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苗の移植作業が2日⇒30分に!効率化を低コストで実現した秘密とは

苗の移植作業が2日⇒30分に!効率化を低コストで実現した秘密とは

ほとんどの工程が手作業のネギ栽培で、省力化が実現できると評判の簡易移植器があります。日本甜菜製糖株式会社が提供する『ひっぱりくん』です。農業従事者の高齢化に伴い、時短かつ少ない労力で移植が行えるのが魅力ですが、実はネギ以外の葉物などの野菜や花きの移植にも使用できることはあまり知られていません。今年、『ひっぱりくん』を使った黒豆の移植に初挑戦する農家さんと、『ひっぱりくん』を開発した日本甜菜製糖株式会社の担当者にお話を伺いました。

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朝来市の特産品「岩津ねぎ」。栽培の背景と農家の課題

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関東の根深ねぎ(白ねぎ)と関西の葉ねぎ(青ねぎ)との中間種で、青葉から白根までとても柔らかく、余すところなく食べられるのが岩津ねぎの特長。

豊かな自然が広がる兵庫県朝来市は、日本三大ねぎのひとつであり幻のねぎとも言われる「岩津ねぎ」の産地です。旬を迎える11月から3月は、岩津ねぎを求めて遠方から足を運ぶ人が絶えないほど人気の伝統野菜であり、朝来市を代表する特産品です。
しかしながら、岩津ねぎの生産を支える農家は、高齢化とともに減少の一途を辿っています。また、伝統的な岩津ねぎの栽培は、植え付けから収穫までの工程のほとんどが手作業で行われるため、作業負担が大きいのも課題のひとつです。

朝来市内で有機農法にこだわった米や野菜づくりをおこなう「篠墅(しのや)」を運営する篠岡昌代さんもそんな課題を感じていた農家の一人です。

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篠岡さんご家族(昌代さん、夫の弘之さん)、農業研修生の福地知明さん。

昌代さんはもともと民間企業に勤めていましたが、母の体調不良をきっかけに平成29年に脱サラし、家業として営んでいた農業を引き継ぐことになりました。令和3年には朝来市認定農業者の認定を受け、現在では朝来市農業委員としても精力的に活動する毎日を送っています。営農規模は、水稲3.5haと野菜1.0ha。そのうち、野菜全般を昌代さんが担当し、岩津ねぎ、丹波黒(黒豆)、ピーマン、ニンニクなど約20品目を栽培中です。
「就農3年目に『朝来で農業やるんやったら、岩津ねぎはやらなあかんよ』と言われてはじめました。でも当初は、ネギ栽培のほとんどの工程は手作業になるため、費やす時間と労力を考えると悩みました。通常の野菜でも、育苗はセルトレイ、植え付けはトレイから1本ずつ取り出して移植、苗が倒れないように根元を押し付けて、最後に鋤で土寄せ。一連の作業を終えるのに、8aの圃場で丸2日ほどかかっていたんです。」

岩津ねぎの植え付け時期は8月。灼熱の太陽光が照りつける炎天下での長時間作業は、体力が奪われ、熱中症にも注意しなければなりません。さらには中腰での作業は体への負担も大きく、どうにか効率よくできないものかと頭を悩ませていました。
また、多品目を栽培する昌代さんにとって、植え付け負担の軽減と作業スピードの向上が、喫緊の課題だったと振り返ります。

小型&軽量の簡易移植器『ひっぱりくん』で、作業負担を大幅に軽減!ねぎ以外にも応用可

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そんな昌代さんの救世主となったのが、日本甜菜製糖株式会社(以下、ニッテン)が提供する「チェーンポット」の育苗と簡易移植器『ひっぱりくん』です。

「はじめて見たとき、こんな簡単に移植できるのかと驚きました。8aの圃場で2日間費やしていた植え付け作業が、『ひっぱりくん』を使うとたったひとりだけで30分から1時間ほどで終わったんです、初めての使用で慣れていなくても。本当にあっという間でした。」

『ひっぱりくん』とは、チェーンポット専用の簡易移植器で、溝切り(植え穴堀)・植え付け・土寄せ・鎮圧の4つの工程による移植作業が同時に行えるシンプルな農機具です。
使い方はとてもシンプル。数珠状に連なった構造の紙製の鉢となるチェーンポットで育苗した苗を、苗箱ごと本機『ひっぱりくん』にセットし、培土板と車輪で植え付け深さを調節したら、あとは後方に引いていくだけです。
移植の作業時間を大幅に短縮できるとわかった昌代さん。JA主催のニッテンの説明会で、ニッテンの紙筒事業部の担当者・宮﨑さんから直接圃場での指導を受けた際、ブロッコリーやキャベツなど他の葉物野菜の移植にも使えると提案されます。
そこで、2024年度は黒豆(丹波黒)の移植を『ひっぱりくん』で試すことにしたそうです。黒豆はネギと異なり、株間30cmの発売になったばかりのロングピッチ チェーンポット「LP353-30」を使用し育苗します。
「『ひっぱりくん』での移植では必ず溝を掘らないといけないと思っていたのですが、平植えでも可能ですよと聞いて。黒豆に合った株間のチェーンポットと、移植の深さの調整方法を教えてもらい、あとはネギと同じように移植できました。」

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近隣農家の高齢化から「篠墅(しのや)」へ水稲栽培の作業委託を依頼されることも増え、稲作を担当する夫の弘之さんだけでは手が回らない状態であったといいます。
そうなると多品目栽培はますます難しくなり、品目をしぼって収量を確保しなければなりません。1品目で2〜3haを栽培しようとする場合、省力化のためには200万円ほどの移植機を導入するのが一般的ですが、個人農家にとっては大きな負担で導入は現実的ではありません。
しかしながら、『ひっぱりくん』はシンプルな形状で誰でも簡単に使えて、価格も10数万円程度で導入できます。時短のための投資と捉えれば価値が高く、また、ガソリンなどのランニングコストも必要ありません。省力化やコストカットだけでなく、環境に配慮した栽培につながるのも魅力です。

女性や高齢者の作業に最適!『ひっぱりくん』を導入する3つのメリット

日本甜菜製糖株式会社紙筒事業部のご担当・太田泰臣さんと宮﨑大輔さんに、『ひっぱりくん』を導入するメリットを伺いました。

1. 小型&軽量化で、女性や高齢者でも無理なく使える

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日本甜菜製糖株式会社・太田泰臣さん

『ひっぱりくん』は、苗の移植に特化したシンプルな農機具です。使い方も、苗を本機『ひっぱりくん』にセットすれば後ろに引いていくだけで移植できる簡単な仕組みです。
大人はもちろんのこと、学生さんやパートさん、外国の方など農業に不慣れな方々でも、簡単な説明でどなたでもすぐにプロ並みに使えるようになります。
本体重量は1条用で12キロ程度と比較的軽量でコンパクト。女性や高齢者の方も、車輪を利用すれば一輪車のように楽に移動できます。
また、移植機ように転倒した場合でも大きな事故や怪我に繋がることはほとんどないため、安全に使用できる安心感があります。

2. 「植え穴堀→植え付け→土寄せ→鎮圧」の移植作業を同時に行え、時短を実現

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日本甜菜製糖株式会社・宮﨑大輔さん

移植作業は「植え穴堀→植え付け→土寄せ→鎮圧」の4つの工程があり、手植えですと2人がかりで行います。苗をポットから出す担当と、植穴堀をして植え付けて土寄せして鎮圧する担当といったように。
それに対して、チェーンポットで育苗した苗を『ひっぱりくん』で移植する方法ですと、たった一人で行えます。4つの工程を同時に行うことで、時短につながり、他の作業のための時間を捻出でき生産性の向上につながります。

3. わかりやすい構造で長く利用でき、営農規模に応じてカスタマイズが可能
最初の組み立ても所定の箇所にネジを締めていくだけといった、シンプル仕様。調節箇所がほとんどなく、故障個所もほとんどないためにメンテナンスを気にすることなく使用できます。主に個人農家さんに多く使っていただいていますが、規模拡大をする農家さんでは、作業のスピードアップのために一軒で2〜3台導入されて学生さんやパートさんなどの農業経験の不慣れな方でも安心してご使用いただき作業効率を高められている方もいらっしゃいます。故障もほとんどないことや持ち運びにも労力がかからないので生産部会での共同利用もされております。
規模に応じてエンジンユニットのようなものやトラクター装着ユニットなどを使用するような中・大規模農家さんにも、柔軟に対応しています。
また、ネギ以外の葉物などの野菜や花きの移植にも使用でき、より計画的に移植の適期に植えられ、結果として安定的な収益につながります。

ねぎだけじゃない。多彩な葉物などの野菜や花きの移植にも大活躍!

太田さんと宮﨑さんいわく、『ひっぱりくん』はネギに特化した簡易移植器のイメージが良くも悪くも定着してしまったと話します。
そこで、「篠墅(しのや)」の事例のように、ネギの移植だけではなく葉物などの野菜や花きの移植にも使用できることをもっと知ってもらいたい、利用効率を高めるだけでなく、より作業負担を軽減し生産性を上げるために『ひっぱりくん』を活用してほしいとの思いで、全国のJAが開催する説明会で提案を進めています。

最後に、これからの日本の農業では今まで以上に効率的に省力化が求められてきております。今後の革新的な育苗技術の開発により今まで以上に生産性の向上を図り農家の所得向上につながるよう一層励みながら個人農家はもちろん、より規模の大きな農家にもご使用いただけるよう広めていきたいと展望を語ってくれました。同社の今後の活躍に目が離せません。

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