ズッキーニって?
ズッキーニの基本情報
ズッキーニはウリ科カボチャ属に属し、見た目はキュウリに似ていますが、実はカボチャの仲間です。名前はイタリア語で「小さいカボチャ」を意味し、北アメリカ南部やメキシコが原産地と言われています。日本では1980年代から広まり、使い勝手の良さから需要が伸びて今や夏の食卓に欠かせない存在です。花が咲いてから3~4日後の未成熟の実を食用とします。旬の時期は6月〜8月ですが、年間を通じて手に入ります。
ズッキーニはほのかに甘く、独特の歯応えが人気。クセが少なく淡白な味わいで、さまざまな料理に使えるのが魅力。皮も柔らかいのでむかずにそのまま食べられます。水分が多く低カロリーなので、おかずのボリュームアップにも重宝します。
特に栄養が豊富な野菜ではありませんが、カリウムの含有量は比較的多めで、カリウム以外では、βカロテンやビタミンCなども含まれています。
保存する場合は乾燥に注意!新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。4~5日保存できます。
ズッキーニの種類
ズッキーニには、色や形が異なる多くの種類があります。一般的な緑や黄色の細長いタイプに加え、丸い形のものや円盤型のUFOズッキーニ、更に花がついた花ズッキーニも見られます。見た目も楽しめるのがズッキーニの魅力ですが、淡白な風味がどんな料理にもなじむので、用途に合わせて選ぶ楽しさもあります。
ズッキーニは家庭菜園に向いている?
ズッキーニは家庭菜園でも育てやすく、初心者にもおすすめの野菜です。種から育てる場合は、発芽適温が約25℃のため、3月下旬〜5月頃に種まきをします。苗から植える場合は、4月下旬の遅霜が終わってから5月下旬までがおすすめです。
植え付け後は広いスペースと支柱が必要ですが、手入れ自体は簡単です。更に、ズッキーニは水分を多く含むため、乾燥しないようにたっぷりと水やりをすることがポイント。成長が早いので、うまくいけば6月〜8月に収穫時期を迎えます。
ズッキーニの種類5選
ズッキーニ(緑色)
ズッキーニ(緑色) | |
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特徴 | 見た目は細長くキュウリに似ている やや青臭さがあるが生でも食べられる |
旬の時期 | 6月〜8月 |
代表品種 | ダイナー グリーンボート2号 ゼルダ・ネロ KZ-2 など |
緑色のズッキーニは見た目は細長くキュウリに似ていますが、果肉はしっかりと詰まっており、厚みがあります。カボチャの仲間で少しコクのある味わいが魅力です。少し青臭さがあるため、どちらかと言えば加熱調理に向いていますが、サラダや浅漬けなど生でも食べられます。皮の食感が気になる場合は皮をむいたり薄切りにしたりすると良いでしょう。アクはそれほど強くないため下処理をしなくても食べられますが、えぐみが気になる場合は水にさらしたり塩もみしたりすると食べやすくなります。味にクセがないので、炒め物や煮物などさまざまな料理に使えます。水分が多いので、大きめにカットして、じっくり油で炒めたりオーブンで焼くことでジューシーな食感を楽しめます。薄切りにしてサッと炒めればサクサクした食感になり、調理法によって変わる食感も面白いです。色も鮮やかな緑色なので、料理に彩りを添えてくれる万能野菜です。
ズッキーニ(黄色)
ズッキーニ(黄色) | |
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特徴 | 味が淡白で青臭さが少ない 緑のものより皮が柔らかめなので生食にも向いている |
旬の時期 | 6月〜8月 |
代表品種 | オーラム イエローヤングマン イエローボート エレノア など |
黄色いズッキーニは、鮮やかな黄色の皮が特徴で、緑色のズッキーニに比べると味が淡白で青臭さが少なく、どんな食材とも合わせやすいことが魅力です。皮も柔らかく、青臭さが少ないため、生のままサラダやマリネにするのもおすすめです。緑色のものと同様に、加熱すると、内側がとろりと柔らかくなりつつも、外側の歯応えが残るため、炒め物や煮込み料理にも向いています。
丸ズッキーニ
丸ズッキーニ | |
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特徴 | 直径5~15cmほどの球形をしている 皮の色は緑や黄色、薄緑とさまざま |
旬の時期 | 6月〜8月 |
代表品種 | パリーノ・ネロ パリーノ・オリーブ パリーノ・ジャッロ パッローネ など |
丸ズッキーニは、直径5~15cmほどの球形をした、見た目がユニークなズッキーニです。果皮の色は緑や黄色、薄緑とさまざまで、見た目も鮮やかです。味は一般的な細長いズッキーニとあまり変わりませんが、未熟なうちに収穫するため果肉はみずみずしくやわらか。 調理方法は一般的なズッキーニと同様で、炒め物やグリル料理などにぴったり。また、球体の形を生かして、中身をくり抜き肉詰めにするレシピもおすすめです。
UFOズッキーニ
UFOズッキーニ | |
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特徴 | 円盤のようなユニークな形が特徴 色は白、黄色、緑、薄緑などさまざま |
旬の時期 | 6月〜8月 |
UFOズッキーニは、まるで円盤のようなユニークな形が特徴のズッキーニです。品種によってさまざまな色がありますが、どれも見た目がカラフルで、料理の彩りにぴったりです。
このズッキーニは育ちすぎると種が硬くなる特徴がありますので、家庭菜園で育てたものを収穫する場合には、果実ができ始めてまだ若い間に収穫すると良いでしょう。
一般的なズッキーニ同様、果肉はとてもジューシーで、加熱すると甘みが引き立つので、炒め物やグリル料理などに向いています。また、ある程度熟しているものは種の部分をくり抜いて、詰め物をする料理に使うと良いでしょう。形の面白さを生かして、中にひき肉を詰めてオーブンで丸ごと焼いたり、ホワイトソースを入れてグラタンの器として使うのもおすすめです。
花ズッキーニ
花ズッキーニ | |
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特徴 | 開花直前を収穫した花つきのもの 生食ではなく、揚げるなど加熱調理する |
旬の時期 | 6月〜8月 |
代表品種 | パリーノ・ネロ パリーノ・オリーブ パリーノ・ジャッロ パッローネ など |
花ズッキーニは、果実が成長する前に収穫した花付きの幼果、または花のこと。日本ではあまり流通していませんが、イタリアやフランスでは一般的な食材です。雌花には小さな実(幼果)が付き、雄花には実がありませんが、どちらも食べることができ、味に大きな違いはありません。ほんのりとした甘味と僅かにカボチャの風味が感じられます。花は濃い黄色でサイズは6~8㎝程度。新鮮なものは花びらに張りがありみずみずしいのが特徴です。基本的には開花前に収穫し、雌花の場合は成長前の幼果と一緒に食します。幼果はズッキーニの種類によって、緑色のものと黄色のものがあります。出回る時期は5月下旬から7月ごろ。一般に広く食べられている野菜ではないので流通量も少なく、主に直売所などで販売されています。
調理するときは花の中の雌しべや雄しべを取って、水を張ったボウルの中で軽く洗いましょう。食べ方はそのままフリットにしたり、花の中にチーズや肉を詰めて揚げたりして食べるのがおすすめ。生のままサラダに入れることもできます。幼果と一緒にパスタやリゾットの具材にしても。華やかな見た目と繊細な味わいが楽しめます。あまり日持ちがしないので、なるべく購入したらその日に調理するのが良いですが、すぐに使わない場合はポリ袋などに入れて乾燥を防ぎ、冷蔵庫の野菜室へ。1~2日程度で早めに食べるのがベストです。
まとめ
使い勝手の良さから近年、需要が伸びてきている野菜のひとつであるズッキーニ。緑や黄色の細長いタイプ、丸ズッキーニ、UFOズッキーニ、花ズッキーニなど多彩な種類が楽しめる野菜です。クセが少なく、さまざまな調理方法に向いているため、料理の幅を広げることができます。イタリア料理やフランス料理だけでなく、天ぷらや浅漬け、みそ汁などの和食にもよく合い、使い勝手の良い野菜です。薄くスライスすれば生食でもおいしいので、生のままサラダなどにも使えます。また、ズッキーニは初心者でも家庭菜園で育てやすく、家庭での栽培にもおすすめ。用途や好みに合わせて選び、料理を楽しんでくださいね。
【監修】
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■宮地 香子(みやじ・きょうこ) 横浜市在住。教育出版社勤務の後、野菜ソムリエプロに。アスリートフードマイスター2級、冷凍生活アドバイザー、受験フードマイスターの知識も生かして、子供からご高齢の方々まで広い世代に野菜の魅力を伝えます。 【保有資格】 野菜ソムリエプロ アスリートフードマイスター2級、冷凍生活アドバイザー、受験フードマイスター、メンタルフードマイスター2級 野菜の知識を深める資格の取得|日本野菜ソムリエ協会 野菜ソムリエカンパニー |
<参考文献・参考URL>
・文部科学省「食品成分データベース」
・野菜情報サイト「野菜ナビ」ズッキーニ
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