しみしみ大根を作る2つのコツ
素材の旨味をぎゅっと受け止めたしみしみ大根。コツさえつかめば簡単に作れます。
そのコツは「下茹で」と「冷ます」こと。
下茹でして大根にしっかりと火を通し、冷ます工程を経ることで素材の味が染み込みます。
大根の下茹でには米のとぎ汁を使うことが知られています。
とぎ汁は大根から出たアクが繊維に戻るのを防ぎ、とぎ汁のでんぷんと大根のジアスターゼが反応して糖になり、甘みを引き立ててくれます。また、デンプンの働きで形が崩れにくくなる効果も期待できます。
とぎ汁がない場合は少量のお米を入れて下茹でしてもかまいません。
下茹で後に他の食材と合わせ、味付けした後に冷ます工程を経ることで、大根の組織のすみずみまで塩気やうまみがしみわたります。味付けしてから一度冷まして、盛り付け前にもう一度火にかけるとアツアツしみしみの大根料理が楽しめます。
【大根を使ったおすすめレシピその1】おでん
冬になると恋しくなる「おでん」。大根とニンジンをしっかり下茹ですることで、さまざまな素材の味がしみわたるおいしいおでんが楽しめます。
大根は部位によって味わいや食感が異なるため、長めにカットして大胆に盛り付けるのもおすすめです。しっかり下茹でしておけば箸でスッと切れる柔らかさに。
合わせる具材はお好みで。今回はタコを入れました。
海鮮系の具材を加えると出汁に深みが増しますね。
カセットコンロを使って、アツアツおでんを食卓で楽しんでくださいね。
【大根を使ったおすすめレシピその2】ぶり大根
大根の煮物料理の定番です。旨味たっぷりだけど少々クセのあるブリを、大根がしっかりと受け止めます。
大根は輪切りにしたものを、さらに半分にカット。
包丁やピーラーで角をとってあげると煮崩れを防げます。
料理酒120ml、みりん45ml、しょうゆ大さじ3、砂糖 大さじ1をお鍋や深型フライパンに入れ、生姜を加えて火にかけてアルコールを飛ばします。
アルコールを飛ばしたら、大根を並べます。
ブリは臭みをとるために熱湯をかけて洗います。
きちんと下処理をすることで、生臭さが苦手の方にも食べやすくなりますよ。
下処理をしたブリを並べて・・・
沸騰したら内蓋かアルミホイルをかけて弱火で15分ほど煮込みます。
火にかけた後に冷ます工程を経ることで、大根に味がしっかり染み込みます。
盛り付け前にもう一度火にかけ、刻んだ生姜をトッピングして召し上がってください。
【大根を使ったおすすめレシピその3】いか大根
大根はうまみの強い食材との相性がバッチリ。
いかと合わせてもおいしくいただけます。
下茹でした大根を使います。米のとぎ汁を使って下茹ですると、やや飴色で半透明に仕上がります。
いかはカットした状態で購入してもいいですし、まるごと買って捌いてもオッケーです。
自宅で捌く時にはキッチンはさみを使うとスムーズに行えます。
いかをフライパンで炒めます。炒めすぎると身が硬くなるので、サッと火が通る程度で大丈夫。
下茹でした大根を加え、白だしや醤油、砂糖などで味付けします。
味付けはお好みで。
そこに焼き目を入れた油揚げを加えます。
焼き目を入れることで食欲がわく見た目に。油揚げが旨みたっぷりの汁を吸ってくれます。
最後にかいわれ大根をトッピング。辛味がアクセントになり、見た目も華やかになりますよ。
【大根を使ったおすすめレシピその4】鮭大根
秋冬に旬を迎える鮭と大根の相性もバッチリ。
味付けは塩だけで、旬のおいしさを存分に味わえます。
今回は、秋鮭の大きなフィレを使っていきます。
大根は3センチほどの輪切りにして、さらに半分に。
米のとぎ汁で下茹でしておきます。
カットした鮭と合わせ、10分ほど煮込みます。
味付けは塩だけで十分です。
冬場に旬を迎える小松菜をサッと茹でて水を切ったものと、柚子をトッピングして召し上がれ。
【大根を使ったおすすめレシピその5】さっぱりみぞれ煮
大根はそのまま使うこともできますが、おろしてみぞれ煮にも使えます。
大根おろしに向いているのは辛味とパンチのある味わいが楽しめる先端部分ですが、みぞれ煮は火にかけで辛味が飛ぶため、どの部位でも大丈夫です。
大根のほとんどは水分なので、細かくおろすとびしゃびしゃになりがちです。
ざっくり鬼おろしにすることで、しゃりしゃりした食感をより楽しめます。
今回は厚揚げと茄子のみぞれ煮を作ります。
厚揚げは一口サイズにカットします。
茄子も一口サイズにカットします。
深型フライパンで調理します。
茄子は想像以上にしんなりするので、たっぷり入れてくださいね。
フライパンにいっぱいだった茄子がしんなりして、かさがずいぶん減りました。
全体に火が通ったらおろしを入れて煮込みます。
味付けは白だしだけでもかまいません。
甘めが好きな方は砂糖を加えるといいでしょう。
すりおろし生姜で華やかな香りをプラス。
大皿で豪快に盛り付けます。
茄子は時間が経つと変色するので、調理したら食べ切るのがおすすめです。
【大根を使ったおすすめレシピその6】大根とアサリの味噌汁
大根の葉まで楽しめるアサリ汁。
アサリをふっくらおいしく仕上げるコツがあります。
大根の葉は一晩水に浸けて、シャキッとさせてあげます。
大根は火が通りやすいよう薄めのいちょう切りにします。
アサリのサイズくらいに大きさを揃えると仕上がりが美しくなりますよ。
余裕があれば大根だけ下茹でします。
茹で汁には大根独特の香りや苦味があるため、気になる方はアサリと合わせる前に水を変えます。
アサリは砂抜きをして、表面をしっかり洗います。
アサリをふっくら仕上げるコツは「超弱火」。
水の状態からとろ火でゆっくり熱を加え、パカンと開くまで焦らずに待ってあげます。
急激に加熱すると身がきゅっと縮んでしまうので、じっくり加熱を心がけてください。
大根の葉は１センチほどにカットしておきます。
アサリが開いたら大根の葉と味噌を加えます。
味噌は、毎年冬場に楽しみながら仕込んでいる「手前味噌」。
貝のコハク酸は人が感じるうまみ成分のひとつ。貝のうまみを大根がしっかりと受け止めます。
大根の葉の辛みや苦味もとてもマッチしています。寒い日に飲むと、ほっこり身体中が温まります。
大根の煮物・汁物で冬もポカポカ
野菜をはじめあらゆる食材の高騰が気になる昨今ですが、今年は大根が豊作で値段もお手頃です。たっぷり消費できる煮物・汁物に活用することで、家計もきっとあたたかくなりますね。
寒い冬に旬を迎える大根のお料理で、ポカポカな毎日をお過ごしください。
