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まさか自分が農家に?今や誰よりも“梨愛”を語るまでに 仲間や環境が教えてくれた梨づくりの奥深い魅力

まさか自分が農家に?今や誰よりも“梨愛”を語るまでに 仲間や環境が教えてくれた梨づくりの奥深い魅力

シャキッとした食感と滴るほどの果汁。さわやかな甘みと酸味が特徴の『二十世紀梨』。『二十世紀梨』と言えば鳥取県と思い浮かぶ人も多いであろう、県随一の名産品です。その歴史は古く、鳥取県では120年前から作られていました。他の品種に比べて繊細な『二十世紀梨』は、栽培が難しく、農家の手と愛情が欠かせません。そんな梨づくりに惚れ込んで和歌山県から鳥取県にIターン就農をした唐﨑大義さん(32)。梨づくりを始めるまでの準備期間から現在、そしてこれからについて語ってもらいました。

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農家たちの熱い思いが鳥取県を『二十世紀梨』の日本一の生産地に

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湯梨浜町にあるJA鳥取中央東郷梨選果場

北は日本海に面し、南は大山などの中国山地の山々がそびえる、自然豊かな鳥取県。日本でも有数の梨の生産地として広く知られています。鳥取県の『二十世紀梨』栽培の歴史は120年以上前にも遡り、現在も日本一の生産量を誇っています。その他『新甘泉(しんかんせん)』や『なつひめ』など鳥取県が開発した品種も生産。特に甘みが強い『新甘泉』は、鳥取県が誇るオリジナル品種として近年注目度が急速に高まっています。

「『二十世紀梨』は、手をかけて育てなければならない、栽培が難しい品種です。農家が一つ一つ手作業で交配を行い、じっくりと育てる『二十世紀梨』の生産量が本県で多いのは元々粘り強い県民性に加え、もっと美味しい梨を作りたい!という向上心を持っている農家が多かったからなんでしょうね」と語るのは、鳥取県農業経営・就農支援センター就農相談員の橋本俊司さん。

このようなこだわりを持つ多くの農家や生産地に実際に触れてもらうため、県では10年ほど前から梨をはじめとした就農を考えている人に向けて、年に2回農業視察研修を実施。加えて就農に向けての多種多様な研修制度や助成制度など、技術面と資金面の双方において、行政をあげて万全な支援体制を整えています。

梨の美味しさに驚愕!一気に高まった梨づくりへの関心

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5月と6月の2回、袋かけを行う。すべて一つずつ手作業で行う

鳥取県中部エリアの湯梨浜町。その地名が表すように、県内随一の梨の生産地です。この地で本格的に梨づくりを始めて6年目となる唐﨑大義さんは、出身地の和歌山県から鳥取大学の農学部へ進学。鳥取県をはじめとした、全国の中山間地農業の経営に興味を持ち、研究を進める傍ら、『とっとりふるさと就農舎(鳥取市新規就農者技術習得支援施設)』で野菜づくりや袋詰め、さらに『鳥取県園芸試験場』で梨の糖度や硬度の調査補助などをインターンシップで経験。大学卒業までに農家を20軒ほど回り、農作業を手伝いながら実態調査も続けました。
「持続可能な農業のためには、技術と経営の両輪をうまく駆動させなければいけないことを現場で学びました。大学院ではさらにフィールドワークに重点を置く中、梨栽培に興味がわいてきたんです」

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唐﨑大義さん。現在3カ所計1.1haの畑で梨づくりを行っている

大学院を修了すると、日本一の生産量を誇る『二十世紀梨』の産地での就農を決意し、鳥取県農業農村担い手育成機構が窓口となる『アグリスタート研修』を開始。実は鳥取県に来るまでは、梨は淡白で、それほど美味しい果物とは思っていなかったそう。

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「梨ってこんなに美味しかったのか!と衝撃を受けました。今まで食べていた梨は何だったんだろうかとさえ思ったほどです。味も歯触りもまったく違う。しかも、梨農家の人たちは、みんな本当に楽しそうに仕事をやっているんです。ますます興味がわいてきて、梨を作って生きていこうと真剣に考えるようになりました」

唐﨑さんは、1年半の『アグリスタート研修』中に、梨農家の下で実際の梨づくりの技術を学びながら、その後の住居や畑を探し、農機具の準備などを進めました。就農してからも、国の『農業次世代人材投資資金』や、県の『就農条件整備事業』などを活用して生計を立て、無理なくスタートを切れる体制が整っていることがありがたかったと語ります。中でも、ひたむきに努力を重ねる唐﨑さんの姿を見て、「ぜひ唐﨑さんに!」と後継者を探していた人から農地を借りられたことが何より嬉しかったそう。

『アグリスタート研修』で、2度の収穫を体験し、気候の違いによる対策など技術的なことを学んだ上でいよいよ独り立ち。10月から土づくりを始め、草刈り、枝の剪定、棚に枝を固定する作業を3月までに終えると、4月は一つ一つ手で交配作業を行います。5月には摘果作業を終え、6月は残した果実一つ一つに袋をかけ、ようやく8月から収穫がスタートというのが一年の流れ。もちろん、合間を見て畑を離れ、全国に旅行にも出掛けているそうです。

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草刈りも自ら行う。除草剤をあまり使わずに土の持つ力を大切にしている

「これまで1人で梨を作ってきて、苦労したことは?」との問いかけには、「それがまったく苦労はないんです。幸いにも台風の被害もなかったですし、もともとの畑の状態もとても良かったんです。除草剤を使いすぎず、藁や河川敷の草を入れて有機物を補うなど、土地が痩せないように維持してきたことも良かったのかもしれません。最近では梨の希少価値が上がり、それに伴って単価も上がっているので、プラスになった分で防風樹を植えるなど、あらかじめ自然災害から守るための対策を打つことができています」。

梨は、土地によるところはもちろん、それ以上に作り手によって味が変わるところがおもしろいと語る唐﨑さん。手のかけ方を探りながら進めていき、少しでも美味しく、1人でも多くの人に喜んでもらえる梨を作りたいと、唐﨑さんの梨づくりへの情熱は高まるばかりです。

次世代に繋がる梨づくりを。行政と二人三脚で取り組んでいく

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淡い黄緑色が特徴の瑞々しい『二十世紀梨』

唐﨑さんのように学生時代から農業が身近な存在だった人だけでなく、鳥取県での就農に興味がある人に向けて県農業経営・就農支援センターでは『農業視察研修』を行っています。「農業で生計を立てるとなると、就農相談会などで話を聞くだけではなく実際に現場を見ることが重要」という考えから始まりました。9月21日~22日に行われた今年の研修は、1泊2日の日程で、初日は唐﨑さんと一緒に湯梨浜町の梨団地や選果場を見学した後、県立農業大学校で機械や施設の見学、農業体験を行い、農業大学校内で宿泊。翌日は倉吉市の梨農家とスイカ農家の畑を回り、直接就農者と対話しました。

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2023年度に行われた『二十世紀梨』の初出荷セレモニー(JA鳥取中央東郷梨選果場)

「直接話をすることで、新規就農のイメージが明確になり、移住を決断する人も多いんです。なんといっても二十世紀梨の生産量日本一ですから、多くの農家仲間がいます。切磋琢磨しながら共により良い梨を作ろう!という人たちが集まっており、常にお互いに助け合っているのが湯梨浜町の梨の産地の特徴と言えます。また、『新甘泉(しんかんせん)』などの鳥取県オリジナル品種の梨も次々と誕生しています。知名度と共に価格も着実に上がっており、安定した収入にも繋がっています」と就農相談員の橋本さん。

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梨の栽培技術向上のために、新しいことには果敢にチャレンジしたいと唐﨑さん

唐﨑さんが続けます。「120年もこの地で梨づくりが行われているんですから、その信用と安心は大きいので、安定した収入にも結びつくんじゃないでしょうか。梨づくりの師匠も多くいますし、やればやるほど面白くなる。私も完全に梨に惚れ込んじゃいましたから(笑)。畑に行けば必ず誰かがいるので、いつでも相談できるのも心強いですね。もう一つの魅力は、この鳥取県内の環境です。人口が全国最少だからこそ、すべてがゆったり。畑そのものも広いですし、畑の周囲にも何もないので、音が気になる機械作業も時間を気にせずにできます。自分のペースで作業ができるのはありがたい。最近では空き家をリノベーションして住む若い人たちが増えています。今後は農業を始める若い人たちに、技術を伝承すると同時に共に学び、梨づくりの技術向上に力を注いでいきたいです。仲間は多い方がいいですからね!」

記事に関するお問い合わせ

鳥取県農業経営・就農支援センター
(鳥取県農林水産部農業振興局経営支援課内)
TEL:0857-26-7262(担当:橋本・糸原)
E-mail:keieishien@pref.tottori.lg.jp
鳥取県の就農情報はこちら

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