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北海道のブランドいちごを守る新婚夫婦。未経験で挑戦するいちご農家という生き方<世帯年収もご紹介>

北海道のブランドいちごを守る新婚夫婦。未経験で挑戦するいちご農家という生き方<世帯年収もご紹介>

広大な平野や冷涼な気候から就農場所として人気の地域「北海道」。数あるフルーツの中でも人気の作物「いちご」。その両方で成功する環境が整っているのが人口約3500人の「豊浦町」という町です。いちごの産地として80年以上の歴史があり「豊浦いちご」の名で商標登録もされています(現在はけんたろうという品種が中心)。
現在、同町では地域おこし協力隊の一員として「いちご農家」を目指す人を募集しています。本稿では、豊浦町のこと、移住に関する制度のこと、また実際に移住したご夫婦の声を紹介します。

美しい海と山に囲まれたいちごの町

北海道では比較的温暖な気候で、雪も少なく暮らしやすいと言われる「豊浦町」。札幌へは車で約2時間、函館は2時間半ほど。新千歳空港や世界にも注目されているリゾート地ニセコ、登別温泉へもアクセスしやすいエリアです。

「豊浦は海と山に囲まれた自然が豊かな町。いちごはもちろん、ホタテや豚肉の産地としても有名です。一次産業が盛んですね」と話すのは豊浦町役場 農林課の朽葉昌生(くちば まさお)さんです。

農林課の朽葉昌生(くちば まさお)さん

北海道では「いちごといえば豊浦」なのですが、それを支えている農家はわずか二十軒程度というのが現状です。「これではいけないと、他地域からいちご農家を目指す人を『地域おこし協力隊』として募集する活動を継続して行っています」。

豊浦町の地域おこし協力隊制度の特徴(抜粋)

  • 夫婦で(パートナーと)就農を目指す2人1組で実施される研修制度
  • 任用職員として町から給料をもらいながら3年間実務を学べる
  • 新規就農研修拠点『いちご分校』とベテラン農家(親方)の農場で実地研修
  • 豊浦町初期投資助成(最大250万円/1組※経費の1/2)を受けられる
  • ※他にも国の支援制度などを活用可

では、実際に現在、協力隊として修行中の夫婦に話を伺ってみましょう。

「いちごなら、豊浦だ!」研修内容の充実も決め手に

豊浦町への移住を機に結婚した中島正人さん(27)、望さん(30)ご夫婦

研修を開始してから約1年半となるのが中島正人さん(27)、望さん(30)ご夫婦です。

正人さん

自分は神奈川県藤沢市の出身です。昔から地方で暮らしたくて新卒の入社時に札幌配属を希望したんです。

望さん

私は北海道の瀬棚(せたな)という町の生まれで、進学を機に札幌に出て、保育園の栄養士をしていました。

正人さんの転勤が近くなり、当時恋人同士だったふたりは将来について相談。
「札幌よりも地方で基幹産業となる農家をしたいね」という結論に至ったそうです。

正人さん

ふたりとも農業未経験なのでまず札幌の観光農園でアルバイトをしました。そこで食べたいちごの美味しさに感動して『いちご農家』を目指そうと一致したんです。

「北海道でいちごなら豊浦だ!」と考えた夫婦は情報収集を開始。

望さん

農業経験がない人でも就農していると知りました。マイナビ農業の記事も読みましたよ(笑)。ドライブで街の雰囲気を確かめ、役場に問い合せて2泊3日の農業体験を申し込みました。定植を行う時季で仕事を手伝わせてもらい、親方や先輩の話を伺ったり、研修の流れを教えてもらったり有意義でした。決断にはそれが大きかったですね。

廃校を活用した研修施設「いちご分校」

望さん

3年たったら独立ですからね。不安は大きかったですよ。でも期間中にふたりだけでいちごを作り、その中で失敗して学べば良いと考えたんです。

正人さん

他の地域についても調べましたけど、豊浦の人たちの優しさ、海と山に囲まれた自然に触れて、自分が思い描いていた地方はここなんだなって(笑)。

ふたりは豊浦町への移住を機に結婚し、夫婦となりました。早速、町の人たちが祝福のBBQを行ってくれたそうです。

「ふたりで来たのが良かった」支え合いながらノウハウをつかむ

「夫婦で移住しているから、悩んでも相談できるのが私たちにとって良かったです」という中島さんご夫婦。
「当たり前ですけど、慣れるまでが毎日本当に大変でした(笑)」と話すのは望さん。修業が始まったのは良いが、次に何をするのかわからない、親方の真似をしても上手にできない。「自分たちは本当に農家になれるのか」と悩んだ時期もあったそうです。一方、正人さんは「めちゃくちゃしんどいと思ったことはないかも」と明るく振り返ってくれました。そのバランスも功を奏したのでしょう。

望さん

私はかがんで行う作業が得意。夫は力仕事や高所はまかせておけ!という感じで、夫婦での役割分担もできてきて、気持ちも楽になりましたね。

収穫や出荷作業も2人で支えあいながら一緒に行います。

ちなみに3年間の研修の流れ(中島さん夫婦の場合)は…

 ◆1年目:親方の元でお手伝いをしながら、いちご作りを一から学ぶ
 ◆2年目:親方のビニールハウス2棟を使って夫婦でいちご作りを行う
 ◆3年目:いちご分校のビニールハウスを使って夫婦だけでいちご作りを行う 
※2年目からいちご分校で作業を行うケースもあります
※他の作物(インゲン、あさつき、ユリなど)についても学びます
※繁忙期(収穫時期など)は早朝から夕方まで作業があります。閑散期の労働は短めです(降雪など状況による)

親方や先輩のサポートに感謝!「研修中はたくさん失敗します!」

周囲の人たちの存在も中島さん夫婦の支えとなりました。親方はすごいガンコ親父で毎日ガミガミ叱られると想像していたそうです。しかし実際は「めちゃくちゃ優しい。仕事はもちろん真剣ですけどね。本当のお父さんのような方で大好きです(笑)」。
また中島さんと同様、他地域から豊浦に来て就農した先輩たちも力になってくれているようです。

正人さん

みなさん、いつも声を掛けて応援してくれるんです。同じ経験をしているし、年齢が近いので相談もしやすい。ありがたいですね。

もうすぐ研修の最終年。親方の元を離れ、ふたりだけのいちご作りが始まる。

望さん

もうドキドキですよ。やるっきゃない!ですね。

正人さん

この1年、失敗しまくって将来に活かします!

収穫時期が異なるため一概に比較はできないが、ふたりは「けんたろう」いちごの味は全国トップクラスだと感じているそう。
正人さんは「80年以上続いているこの宝物を自分たちも守ります。」と熱い思いを語ってくれました。

生活や就農に必要なお金のことも聞ける「まず一度、農業体験へ」

ここで地域おこし協力隊として働く3年間の待遇も紹介しておきましょう。

年収/576万1290円(夫婦2人の場合)

    ■月額賃金:15万9075円/人 ※夫婦なので×2となります
    ■賞与年2回:年4.6カ月分/人 ※夫婦なので×2となります(R6年度実績)
    ■家賃補助:月5万円/組 ※実費上限
    ■光熱水費:月1万5000円/組
    ■通信費:月5000円/組
    ■車両借上費:月2万円/組 ※自家用車両持込要
    ※給与条例改正等により変更の場合有

正人さん

札幌時代より余裕で生活できています。独立の時には貯金が必要ですからね。

望さん

実際、1人分の収入で生活できています。買い物は車で30分ほどの伊達市に行くので少し遠いですけどね(笑)

就農時には町や国からの支援制度があるのはもちろん、町の先輩農家さんから初期費用を抑えられるような情報提供、北海道やJAさんなどの協力もあります。

豊浦町 朽葉さん

苗の購入にも助成金を出しているんですよ。見えにくい補助ですけどね(笑)

豊浦町 朽葉さん

豊浦には現行制度の卒業生4組が実際に就農しています。未経験から独立就農を成功させるノウハウが出来上がっています。いちご耕作組合の理事に協力隊出身の方もいるんですよ。若い人にベテラン農家さんも期待している証拠です。

知らない地域で生活をする不安はあって当然です。だからこそ同町ではまず体験(2泊3日以上が基本※応相談)への参加を勧めています。

豊浦町 朽葉さん

仕事のことだけでなく、色んな人と話す機会にもなります。生の声を聞きに来てください。

いちご作りに興味がある方は、気軽に下記連絡先に問い合せをしてみてくださいね!

地域おこし協力隊募集情報

移住 生活費シミュレーション

お問い合わせ

豊浦町役場 農林課農林係
北海道虻田郡豊浦町字船見町10番地
TEL:0142-83-1410
FAX:0142-83-2129
HP:https://www.town.toyoura.hokkaido.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/toyoura.chiikiokoshi
Instagram:https://www.instagram.com/hokkaido.toyoura/?hl=ja

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