化学農薬だけでは対応できない!進化した生物農薬の良さを採り入れることが防除のカギ
「散布しているけど、本当に効いているのかな?そんな不安を農薬に感じたことはありませんか。夏場の葉物野菜には、たった何日か目を離すだけでコナガやアオムシ、ヨトウムシがついていることがありますよね。数日おきに害虫駆除のために農薬を撒いているのに、その効果に疑問を持ってしまうということもあるのではないでしょうか」
そう話すのは、三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社で農薬のマーケティングを担当している山田善造(やまだ・ぜんぞう)さん。山田さんは農学部出身。小学生の頃から植物と生物に興味を持ち、その後もずっと植物の病気・害虫と農薬の効果について研究を重ねてきたベテランです。
社会人になった1990年代からは農薬の営業をしながら、全国各地の農業試験場に足繁く通い「農薬にいま求められている効果はなにか」を農家の目線から探り、薬剤の改良のために様々な提言をしてきました。
「農薬には大きく分けて化学農薬と生物農薬があるのはご存じの通り。速効性や強力な効果の広さを謳った化学農薬が多く発表されていることもあり、農作物を守り、収量と質を安定させるため、そういった化学農薬に信頼を寄せている生産者の方も多いことでしょう。一方で、害虫が食べた後に体内から組織を壊して害虫を防除する生物農薬に対しては効き目が遅いというイメージをお持ちかもしれません。でも実際は様々な改良を行うことで、素早く効く生物農薬も多く発売されているのです」
山田さんは、作物の種類はもちろん、生産している地域や季節に合わせて化学農薬・生物農薬から最適なものを選び、組み合わせて使うことが効果的だと話します。
「ベテランの生産者の方はもう実感されていると思いますが、同じ農薬を続けて散布すると害虫は農薬に対する感受性が徐々に低下していきます。特にコナガは薬剤抵抗性を獲得しやすい害虫です。そのため『以前と同じように散布しているのに効きが悪い気がする。ほんとうに大丈夫かな……?』という状況が起こり得るのです。」
だからこそ、複数の農薬を組み合わせて散布するスケジュールを組むことが、かつて以上に大切になっていると山田さんは話します。
唯一のオイルベースのフロアブル製剤が持つ、他に類を見ない速効性と確実性
そこで常備薬的に使用を推奨するのが微生物殺虫剤『サブリナフロアブル』。BT(バチルス・チューリンゲンシス)剤の生物農薬です。サブリナはコナガなどチョウ目の害虫に高い防除効果を発揮するのはもちろん、散布適期が長く、作物に汚れがつきにくい特長を持っています。
「サブリナフロアブルは新しい製品ではありません。発売は2007年。特長はレタスやキャベツの主要害虫の一つであるコナガによく効くという点。またアワノメイガなどにも効果的で、ハトムギやトウモロコシの生産者さんにも活用いただいています」
その他にも使える農作物の種類が多く、散布回数の制限がないため、様々な場面で活用できます。また、混合できる農薬の種類も多く、他の薬剤とともに使うことで作業効率が上がり、より効果も見込めると山田さん。
さらに、JAS(日本農林規格)で定める有機農産物や特別栽培農産物に使用しても、農薬としてカウントされないという特長もあります。品質を維持しつつ、消費者の皆さんに品質の高い野菜を提供することができます。
「なにより大きな特徴が、『オイルベースのフロアブル製剤』であるということです。作物にしっかり広く付着し、流れ落ちにくい。梅雨時期は、晴れ間に気温が上がると害虫が一気に発生します。そのため、雨間散布は重要なのですが、雨がすぐに降ることを考えると農薬散布には消極的になってしまいがち。オイルフロアブルならその点でも流れ落ちにくく、効果が期待できるのです」
さらにこの「オイルフロアブル製剤」という特長が孵化直後のコナガにも高い効果を発揮することが、近年行われた実証実験で明らかになりました。
コナガは孵化すると、葉肉内に食入して2~3日の間、食害をもたらします。そして成長した後、葉裏へ出て葉を食べ始めます。一般的なBT剤は、成長後に葉裏に出る際にコナガが有効成分を摂取して、体内で効果を発揮し始めます。
それに対してサブリナは、孵化直後の、葉に潜る前に効果を発揮し、コナガが死亡するのです。そのため早く効き、その結果、葉に穴が空く被害や葉肉内の食害を減らすことができます。
「生産者さんからは『サブリナを処理するとコナガが早く死ぬ』といってもらえます。効果の早さ、確実さを実感していただけています」
農薬のスタンダードへ、「サブリナフロアブル」の確かな実力
農林水産省が打ち出した「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに目指す姿として「化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減」「有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大」といった内容が盛り込まれています。
(参考:農林水産省「みどりの食料システム戦略」)
化学農薬の使用量を低減しつつも、生産現場ではこれまで通りの収量と品質を保つことが求められるため、効果の高い生物農薬をいかに活用するかが重要なカギになることでしょう。前述のようにサブリナは孵化直後のコナガから効果を発揮して防除できます。今後、葉物野菜の栽培ではより存在感を増していくだろうと、山田さんは期待を寄せます。
「人畜に対する安全性が高いので、農業者側も安心して使っていただけるでしょう。また、ターゲットとしている害虫以外は影響を受けない点も生物農薬の特長です。つまりコナガやヨトウムシは防除しますが、有益昆虫であるハチなどにはほとんど影響がありません」
みどりの食料システム戦略に掲げられているように、有機農業の割合が拡大すれば、有益昆虫を活用した農法を取り入れる生産者は今よりも増えるはず。そこではサブリナが常備薬として使ってもらえるはず、と山田さんは考えています。
「農薬には珍しいスタンドパウチのパッケージは、使用後の容器を小さく丸めて捨てられるため、廃棄容量も少なくて済みます。人にも環境にも、そして営農にもやさしいサブリナ。今後、より普及が進み、農薬のスタンダードとなれるよう注力していきます」
お問い合わせ
サブリナ普及会
サンケイ化学株式会社
[事務局]三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社
東京都中央区日本橋1丁目19番1号
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