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理想の売上げ規模は100億~200億円 カリスマ経営者が開く農業の未来

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

理想の売上げ規模は100億~200億円 カリスマ経営者が開く農業の未来

澤浦彰治(さわうら・しょうじ)さんが率いる農業法人、グリンリーフ(群馬県昭和村)がグループ全体で100億円の売上高への成長を視野に入れた。野菜がメインの農業法人としては異例の規模。なぜそれが可能になったのか。どんな経営を目指すのか。澤浦さんに話を聞いた。

さらなる発展のテコは新工場

グリンリーフはコンニャク芋やホウレンソウなどさまざまな野菜を育てているほか、コンニャクや漬物などの加工も手がけている。グループ会社には、仲間の農家たちから野菜を仕入れる野菜くらぶ(昭和村)がある。

グループの売上高は2025年2月期で57億円で、26年2月期には64億円を見込む。さらに向こう10年で100億円への拡大を視野に入れている。農業界において、澤浦さんはカリスマ経営者というべき存在だ。

成長のテコになるのが、本社の敷地内で2024年11月に完成した新工場だ。3階建てで、床面積は5000平方メートル。料理に必要な食材を半加工状態のセットにするミールキットのほか、冷凍野菜や惣菜なども製造している。

「自分で作った作物の値段を自分で決めることができない。そんな状況を変えたかった」。インタビューで、澤浦さんはコンニャクの加工に乗り出したときのことをこう振り返った。30年あまり前のことだ。

そのころ、コンニャク芋の相場の暴落で打撃を受けており、背水の陣での加工進出だった。事業の次の展開についての今回の取材で、あえてこの逸話を語った意味は大きい。澤浦さんにとって変わらぬ原点なのだ。

ミールキットの新工場

農学の教えを徹底して技術向上

ここで澤浦さんの原点について改めて考えてみたい。

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