マイナビ農業TOP > 農業ニュース > 学校での除草・害虫駆除の基本を学ぶ!座学と実演で学べる校務員向けの農薬講習会

タイアップ

学校での除草・害虫駆除の基本を学ぶ!座学と実演で学べる校務員向けの農薬講習会

学校での除草・害虫駆除の基本を学ぶ!座学と実演で学べる校務員向けの農薬講習会

農薬を使用するシーンは田畑や果樹園だけではありません。学校園でも、子どもたちの安全や衛生、植栽の美観を保つなどの目的で、害虫や雑草を防除するために農薬の使用場面があります。業務を担当するのは、子どもたちが安心して学校生活を送れるように学校設備や環境を整える校務員の皆さん。しかし多忙を極める現場では、農薬の使い方は個人に委ねられていることが多いのが実情です。そんな中、東大阪市教育委員会がJCPAの講師派遣事業を活用し校務員を対象にした農薬セミナーを開催。講習内容や依頼に至った経緯を担当者に聞きました。

twitter twitter twitter

安全と安心が求められる学校での除草や害虫駆除、適切に実施していますか

学校現場では、子どもたちがより安全安心な学校生活を送れるように様々な配慮がなされています。
そのサポート役を担うのが校務員。学校設備や周辺環境に不備がないか日々点検し、安全で快適な状態に整えています。

具体的な仕事内容としては、破損したドアや割れた窓ガラス、トイレや水道の詰まりの修理など。中でも、除草や害虫駆除は春から秋にかけて特に重要な作業です。

児童の保護者、学校関係者や周辺住民の健康被害への懸念の不安を軽減するため、正しい取り扱いを理解した上で実施するのに加え、住宅地通知にそって事前周知を徹底するといった配慮も必要です。
しかしながら、長らく農薬の使用方法や手順は現場に委ねられてきました。

「除草剤や農薬の散布方法は正しいのだろうか」「容器の洗浄方法は合っているのだろうか」「農薬を使っても児童に影響はないのか」など、除草や害虫駆除に関する疑問を抱いてきた方は少なくないでしょう。

そこで頼りになるのがJCPA農薬工業会の講師派遣事業です。農薬の正しい情報を提供し、適正に使用できるよう正しい知識の普及活動を行っています。
委託先の公益社団法人緑の安全推進協会に所属する農薬の専門家が聴講者に合わせた講義を考え、講習を行います。

「安全に農薬を使ってほしい」東大阪市教育委員会の場合

モノづくりのまち・大阪府東大阪市。
総括主幹・沖上篤史さんによると、これまでは個人で研修を受けることはあっても、すべての校務員を対象にした農薬の研修は実施しておらず、「ラベル通りに使って」などとだけ指示があったと言います。

しかし、複数の校務員から「除草剤の散布方法は合っているのか」「殺虫剤の散布時期はいつ頃がいいのか」と具体的な相談を受ける機会がたびたびあり、沖上さんは基本的な知識を学ぶ必要性を感じていました。

 width=600

自身も校務員のキャリア20年の総括主幹・沖上篤史さん

2023年7月下旬、大阪府主催で正しい農薬の使い方に関するセミナーが開催されました。農業関係者を含む様々な職種が受講対象で、東大阪市からは沖上さんを含む5名の職員が参加。
沖上さんは、わかりやすく専門知識を解説してくれる講義内容に意義を感じ、学校現場に特化した研修を東大阪市でも開催できないだろうかと、受講後のアンケートにその旨を記入しました。

翌8月、府の担当者から「緑の安全推進協会に連絡し、農薬の専門家を派遣してもらうようにします。フットワークが軽く無償で開催してくれますよ」と連絡がありました。そこで沖上さんは、市教育委員会が主催する研修の検討委員会に提案。結果、年に2回ある校務員全体研修の中で実技研修の位置づけとして開催することが決定しました。

9月下旬に正式に依頼してから開催までおよそ2ヶ月半。日程調整から講習内容の打ち合わせのやりとりなど、とてもスムーズに運んだそうです。
こうして、東大阪市の学校園などで働く校務員85名が専門的な研修を受けることになりました。

座学と実技でより理解が深まる JCPAの講師派遣事業

2023年12月、「令和5年度校務員実技研修」が東大阪市教育センターで実施されました。講義は「学校園における農薬等の適正使用」と、学校園に特化した座学と実技の2本立てです。

座学の主なトピックは、農薬散布に関する基礎知識、散布作業者に対する安全性、散布作業(散布時の注意事項や散布器具の洗浄、装備)など。

特に印象的だったのが、専門的で堅くなりがちなテーマだからこその創意工夫。より理解が進むようにニュースなどを引用した身近な事例を交えながら講義が行われました。
真剣ながらも時折笑い声が起こる和やかな空気感の中、受講者は頷きながら熱心に耳を傾けて配布資料にメモをしていました。

特に時間をかけて説明していたのが、住宅地への「事前周知」について。農薬使用の目的や散布日時だけでなく、想定される留意点も念頭におきながら、十分に周知することの大切さを繰り返し説きます。

かつて危ないイメージのあった農薬は、研究と技術が進み、より安全安心に使用できるものとなりました。しかし、これは正しい農薬の知識を有しているからこそ唱えられること。農薬について体系的に理解した上で、起こりうる危険性とその可能性をすべて想定しておくことが大切です。
講師の「知識があることで関係各所に丁寧に説明ができ、かつ誠意ある姿勢と理解してもらう努力を怠らないことで信頼を得られる」との言葉に、多くの受講者が深く頷いていたのが印象的でした。

 width=600

緑の安全推進協会委嘱講師の大野研さん。農薬メーカーで除草剤の研究をしている農薬のプロフェッショナル

休憩を挟んで、後半は実技です。
まずは、マスクの正しい装着方法を講師が実演。座学でもスライドで説明がありましたが、マスクゴムの順番と位置、隙間なくつけるコツなど、自身の健康を守るために確実に装着するポイントを学びます。あわせて、長袖の作業着と手袋を必ず身につけることの大切さも伝えます。

次に、実際の散布機器を使い、水道水を擬似農薬にして、草地で実演します。散布前、散布液の作成手順、散布中、散布後と、順番に都度質問を受け付けながら進められました。

 width=600

実技のようす。特に散布後の容器洗浄や始末については、具体的な質問が熱心に寄せられた

実技終了後は講義室に戻り、質疑応答、講師による統括で締めくくり、約2時間にわたる研修が終了。

受講していた校務員の村上周太さんに感想を伺いました。
「農薬の安全性はインターネットで調べた知識で把握していました。今回の研修ではプロの方から正しい農薬の使い方の根拠を学べたので、自信を持って説明できるようになったことは大きな強みになりました」「農薬の使用後、次回までにどれくらいの期間を空ければいいのか、ずっと疑問に感じてきたことが確かな知識になり、安心して業務にあたれます」と、前向きな意見を聞くことができました。

 width=600

「今後は自信をもって農薬を使えます」と校務員歴17年の村上周太さん。講師への質疑で長年の疑問も解消

農家以外もOK!農薬のお悩み、困りごと、疑問はJCPAへ

最後に、研修を提案した沖上さんに感想を尋ねました。

「これまで個別的に相談を受けて対処してきましたが、今回の研修内容をベースにした知識が全校務員の共通認識になりました。すべての受講者が食いつくように聞いていたので、とても実りあるものだったのではないかと思います。今後、より一層安全に業務にあたってくれると思います」

受講者の表情を見て、研修を開催した意義があったと、ホッと胸をなでおろした様子です。

今後についても、「農薬取締法に則った使い方や住民への周知は、“当たり前”のことだからこそ定期的に研修を開催して知識を定着していきたいです。他の自治体にもぜひ、積極的にプロの講師の力を借りてほしいですね」と話していました。

正しい農薬の使い方や周辺知識について、組織単位で共通認識を深めたいと感じた学校園関係者の皆さんは、JCPAまでお気軽にお問い合わせください。

【取材協力】

東大阪市教育委員会

【お問い合わせ先】

JCPA農薬工業会
東京都中央区日本橋茅場町2丁目3-6 宗和ビル

JCPA農薬工業会のHPはこちら

公益社団法人 緑の安全推進協会
東京都千代田区内神田3丁目3-4

緑の安全推進協会のHPはこちら

JCPA農薬工業会の特設ページはこちら
持続可能な日本の農業
持続可能な日本の農業
JCPA農薬工業会の特設ページはこちらから。作物保護の役割や農薬の安全性について動画やイラストで説明します。
タイアップ

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する