未来の農業に貢献する「マップ連動可変施肥」を実現! 新型トラクタ『BFREX』×高精度ソワー『GRANDY』
AGRI+
世界的に農業機械を展開するISEKIが、高精度ソワーを開発するTAISHOとコラボレーションし、新型トラクタ『BFREX』 とマップ連動施肥対応の『GRANDY GRT-AGI』を発表した。最新の「マップ連動可変施肥」技術を実現する本機について、2社の担当者にご対談いただき魅力を紹介する。
可変施肥活用のハードルを下げ
多くの生産者に貢献する『BFREX × GRANDY』
『BFREX』×『GRANDY』の可変施肥作業。マップ連動可変施肥機能に加え、直進アシスト(自動操舵)機能の同時使用も可能で、精密散布&作業効率向上を実現。
日下部さん
新型トラクタ『BFREX(以下ビレックス)』は、中型トラクタに大型トラクタのような快適性と最新の機能を搭載した新製品です。タイショーさんとのコラボレーションで実現した『GRANDY GRT-AGI(以下グランディ) 』でのマップ連動可変施肥も、その延長線上にあるチャレンジでした。
可変施肥は大規模農場で効果を発揮しやすく、主に北海道で実施されています。そのため海外製品がほとんどというのが現状ですね。ですが活用すれば、圃場の一区画が小さい生産者さんの営農に貢献できる、とタイショーでも可能性を探っていました。
荻沼さん
日下部さん
マップ連動可変施肥は、センシングマップ等から作成された施肥マップをもとに、地力や生育状況等に合わせて自動で施肥量を調節できるため、圃場の一区画が小さな生産者さんにとっても農業資材コストの抑制に大きなメリットがある。そう考え、さまざまなメーカーを検討する中で、長年高性能なソワー(肥料散布機)を開発されているタイショーさんなら、とお声がけをしました。
私たちも開発の中でソワーとトラクタの制動・制御をどう連携させるかという点で苦労していました。今回のコラボでは、両社の得意分野を生かして、高精度・高性能なトラクタ用ソワーを開発することができました。本機なら、多くの生産者さんに貢献できると期待しています。
荻沼さん
低コスト化・効率化、そして作物の品質安定化
可変施肥が拓く農業の明るい未来
日下部さん
この企画が始まったのは、農林水産省が「みどりの食料システム戦略」をスタートしたのと同時期。その中に「化学肥料の使用量を30%低減させる」という目標があり、無駄なく肥料が散布できる可変施肥のニーズは今後高まるだろうと感じました。また、JA全農とBASFが共同で『xarvio®FIELD MANAGER(以下、ザルビオ®フィールドマネージャー)』※1を提供し、普及し始めたのも大きいですね。
『ザルビオ®フィールドマネージャー』は、過去15年分の衛星画像データをAIが分析して圃場のエリアごとの地力や生育状況を可視化し、施肥マップを生成できます。これらを活用できる『ビレックス』を井関農機さんが開発してくれたことで、プロジェクトが一気に進みました。
荻沼さん
日下部さん
そのシステムと『グランディ』の連動が最も苦労した点ですね。施肥マップデータとGPS、『グランディ』を連動させ、的確に肥料を散布できるまで試行錯誤を重ねました。
本当に苦労しましたね。ですがその結果、『グランディ』の散布精度は±5%と高精度を実現することができました。これは、トラクタが時速4km〜6㎞と高速で作業しても精度が落ちることがありません。散布幅も最大5・1mあるので、1反の圃場の施肥作業も約3分で終わります。圃場の形状に合わせてトラクタを運転するだけで、自動で精度の高い可変施肥が行えますから、経験の浅い方でも安心して作業が可能です。
荻沼さん
日下部さん
トラクタモニターを使用する場合は、モニターで施肥マップを、作業機コントローラーで散布量を同時に確認できるといった、作業のしやすさにもこだわっています。また、作業前の設定も簡単です。『ISEKI アグリサポート』※2を通じて使用する場合、まずタブレット等に『ザルビオ®フィールドマネージャー』の施肥マップをダウンロードします。そしてタブレット等とトラクタをBluetooth接続するだけで設定が完了し、マップ連動可変施肥を開始できます。
トラクタモニターでは、施肥マップ、現在の肥料の散布量や現在のトラクタの位置などが一目で分かる。『ISEKIアグリサポート』でも、タブレット等で同様の情報を確認できる。
施肥マップデータを取込めるモニター、GPS受信機もトラクタ本体に搭載することで、『グランディ』本体はそこからデータを受けとって動く仕様になりました。これによって取り付け・連動が簡単になり、コストも下げることができました。多くの生産者さんにも導入しやすい価格帯になったと思います。
荻沼さん
日下部さん
『グランディ』のマップ連動可変施肥で作物の生育状況等に合わせて最適な肥料量を散布すれば、肥料の無駄が省けて環境負荷を減らすことができます。それだけでなく、生育状況がそろうことで倒伏軽減や、品質の安定化も望めますね。
生産者一人あたりの耕地面積が増加している今だからこそ、マップ連動可変施肥で低コスト化・効率化に加え、儲かる農業にも貢献できると考えています。
荻沼さん
日下部さん
ご興味を持たれた方は、まずは最寄りのヰセキ販売に相談いただき、実演等でマップ連動可変施肥を体験してみてください。
そうしてメリットと共に私たちが描いた農業の明るい未来も感じてもらえると嬉しいです。
荻沼さん
※1 『ザルビオ®フィールドマネージャー』は、JA全農とBASFが共同で日本へ適合させ、普及するシステムです。利用には別途料金がかかります。
※2 『ISEKI アグリサポート』は井関農機が提供する作業・機械管理システムです。
製品に関する問い合わせ先
井関農機株式会社
https://www.iseki.co.jp/
〒116-8541 東京都荒川区西日暮里5丁目3番14号
トラクタ『BFシリーズ』の詳細はこちら
株式会社タイショー
https://www.taisho1.co.jp/
〒310-0836 茨城県水戸市元吉田町1027
高精度ソワー『グランディ』の詳細はこちら
ご購入のお問合せ
製品のお見積もりや購入に関するご相談につきましては、お近くのヰセキ製品取扱店へお問い合わせください。
販売店検索はこちら