソル(MARSOL) 実り野菜の虫よけカバー

背が高くなる野菜や果樹におすすめの防虫ネット。目合いは1mmで高さが175cmあります。2カ所のファスナーが付いているので、水やりや剪定(せんてい)、誘引などのお手入れが簡単です。トマト、ピーマン、キュウリ、オクラなどのアブラムシ対策にもお使いいただけます。

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リッチェル(Richell) かんたん虫よけセット

アジャスター式のアーチバーが付いているので、高さ調節が可能です。ネットはかぶせるだけで簡単にセットでき、ストッパー付きのヒモでプランターとの隙間をなくします。コマツナ、ホウレンソウ、レタスなどの葉物野菜におすすめの防虫ネットです。

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フォレスト 虫よけ&保温カバーセット

虫よけと保温カバーがセットになった商品です。支柱とゴムが付属して、S・M・Lの3サイズから選べます。寒さや風から大切な新芽を守って生育を助け、カバーのまま水やりが可能です。バジルやミントなどハーブ類を育てる時におすすめです。

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防虫ネットの正しい張り方と使い方

せっかくの防虫ネットも、隙間があいていると虫の侵入を許しますし、空気や日光が十分に届かないと植物を枯れさせてしまう原因となってしまいます。こちらでは正しい張り方や使い方のコツをご紹介していきます。

必要な道具を準備する

防虫ネット本体に加え、ネットを支える支柱も必要です。支柱は100円ショップでもお買い求めいただけます。庭や畑に防虫ネットを張る場合には、固定用のU型押さえピンがあると便利です。

風が弱い日に作業する

風が強い日に作業を行うと、防虫ネットがなびいてしまってピンと張るのが難しくなります。日にちを変えるか、時間帯を調整して効率よく作業しましょう。雨天時もぬれてドロドロになるので、風が弱い晴れた日の作業がおすすめです。

まずは支柱をセット

プランターや畑の畝に支柱を立てていきます。支柱はなるべく等間隔に立てるのが上手に張るコツの一つ。等間隔に立てることで全体のバランスが整い、植え付け時の苗の間隔もとりやすく、毎日の作業もラクになります。

防虫ネットをかけて固定

せっかくの防虫ネットですが、隙間があると効果を発揮できません。風でとばされないようしっかり張って、トンネル掛けした防虫ネットの両端は、ねじるように絞り込んで上からピンで固定します。

水やりはネットの上からでOK

防虫ネットの多くは、ネットの上から水やりが可能です。目合いが細かなものは、しっかり水を通しているか観察してください。芽かきや剪定が必要な野菜もあります。それらの野菜を手入れする際はファスナー付きのネットがおすすめです。

ネットはいつ外せばいいのか?

防虫ネットは、種まきから収穫までずっと使っていても大丈夫。遮光性や保温性があるので、気温や天候の急激な変化、冬場の霜からも作物を守ってくれます。防虫ネット内で葉っぱが茂りすぎた時には外してもかまいません。

防虫ネットが必要な野菜の例

人間が食べておいしい野菜は虫が食べてもおいしいようで、しっかり対策しないと葉や実を食べつくされてしまいます。育てる野菜のグループによって被害に遭いやすい害虫も異なります。ターゲットに合わせた対策を心がけましょう。

アブラナ科の野菜(キャベツ・ブロッコリーなど)

キャベツやブロッコリーなどアブラナ科の野菜はアオムシの大好物。特に春から初夏、10〜11月の過ごしやすい季節に発生します。1mm程度の目合いの防虫ネットを使うことで、卵を産み付けるモンシロチョウなどが近づけなくなります。

ウリ科の野菜(キュウリ・カボチャなど)

キュウリやカボチャ、メロン、スイカなどのウリ科の野菜の大敵がウリハムシ。黄茶褐色の成虫が葉をかじり、幼虫は根をかじります。被害が一気に広がるので注意が必要ですが、成虫は体長が7mmほどなので防虫ネットが効果を発揮してくれます。5mm以下の目合いの防虫ネットを使いましょう。

ナス科(ナス・トマトなど)

ナスやトマト、ピーマン、ジャガイモなどナス科の野菜はアブラムシの大好物。アブラムシが大量に発生すると養分が吸い取られ、またモザイク病などを引き起こす原因となります。アブラムシ対策には目合いが0.8mm以下の防虫ネットを使用してください。

まとめ

家庭菜園やベランダ菜園で、せっかく天塩(てしお)にかけた作物が害虫の被害に遭うと本当にショックが大きいですよね。虫食いがある葉物野菜でも問題ないと頭ではわかっていても、食卓に並べることを考えると完璧を求めたくなります。

その一方で、野菜を育てる際に防虫剤や農薬をできるかぎり使いたくない気持ちも納得できます。そんな方はぜひ、防虫ネットを有効に活用してください。
最初は面倒だと思っても、慣れれば簡単に張ることができるようになりますし、種まきから収穫まで年中使えるものなのでそれほど手間はかかりません。

はじめての方も防虫ネットの活用にぜひチャレンジして、奇麗でおいしい安心野菜をどんどん育ててくださいね。

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