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里芋(さといも)の植える時期と収穫時期と育てるポイントを紹介

里芋(さといも)の植える時期と収穫時期と育てるポイントを紹介

和食によく使われる里芋は、日本人にとって馴染みの深い野菜の一つ。実は里芋の育て方は簡単で、初心者でも自宅で栽培にチャレンジすることが可能です。栽培期間は長いものの、しっかり育てればたくさん収穫できるのも魅力。では、里芋はどのように育てれば良いのでしょうか。今回は、里芋を植える時期や収穫時期などについて紹介します。

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里芋の植える時期は?

一般的に里芋の植える時期は、4月上旬〜5月上旬頃です。気候が暖かくなり、気温が15度以上になってきたら、里芋を植えてください。種ではなく、種芋を植え付けます。里芋の種芋は、ふっくらした形の良いものを選ぶのがおすすめです。なるべく芽が傷んでいないものを選ぶのもポイント。3月頃から土づくりを始めて、催芽の作業を行います。催芽とは、あらかじめ発芽を促す作業のことです。そのまま植え付けしたとしても、気温が上がらないと芽が出ないまま種芋が腐ってしまう場合があるからです。催芽の作業を省きたいなら、既に芽が出ている種芋を購入するのが良いでしょう。

里芋の収穫時期は?

寒くなる前に里芋は肥大し、晩秋になると生長が止まって収穫期に入ります。里芋の収穫時期は10月〜11月頃が一般的です。種芋を植え付けた時期によって多少変わりますが、150〜180日程度で収穫できます。霜が降りる直前または1〜2回くらい霜が降りた後が収穫時期の目安とされています。茎が枯れたり葉が黄色くなったりすると収穫のサインです。寒くなり成長が止まったまま放置していると傷んでしまう可能性があるので、本格的に寒くなる前に収穫するようにしましょう。

里芋の収穫時期は地域で変わる?

里芋の収穫時期は、地域によって少し異なります。収穫時期の目安は以下の通りです。

地域 収穫時期の目安
沖縄・九州・四国 9月下旬〜11月下旬
東海・関東 10月中旬〜11月下旬
東北 11月初旬〜12月初旬

里芋を育てる適温は25〜30℃程度。夏の暑さに強く寒さに弱いため、温暖な地域で栽培される場合が多いです。

里芋を育てるポイント9選

里芋を上手に育てるには、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。ここからは、里芋を育てるポイントを紹介します。

1. 栽培に適した環境を選ぶ

里芋を栽培する場所は日当たりが良く、風通しの良いところが適しています。日当たりの良い場所が見当たらないなら、半日陰の環境でも問題ありません。また、なるべく水はけ、水もちの良い土壌を選ぶのが良いでしょう。

2. マルチフィルムやわらなどを活用する

先程お伝えした通り、里芋は暑さに強く、寒さや乾燥に弱いのが特徴です。里芋を植え付けた際にマルチシートを張ると、土の温度が上昇するのでおすすめです。夏場の土壌温度が30度を超える場合には、一時的にめくるか、遮光材を用いて対策をしましょう。芽がマルチシートを押し上げてきたら、穴をあけます。芽が出た種芋を使う場合は、植え付けする前にマルチシートを敷いてください。また、夏から初秋(7月から9月)の土壌が乾燥しやすい時期は、株元にわらを敷くなどの対策もしておきましょう。

3. 追肥と土寄せをする

品質の良い里芋を育てるために、発芽後1ヶ月程度に追肥、発芽後2ヶ月程度で土寄せを行いましょう。追肥をする際は、株のまわりに一握り程度の化成肥料をまいて軽く耕します。葉が茂り過ぎた場合は、少し肥料を控えめにしてください。肥料を与えすぎると、根が栄養を吸水できなくなり枯れてしまうケースがあるからです。土寄せをするときは周辺の土を根元に集めて、10cm程度の土をかぶせます。

>>農家が教えるサトイモの育て方 水はけの悪い畑でこそ栽培したいよりイラスト画像を引用

株元に土を寄せることで、里芋が露出するのを防ぎます。最初のタイミングは6月中旬です。8月中旬頃に2回目の追肥と土寄せを行います。2回目の追肥は1回目と同じ一握り程度の化成肥料同じ量で、土寄せは、追加で6cm程度の土を被せれば問題ありません。土寄せは、里芋をしっかり太らせるための大切な作業です。土寄せをしないと子芋が地上に出てしまい、品質の良くない里芋になります。

4. 芽かきをする

種芋を植え付けてから6月上旬頃までに2つ以上の芽が出たときは、勢いのある芽だけを残して他の芽は根元から抜き取りましょう。ただし、6月中旬に行う土寄せ以降に出てくる芽は、新しくできた子芋の芽の可能性が高いので、そのまま放置しておきます。

5. 水やりが大切

里芋は高温多湿を好む野菜で、乾燥に弱いのが特徴です。里芋をしっかり肥大させるには十分な水やりが大切。特に晴れが続く時期は、積極的に水やりをしてあげましょう。里芋の生育が悪くなるので、土が乾かないように敷わらを敷いて土壌の保水性を向上する方法もおすすめです。わらで覆っても土が乾く場合は、1週間くらいの間隔で畝の間に水やりをすると良いでしょう。また、プランター栽培の場合は、朝と夕方の2回、底から水が出るくらいたっぷり水やりをしてください。

6. 病害虫対策を行う

基本的に里芋は病害虫に強い野菜ですが、アブラムシなどが発生する場合があります。病害虫を見つけたら、なるべく早めに対処しましょう。アブラムシを発見したときは、葉の裏までしっかり水をかけて洗い落としてください。

7. 病気にかかることもある

里芋は丈夫で強い野菜ではありますが、上記画像のようなモザイク病や根腐れ病などにかかる場合もあります。里芋が病気にかからないように、予防をしながら育てましょう。モザイク病とは、葉に黄色いモザイク模様が現れる病気のことです。病害虫が原因でモザイク病にかかるので、防虫ネットを張るなどの対策を考えておきましょう。根腐れ病はカビが発生し、葉が黄色くなり枯れていく病気のことです。連作をすると、根腐れ病を発症する可能性が高くなるので注意が必要です。

8. 連作は避ける

里芋は、連作障害を受けやすいとされる野菜の一つです。同じ場所で栽培すると、生育が悪くなったり病害虫が多数発生する可能性があるので気をつけてください。連作を避けるために、里芋を収穫した後は大根やネギを育てるのがおすすめです。プランター栽培の場合は、限られたスペースでも栽培できる葉ネギを選ぶのが良いでしょう。

9. 良いタイミングで収穫する

収穫時期は10月から12月の秋から初冬ごろです。収穫する良いタイミングは、里芋の葉が枯れ始めを目安にしましょう。葉が枯れることで里芋が地中で成熟し、味が良くなるため、これが収穫のサインとなっています。
収穫するには手やくわなどを使って、里芋の周りの土を掘り起こし、里芋を傷付けないように慎重に掘り進めていきます。そして里芋が掘り出されたら、土を優しく払い落として取り出し、最後は軽く水洗いして土を洗い流して完了です。

自宅で里芋を栽培してみよう

里芋は病気に強く、比較的簡単に栽培できる野菜です。水やりや土寄せをしっかり行えば、初心者でも問題なく育てられます。里芋はいも類の中では比較的カロリーが低く、栄養価も高いといわれています。自分で育てた里芋で美味しい料理を作ってみてはいかがでしょうか。プランターでも栽培できるので、気軽に里芋を育ててみましょう。

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