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業界のイメージを払拭!スマート酪農で活路を見出すとある牧場の挑戦にせまる

業界のイメージを払拭!スマート酪農で活路を見出すとある牧場の挑戦にせまる

島根県の中南部に位置する飯石郡(いいしぐん)飯南町(いいなんちょう)。同町から松江市宍道町(しんじちょう)に延びる国道54号は「出雲神話街道」という愛称で呼ばれ、周辺には神話の舞台にふさわしい深い山や清流の自然が広がっています。そんな飯南町で2010年から事業をスタートし、最新機器の導入・新牛舎の建設などで酪農のスマート化を推進してきたのが株式会社来島(きじま)牧場です。今回は現場の若手女性スタッフを訪問。普段の仕事ぶりや、同牧場を選んだ決め手などを聞きました。

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1000頭飼育を目指して、誰もが働きやすい環境を整備


来島牧場の設立は2010年。牧場を経営する家に育った灘尾和也社長が、飯南町の放し飼い式牛舎(フリーストール)を土地ごと買い取り、乳牛200頭から酪農をスタートしました。以降は徐々に規模を拡大し、高齢化が進む地域を盛り上げようと、地域で古くから盛んだった和牛生産を復活させる目的で和牛子牛の飼養にも着手。現在は広大な敷地に牛舎9棟(子牛用の哺育牛舎を含む)、堆肥舎6棟、従業員用の寮3棟などが建ち並び、600頭の搾乳牛と、育成牛・乾乳牛(分娩に備えて搾乳を止めている牛)・和牛子牛あわせて160頭が飼育されています。1日に生産されるミルクは20tにも及びますが、今後は生産量を更に向上させるべく、1000頭を目標に牛を増やす予定だそうです。

牛舎内では餌寄せロボットが定期的に稼働し、昼夜を問わず牛に十分な餌を供給

その目標を達成するための手段として、新牛舎の建設に合わせて、最少人数で搾乳ができる「ロータリー式搾乳ロボット」や、一定の温度・適正な量のミルクを子牛に供給できる「自走式哺乳ロボット」、飼料ロスを減らす「自動餌寄せロボット」などの最新機器を導入。2024年4月から全面的に稼働が始まり、大幅な省力化につながっています。

暑さ対策のために大型ファンなどを導入。牛に優しいマットも敷設しています

酪農従事者が全国的に減少する中、来島牧場は貴重な労働力である女性スタッフの働きやすさに着目。体力面を補えるように、スマート酪農に取り組んだのだそう。実際に同牧場の従業員は約半分が女性で、みなさんいきいきと働かれています。

牛を日々観察して大事に飼育する。来島牧場の方針に共感したことがきっかけ

従業員の曽田春奈さん。休日は実家でくつろぐようにしていますとのこと。

曽田さん

乳牛のくりくりした愛くるしい目、同じように見えて実はみんな性格や表情が違うところが、たまらなく好きなんです。

牛への愛情をそんなふうに表現してくれたのは、来島牧場で入社6年目を迎えた曽田春奈(そたはるな)さんです。出雲市で生まれ、「大好きな動物と関わる仕事をしたい」という思いから地元の農林学校に進んだ曽田さんは、高校入学時に乳牛に一目ぼれし、高校時代のインターンシップ先で酪農家になる夢を持ちました。酪農家を目指して北海道の帯広畜産大学に進学し、家族が近くにいる安心感や地元貢献への思いからUターンで就職しました。

曽田さん

初めは家族経営の小規模な牧場で働きましたが、少しずつ興味があった繁殖の経験を積みたいと思い始めたんです。そこで紹介されたのが来島牧場。ここで働こう!という決め手になったのは、灘尾社長の考え方に共感できたことですね。

と曽田さん。飼育する牛が多くても、一頭一頭を日々しっかり観察して変化に気づく。その姿勢をスタッフ全員で共有する。この「牛を大事に飼う方針」の徹底があったからこそ、社長自身「今日まで順調に経営してこられたんだと思う」と話されるそうです。

乳牛600頭の搾乳を女性スタッフ2人で担当できるワケ

一頭ごとに仕切りが設けられた搾乳ロボット。円形ターンテーブル上で搾乳が完了します

曽田さんの1日の始まりは早く、午前4時45分に敷地内の寮から牛舎に集合します。主に担当するのは搾乳作業。朝(5時~9時半)と夕方(15時20分~19時半)が実働時間で、お昼前後の約5時間は休憩です。乳牛600頭の搾乳は重労働なイメージですが、

曽田さん

今年から導入された搾乳ロボットのおかげで、女性2人でもラクに作業できるようになりました。

と曽田さん。この最新ロボットは、ロータリー内に入った牛の乳頭の位置を3Dカメラで確認、ロボットアームでミルカーを装着、牛が一巡する間に搾乳が終わるという画期的な仕組み。西日本の牧場では、来島牧場がいち早く導入したものだそうです。

曽田さん

以前は搾乳前の前搾りがすべて手作業だったので、ひどい腱鞘炎になっていました。今の搾乳頭数は当時の倍ですが、体の負担がかなり減りましたね。周りのスタッフも体力的なことを一番喜んでいます。

搾乳状況をリアルタイムで確認。それぞれの牛の個体情報も一目で分かります

また、個々の牛の首輪に付けられたセンサーには搾乳量や反芻時間、歩数などの情報が記録され、Wi-Fiで飛ばしてデータ管理しています。曽田さんはそれらを参考に、牛の様子を観察しながら人工授精のベストなタイミングを計るのだそう。

曽田さん

入社後すぐに家畜受精卵移植師の資格を取り、繁殖業務を任せてもらいました。受胎率があがると自分の技術の向上も実感できます。やりがいが大きいですね。

と嬉しそうに話してくれました。

見学・体験はいつでもOK!若手スタッフが対応します

来島牧場で働くスタッフは20代~30代と若手が中心。以前は介護職に携わっていた方、農業高校で別分野を専門に学んだ方など、いろんな経歴の仲間が集まっています。また、いずれは和牛農家として独立するために和牛子牛の飼養に従事している人や、削蹄師(さくていし)を目指して牛の爪を切る練習を重ねている人など、それぞれが自身の目標を掲げて働いています。
「未経験だけど酪農に興味がある」「動物と接して働きたい」などの思いをお持ちの方は、来島牧場に一度足を運んでみませんか。インターンシップへの参加は随時OK。1日見学だけでも、敷地内の寮を利用して一定期間滞在し、搾乳・哺乳・給餌(きゅうじ)などの作業を体験することも可能です。牛への細やかな愛情を大切にしながら、IT技術・ロボット技術の導入でこれからの酪農・畜産業に取り組む来島牧場で、理想の働き方が見つかるかもしれません。

取材協力先

株式会社 来島牧場
〒690-3402 島根県飯石郡飯南町下来島2735
TEL:090-6709-7793
MAIL:kijimafarm@iinan-net.jp

来島牧場:http://kijimafarm.wix.com/kijimafarm
来島牧場 インスタグラム:https://www.instagram.com/kijima.farm/

来島牧場紹介ムービー

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