マイナビ農業TOP > 食育・農業体験 > 介護食って?高齢者食との違い・種類・作るときのポイントなど解説

介護食って?高齢者食との違い・種類・作るときのポイントなど解説

Manap

ライター:

介護食って?高齢者食との違い・種類・作るときのポイントなど解説

年齢を重ねてくると、食欲も低下したり、飲み込む力もなくなってしまうなど、心配なことが増えてきます。そんなときに利用されるのが介護食です。介護食には、食べるための力がなくなってしまっても栄養を摂取できるような工夫がされています。今回の記事では、介護食の種類・介護食の作るポイント・介護食のおすすめの資格講座などについて紹介していきます。

twitter twitter twitter

介護食とは?


介護食とは、どのような食事なのでしょうか?高齢になるにつれて、今まで普通にできていたような、食べ物を噛む・飲み込むことが難しくなることがあります。

それが食欲の低下や、食べ物が気管に入ってしまう嚥下に繋がってしまい、健康を脅かす原因になってしまうのです。それでも、栄養はしっかり取らなくてはいけません。

そのために、噛みやすく・飲み込みやすく調理のやり方を工夫したものを介護食と言います。例えば、噛む力が低下しているのならやわらかさを調整したり、飲み込みにくいと感じているなら食べ物にとろみをつけてまとまりやすくしたり、というような工夫をします。

食べる機能が低下したとしても、美味しさを感じられることが、生きていくために必要なことなのです。

高齢者食との違いは?


介護食以外にも、高齢者食というものがあります。この2つの違いは何なのでしょうか?

高齢者食とは特別何か工夫をしたような食事ではなく、加齢とともに起こる体の変化に合わせた食事のことです。調理の仕方や味付け次第では、家族で同じものを食べることもできます。

その調理の工夫とは、食べやすさへの配慮や唾液が少なくなるなどの機能低下を補うようなメニュー、食欲低下を防ぐための彩りや盛り付けなどです。体の状態に応じて食べるための工夫をすることで、低栄養を防ぐことができます。

その結果、介護予防に繋がるのです。介護食との違いは、まだ噛むことや飲み込むことは難しくないけれど、より食べやすく、栄養低下を防ぐための食事ということになります。

介護食の種類は?

刻み食

介護食にはいくつか種類があります。まず、通常の大きさの食べ物を2~3mmに細かく刻んだものが「刻み食」です。

細かくなっているので、噛む回数が少なくて済みますし、そこまで力も必要ありません。刻み食は、飲み込む力はあるけれど噛む力が弱いという人に向いています。

口の中でまとまりにくいパラパラするような料理は、とろみをつけることで誤嚥を防ぐことができます。

やわらか食

食べ物を柔らかくなるまでしっかり煮込んだり、食材をミキサーにかけてから固めたりしたものが「やわらか食」です。その柔らかさの状態も様々で、歯茎や舌で簡単につぶせる程度の柔らかさから、ほとんど噛まなくてもいいほどのものまであります。

やわらか色は、胃が食べ物を消化しやすくなるというメリットもあります。噛む力が低下しているけれど飲み込むことは大丈夫な人から、両方の力が低下している人にもおすすめです。

ミキサー食

食べ物をミキサーにかけ、ドロドロとしたポタージュのようにしたものが「ミキサー食」です。果物や野菜をミキサーにかけたような、スムージーに似ています。

ドロドロしており、食べ物がまとまりやすいため、噛む力もほぼなく飲み込むことも難しい人に最適な形状です。

ゼリー食

通常の食事や、やわらか食をミキサーにかけてペースト状にし、ゼラチンや寒天などを加えてゼリーのようにしたものを「ゼリー食」と言います。栄養を摂取する感覚としては、ゼリー飲料のようなものに近いです。

噛むことはできても、飲み込みなどが難しいような嚥下機能に重度の障害がある人に最適です。

介護食を作るときのポイントは?

不足しがちな栄養素を補うようにする

高齢者は、食欲が低下したり、今までよりも食べにくくなったことから栄養不足になりがちです。なので、メニューを考える場合は、より栄養バランスを考える必要があります。

特に、タンパク質、カルシウム、食物繊維、ビタミンが不足しがちとなっており、これらの栄養素を豊富に含む食材を使用し、栄養不足の解消を図ることが重要です。

タンパク質は卵、肉、魚、豆類
カルシウムは牛乳、チーズなどの乳製品、しらす、豆腐
食物繊維はごぼう、いも類、海藻類
ビタミンはレバー、緑黄色野菜、しじみ、魚
など色々な食材にたくさんの栄養素が含まれていることがわかります。

色々な食材を使用し、栄養不足を解消しつつ、食事を更に楽しめるようなメニュー作りをしましょう。

噛みやすいものにする

高齢者が栄養不足になる背景に、歯や口周りの筋力の低下が挙げられます。筋力が低下することで、噛みにくさに繋がってしまうのです。

普通食はしっかり噛めることが大前提であるため、噛むことが難しくなると、飲み込みにくくなりますし、さらに食欲も低下してしまいます。少しでも噛みやすくなるように、食べやすい大きさに切ったり、イカなど噛み切りにくいものには切れ目を入れたりするなどの工夫が必要です。

少し工夫するだけで、ぐっと噛みやすさが増しますよ。

飲み込みやすいものにする

噛む力と同時に、高齢者は飲み込む力も低下しています。そのためにも工夫が必要です。

例えば調理している段階で、
・しっかりと加熱をして食材を柔らかくしする
・誤嚥を防ぐために片栗粉でとろみをつける
・ゼラチンで飲み込みやすい程度の固さに固める
などの工夫をしましょう。

ちょっとの手間で工夫することによって、より食べやすくなるのです。

塩分を抑える

高齢者の中には、高血圧で通院しているという人が多くいます。年齢が上がるにつれて血圧が高くなりますし、普段から塩分には気を付けているという人も多いでしょう。

やはり、薄めで、素材の味を活かした味付けを心がけるのが重要です。でも、あまりにも薄すぎると食べたときの満足感が減ってしまうということがあるので、食べる人の好みに合わせて塩分をコントロールすることが大切です。

現在高血圧で悩んでいる人はもちろんですが、予防したいと考えている人にもおすすめですし、普通食の人でも心がけたいことの1つです。

スマイルケア食について

スマイルケア食とは?

スマイルケア食とは、介護食のさらなる普及を目指し、農林水産省が提案する新しい介護食のことを言います。これまでの介護食は、利用者の噛む力や飲み込む力に適した食事を提供し、「安全に食べられる」ことが目的としていました。

食事が原因の事故を避けるためでもあります。でも、安全ばかりに配慮していると、美味しく食べられるかどうかは二の次になってしまうという欠点がありました。スマイルケア食は、食べやすさはもちろんですが、味付けや見た目にもこだわった食事を目指しています。

食べる人が美味しく、楽しく食べられるようにレシピを工夫することで、種類が少なかった市販介護食よりもメニューがたくさんできるようになったのです。グラタンやリゾットなど、見た目が美味しそうでおしゃれな主食、ゼリーなどのデザートにも対応しているので、利用する人の好みに合わせて色々なメニューを選べるようになりました。

同じ人間なのですから、美味しいものを食べられることが1番嬉しいことです。スマイルケア食がどんどん普及することで、介護食を利用している人がこれまで食べられなかったようなものを自由に食べられるようになります。

色々なものが食べられることで、食欲が進み、栄養もしっかり摂れるようになるなどの改善効果も期待されています。

スマイルケア食の分類

スマイルケア食は、噛む力や飲み込む力に応じて、食品のやわらかさや形状をもとに7つのタイプに分類されています。

どの食事がいいのかわかりやすくなっているのです。
・簡単に、弱い力でも噛める
・歯茎でつぶせる
・舌でつぶせる
・介護予防のための食品
・ペースト状の食品
・ムース状の食品
・ゼリー状の食品
の7つです。

どれも簡単に食べられそうなものばかりです。このうち4つは、スマイルケア食で新たに追加されたものとなっています。

スマイルケア食で追加された食品区分

スマイルケア食で新たに追加されたものについて、詳しく見ていきましょう。

介護予防のための食品

噛む力も飲み込む力も問題がない人が対象で、主には介護予防を目的としています。健康面で問題なくても、栄養がしっかり摂れているかどうかが不安だったり、血圧に悩んでいるという人が多くいます。

そのため、栄養バランスが整っており、味付けも塩分控えめな優しい味付けのものとなっています。

ペースト状の食品

なめらかな状態のおかゆや、やわらかいペースト状の食品などが挙げられます。ペーストなので、完全に食べ物の形状がなくなってしまったというわけではありません。

とろみがしっかりついているので、粒があっても口の中でまとまりがよく、飲み込みやすくなっています。

ムース状の食品

粒がなく、なめらかなムース状の食品です。噛む必要がなく、少しずつそのまま飲み込めるようになっています。

栄養もしっかり含まれているので、噛む力が弱くなっていても栄養の摂取がちゃんとできます。

ゼリー状の食品

粒がなく、なめらかなゼリー状の食品です。普通のゼリーのように、スプーンですくって食べることができます。

おかずとしての使用はもちろんですが、デザートとしても楽しむことも可能です。

まとめ

介護食となると特別な食事に感じますが、実際は食べやすく工夫を凝らした食事なのです。栄養面も味も整っており、普通食にも活かせることが多いです

それに、食べるのも人間ですから、楽しく食べるための工夫が必要となるでしょう。

介護食を本格的に学んでみたいという場合は、通信講座を利用してみてはいかがでしょうか?

おすすめの食育資格講座

食育インストラクター

食育インストラクター
スクール名 がくぶん
目指せる資格 食育インストラクター
料金(税込) オンライン学習:39,900円
教材パックコース:45,400円
サポート期間 12ヶ月
学習方法 オンライン学習・テキスト学習
指導回数 6回

食育インストラクター講座は自宅で学べる通信講座なので、育児やお仕事で忙しい方でも自分のペースで進められるのが嬉しいポイントです。講座内容は、食育の第一人者・服部幸應先生が監修しており、信頼性も抜群。さらに、専門講師からの丁寧な添削やアドバイスを受けられるため、学習をしっかりサポートしてもらえます。受講期間を無料で延長できるので、忙しい日々の中でも安心して資格取得を目指せる講座です。

>>【公式HP】がくぶんの食育インストラクター | 簡単無料の資料請求はこちらから

食育メニュープランナー

食育メニュープランナー
スクール名 ヒューマンアカデミー
目指せる資格 食育メニュープランナー
料金(税込) 24,200円
標準学習期間 6ヶ月
在籍期間 12ヶ月
学習方法 テキスト・レポート提出
添削回数 4回
試験会場 在宅
資格試験 レポート提出のみ

食育メニュープランナーの講座内容ですが、基本的には主に一汁三菜を基本に、食の知識バランスの良い献立の立て方などを学んでいく事になります。栄養学はもちろん、食文化に関しての知識も学びます。

こういった食べ物に関する、ありとあらゆる事を学ぶのが食育メニュープランナー養成講座です。知識だけでなく、朝食に相応しいレシピやバランスを考えた調理法など、料理に関するテクニックを学ぶ事もできます。

講座というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、食育メニュープランナー養成講座は食べる事の大切さや楽しさを学べる講座です。食べ物の選び方や食べ方、調理法など普段の生活に役立つ事も学べるので主婦の方にも人気があります。

>>【公式HP】ヒューマンアカデミーの食育メニュープランナー | 簡単無料の資料請求はこちらから

食生活アドバイザー

食生活アドバイザー
スクール名 ユーキャン
目指せる資格 食生活アドバイザー
料金(税込) 39,000円
標準学習期間 4ヶ月
学習方法 テキスト・添削あり
添削回数 3回
試験 年2回

食生活アドバイザーの資格取得には、ユーキャンの通信講座がおすすめです。この講座は主催団体が認定しており、試験に出やすいポイントを絞った内容で効率よく学べます。メインテキストはたった2冊で、1レッスン数ページというシンプルな構成なので、初心者でも無理なく取り組めるのが特徴です。また、イラスト入りで楽しく学べる点も好評です。副教材のポイントBOOKや学びオンライン プラスを活用すれば、スキマ時間や通勤中にも手軽に復習ができ、知識をしっかり定着させられます。9割以上が未経験からスタートしているので、初心者でも安心して受講できますよ。

>>【公式HP】ユーキャンの食生活アドバイザー通信講座 | 簡単無料の資料請求はこちらから

食育アドバイザー

食育アドバイザー
スクール名 キャリカレ
目指せる資格 食育アドバイザー
料金(税込) WEB申込で29,800円
標準学習期間 3ヶ月
サポート期間 WEB申込で700日
学習方法 テキスト・レポート提出
添削回数 4回
試験会場 在宅
資格試験 レポート提出のみ

食育アドバイザーは、栄養学や食育の正しい知識を身につけたスペシャリストです。安くて美味しい食べ物はたくさん溢れていますが、その中から安全なものを選択する知識栄養バランス健康を考えた献立を実践する力を身につけます。家庭で実践することはもちろん、食の大切さを多くの人に伝えて、正しい食生活を指導することが可能です。近年では、食育アドバイザーは食育の普及と推進を担う力として期待されています。

>>【公式HP】キャリカレの食育アドバイザー | 簡単無料の資料請求はこちらから

まずは資料請求から


資格講座の資料を取り寄せてみませんか?資格・通信講座のサイトから資料を取り寄せることが可能です。

合うか合わないかを確認する方法として、実際に講座の教材のサンプルを確認して、自分に合うかチェックすることをおすすめしています。講座を申し込む前に、まずは資料請求をして確認してみてはいかがでしょうか?

広告

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する