繁殖経営を学べる全国的にも稀有なトレーニングファームが誕生!
2023年4月に完成し、佐賀県知事なども出席して数多くのメディアに取り上げられた5月24日の落成式を経て、6月から本格的に稼働し始めたばかりの『佐賀牛いろはファーム』。肉用牛経営と言えば、生後9ヵ月前後の子牛を29ヵ月前後まで育て、市場へ出荷する肥育経営をイメージされる方がほとんどでしょう。しかし、肉用牛経営には2種類あり、もうひとつが母牛に子供を産ませ、9ヵ月前後の肥育素牛にまで育てる繁殖農家です。
JAからつ管内の唐津・玄海地区は、県内最大の佐賀牛産地。しかし、この肥育素牛の自給率は現在およそ30%程度となっており、ブランド和牛の産地としては決して高いと言えません。そして、繁殖農家の高齢化などにより、今後はさらに自給率も低下していくことが予想されています。そこで、肥育素牛の生産を強化することによって、自給率の維持・向上を目的に立ち上げられたのが『佐賀牛いろはファーム』です。
年間約160頭を目標に肥育素牛を出荷する「肥育素牛の生産」と、農家が所有する不妊牛の治療や受精卵の供給をはじめとした「繁殖農家への支援」、そして次世代を担う繁殖農家を育てる「就農希望者の研修受入」の3つが、この新たな施設の役割。現在、『佐賀牛いろはファーム』では、2024年4月からの2年間で、繁殖経営のイロハを学ぶ研修生の第1期生を募集しています。肥育経営や酪農経営とは違い、繁殖経営を基礎から学べるトレーニングファームは全国的に見ても珍しい存在です。繁殖経営に興味がある方にとっては、またとないチャンスだと言えるでしょう。
2年間で農業経営までをトータルに学び、国家資格も取得できる!
この『佐賀牛いろはファーム』の初代所長を務めるのは、JAに入組してから約14年にわたり和牛肥育部門で佐賀牛の販売活動に従事してきた川添 邦宏(かわぞえ・くにひろ)さん。唐津・玄海地区の肥育農家を支援しながら、佐賀牛の魅力を日本全国に伝えてきました。その後、『佐賀牛いろはファーム』の立ち上げに向けて、繁殖部門を学ぶために『JAからつ キャトルステーション(※)』へと異動し、農家から委託された子牛の飼育管理を3年ほど経験。こうして佐賀牛の繁殖から肥育までの流れを知り尽くしたプロ中のプロに、来年4月からスタートする繁殖経営の研修事業についてお伺いしました。
(※)JAからつ キャトルステーション…生まれた子牛を預かり、農家の代わりに飼育管理をおこなうことで、繁殖経営をサポートする施設
『佐賀牛いろはファーム』ではどんなことを学べますか?
川添さん
どんなカリキュラムを用意していますか?
川添さん
『佐賀牛いろはファーム』の強みは何ですか?
川添さん
研修生になる前に、短期体験は実施していますか?
川添さん
『佐賀牛いろはファーム』の研修はどんな方にオススメですか?
川添さん
JAと唐津市が全面的にサポート!他県からの移住でも安心です。
これから本格的に研修生の受け入れに取り組んでいく『佐賀牛いろはファーム』の魅力について、川添さんは「JAからつが運営する施設だというところも大きいのではないでしょうか。行政も補助金・助成金の申請までしっかりサポートしてくれますし、何より生産者の部会活動にも参加できるので、近隣の畜産農家さんたちから生の声を聞いたり、それぞれの農家さんに赴いて指導を受けることもできます。こうしたリアルな現場を見て体験したり、人脈をつくれるというのは、就農に向けてとても役に立つと思いますね」と話してくれました。
また、唐津市では地域の担い手不足や地域課題の解決のため、県外からの移住支援も積極的におこなっているのだとか。美しい海や山などの自然が豊かで、なおかつ豊臣秀吉による朝鮮出兵の際には全国の名だたる武将たちが集結するなど、歴史と文化を色濃く残す唐津エリアは、九州の中心都市である福岡にも近く、「暮らしやすさ」という点においては申し分ありません。また、研修生の定員は年間2名ですが、もし空きがあれば、4月からのスタートではなくても随時受け入れていくと言います。興味がある方は、まずは気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
■お問い合わせ■
JAからつ 佐賀牛いろはファーム
〒847-1516 佐賀県唐津市肥前町瓜ケ坂558
TEL:0955-54-1001