美しい海と山に囲まれたいちごの町

北海道では比較的温暖な気候で、雪も少なく暮らしやすいと言われる「豊浦町」。札幌へは車で約2時間、函館は2時間半ほど。新千歳空港や世界にも注目されているリゾート地ニセコ、登別温泉へもアクセスしやすいエリアです。
「豊浦は海と山に囲まれた自然が豊かな町。いちごはもちろん、ホタテや豚肉の産地としても有名です。一次産業が盛んですね」と話すのは豊浦町役場 農林課の朽葉昌生(くちば まさお)さんです。

農林課の朽葉昌生(くちば まさお)さん
北海道では「いちごといえば豊浦」なのですが、それを支えている農家はわずか二十軒程度というのが現状です。「これではいけないと、他地域からいちご農家を目指す人を『地域おこし協力隊』として募集する活動を継続して行っています」。
- 夫婦で(パートナーと)就農を目指す2人1組で実施される研修制度
- 任用職員として町から給料をもらいながら3年間実務を学べる
- 新規就農研修拠点『いちご分校』とベテラン農家(親方)の農場で実地研修
- 豊浦町初期投資助成(最大250万円/1組※経費の1/2)を受けられる
※他にも国の支援制度などを活用可
では、実際に現在、協力隊として修行中の夫婦に話を伺ってみましょう。
「いちごなら、豊浦だ!」研修内容の充実も決め手に

豊浦町への移住を機に結婚した中島正人さん(27)、望さん(30)ご夫婦
研修を開始してから約1年半となるのが中島正人さん(27)、望さん(30)ご夫婦です。
正人さんの転勤が近くなり、当時恋人同士だったふたりは将来について相談。
「札幌よりも地方で基幹産業となる農家をしたいね」という結論に至ったそうです。
「北海道でいちごなら豊浦だ!」と考えた夫婦は情報収集を開始。

廃校を活用した研修施設「いちご分校」
ふたりは豊浦町への移住を機に結婚し、夫婦となりました。早速、町の人たちが祝福のBBQを行ってくれたそうです。
「ふたりで来たのが良かった」支え合いながらノウハウをつかむ
「夫婦で移住しているから、悩んでも相談できるのが私たちにとって良かったです」という中島さんご夫婦。
「当たり前ですけど、慣れるまでが毎日本当に大変でした(笑)」と話すのは望さん。修業が始まったのは良いが、次に何をするのかわからない、親方の真似をしても上手にできない。「自分たちは本当に農家になれるのか」と悩んだ時期もあったそうです。一方、正人さんは「めちゃくちゃしんどいと思ったことはないかも」と明るく振り返ってくれました。そのバランスも功を奏したのでしょう。

収穫や出荷作業も2人で支えあいながら一緒に行います。
ちなみに3年間の研修の流れ(中島さん夫婦の場合)は…
◆1年目:親方の元でお手伝いをしながら、いちご作りを一から学ぶ
◆2年目:親方のビニールハウス2棟を使って夫婦でいちご作りを行う
◆3年目:いちご分校のビニールハウスを使って夫婦だけでいちご作りを行う
※2年目からいちご分校で作業を行うケースもあります
※他の作物(インゲン、あさつき、ユリなど)についても学びます
※繁忙期(収穫時期など)は早朝から夕方まで作業があります。閑散期の労働は短めです(降雪など状況による)
親方や先輩のサポートに感謝!「研修中はたくさん失敗します!」
周囲の人たちの存在も中島さん夫婦の支えとなりました。親方はすごいガンコ親父で毎日ガミガミ叱られると想像していたそうです。しかし実際は「めちゃくちゃ優しい。仕事はもちろん真剣ですけどね。本当のお父さんのような方で大好きです(笑)」。
また中島さんと同様、他地域から豊浦に来て就農した先輩たちも力になってくれているようです。
もうすぐ研修の最終年。親方の元を離れ、ふたりだけのいちご作りが始まる。
収穫時期が異なるため一概に比較はできないが、ふたりは「けんたろう」いちごの味は全国トップクラスだと感じているそう。
正人さんは「80年以上続いているこの宝物を自分たちも守ります。」と熱い思いを語ってくれました。
生活や就農に必要なお金のことも聞ける「まず一度、農業体験へ」
ここで地域おこし協力隊として働く3年間の待遇も紹介しておきましょう。
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■月額賃金:15万9075円/人 ※夫婦なので×2となります
■賞与年2回:年4.6カ月分/人 ※夫婦なので×2となります(R6年度実績)
■家賃補助:月5万円/組 ※実費上限
■光熱水費:月1万5000円/組
■通信費:月5000円/組
■車両借上費:月2万円/組 ※自家用車両持込要
※給与条例改正等により変更の場合有
就農時には町や国からの支援制度があるのはもちろん、町の先輩農家さんから初期費用を抑えられるような情報提供、北海道やJAさんなどの協力もあります。
知らない地域で生活をする不安はあって当然です。だからこそ同町ではまず体験(2泊3日以上が基本※応相談)への参加を勧めています。
いちご作りに興味がある方は、気軽に下記連絡先に問い合せをしてみてくださいね!
お問い合わせ
豊浦町役場 農林課農林係
北海道虻田郡豊浦町字船見町10番地
TEL:0142-83-1410
FAX:0142-83-2129
HP:https://www.town.toyoura.hokkaido.jp/
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