農薬を減らし持続可能な農業を実現する「予防」の重要性
トマトやキュウリなどを栽培する生産者の中には、毎年うどんこ病や疫病、べと病などの発生に悩む方が少なくないでしょう。
防除を効果的に行うには病気が発生する前からの対応が必要ですが、圃場では病気は見つけにくく、発見したときには既に広がっているなんてことも。また、病気発生後に専門剤(治療剤)※を使用しても完全に抑え込めず、実や葉に病気の痕跡が残り商品価値が下がってしまうこともあります。
農作物に発生する主な病気は、カビを原因とするものが多く、湿度の上昇と共に多発します。ハウス栽培の場合、こまめな換気や耐病性品種に変えるなどの対策方法がありますが、ハウス内の湿度管理は難しく、耐病性品種も別の病気にかかってしまう恐れがあり万全ではありません。そこでおすすめなのが、『ダコニール1000』 を使った予防散布を中心とする病害管理です。
しっかり予防していれば、もし病気が発生しても、まん延を防ぐことができます。さらに、『ダコニール1000』は野菜、果樹、茶、花き、稲など70作物以上、およそ180種類の病害に効果があります。そのため、多品目栽培をしている場合でも個別に防除をする必要がなく、似ている病気が発生して見分けがつかない場合でも、一回の散布で両方の病気を防除することができ、減農薬につながります。
確かな予防効果で手間もコストも大幅カット
『ダコニール1000』 を製造する株式会社エス・ディー・エス バイオテックの、つくば研究所みのり農事試験場では、さまざまな実証試験を行っています。
同試験場の藤田昭彦さんによると、散布のコツは「病気発生初期に『ダコニール1000』を散布すること」。また「散布が遅れた場合も、まずは専門剤(治療剤)※で病気をたたいた後、『ダコニール1000』による防除(再感染の予防)を行うことで次の感染を防ぐことができる」といいます。
ある試験(試験1)では、トマトの葉かび病初発直後に『ダコニール1000』を散布したところ、一定期間病気の発生を抑えることができました。その後も10日間隔で計4回散布することにより、病気の発生を低く抑えられることも確認しています。
病気発生後の治療剤※散布(試験2)と比べて、『ダコニール1000』の予防散布は防除コストを大幅にカットできます。トマト疫病の発生前に『ダコニール1000』を散布した場合と、発生後に治療剤を散布した場合を比較検証したところ、『ダコニール1000』処理区では発病率が低く推移し、より多くの収量を確保できることが実証されました。さらに散布コストの比較をすると、『ダコニール1000』を散布した場合は、一般的な治療剤※を使用した場合よりも10aあたりのコストを3分の1程度にまで抑えられました。
また『ダコニール1000』は、薬剤耐性菌の対策にも有効です。有効成分のTPNは、世界各地の農業現場で50年以上使用されていますが、 耐性菌発生が問題となった事例はありません。
発売開始から約40年、日本各地の生産現場で使用されている『ダコニール1000』。日本農業新聞アンケート2023の殺菌剤部門でも4冠を達成しました。藤田さんは「生産者のみなさんが安心して使えて、農業を続けていけることが一番の願いです。現在も『ダコニール1000』の研究は続いています。今後も新たな価値を届けていきたいです」と語ります。
病気と闘う生産者を支えてきた『ダコニール1000』。今後も生産者の必需品・常備薬であり続けるでしょう。
※浸透移行性・浸達性のある専門剤(治療剤)は、耐性菌対策が必要です。専門剤は多用せず、切り札として活用しましょう。
取材協力
株式会社エス・ディー・エス バイオテック
つくば研究所みのり農事試験場
問い合わせ先
株式会社エス・ディー・エスバイオテック
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