<今回お話しをお伺いする方々のご紹介>
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株式会社福岡九州クボタ アドバイザー淵上浩義さん(電話取材) |
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株式会社福岡九州クボタ 白石営業所 所長 古田 強さん |
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「白石菜の花ファーム」 木室 和晃さん |
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株式会社ML・セルインパクト 営業 近藤 拓さん |
農家の声から生まれた「施肥管理システム」高知大学と連携して品質や栄養を数値化
地球規模の異常気象により、多くの農作物が深刻な影響を受けています。酷暑だったかと思えば、季節外れの大雨、春になってからの寒波・・・。これまでの常識では対処しきれない事態の連続に、農家も対応に苦慮しています。
そんな中、25年もの歳月をかけて、プレミアムセル-酵母発酵物(SP)を使った有機質肥料の「施肥管理システム」を作り上げたのが株式会社ML・セルインパクトです。農水省が実施する令和5年度の「国内肥料資源活用総合対策事業」、令和6年度には高知大学との共同試験で農家の課題である作物の高温障害を解決し、品質、収穫量、日持ち、さらに旨味がアップすることを実証しました。
―この事業を通じてML・セルインパクト社と農家を繋いだきっかけは
―品質や旨味をデータ化するってどんなことですか

プレミアムセルー酵母発酵物(SP)は植物に軽い刺激を与えることにより植物ホルモンを活性化し、高温障害等に対応できます。植物ホルモンのジャスモン酸メチルは水稲の不稔軽減に役立つ可能性がある事が島根大学の研究で確認されています。この施用により品質や収量、日持ちをいかに向上させるかということを、高知大学や研究機関、農家などと協力しながら、データ化しています。自社データだけでは世界的には通用せず信用は得られません。そこで第三者機関でのデータ化するということを大切にしてきました。
令和6年度に高知大学で施設栽培(イチゴ・ニラ・ナス・トマト)の野菜に関して、細胞レベルの優位性・機能性等の品質の向上を実証しました。最近は、高温障害によって収穫量や品質が低下している農家の声を多く聞くようになりました。令和5年度・6年度は人類が初めて体験した猛暑でした。その中で高温に対する障害の克服ができるのではないかというデータが2年連続で確認でき、評価されています。
<引用:高知大学上田風月『プレミアムセル-酵母発酵物(SP)を含む新規資材が野菜の機能性に及ぼす影響』(2024)>
酵母発酵物(SP)を含む新規資材が野菜の機能性に及ぼす影響(令和6年度)
①<イチゴ>細胞構造の観察(中央部)
↓
実証区は細胞崩壊による電解質漏出が抑制された
↓
日持ち向上に繋がった
イチゴにおける結果および考察
プレミアムセル-酵母発酵物(SP)などを用いると正常な細胞構造維持に寄与し、収穫後の電解質漏出の程度が低くなるため、軟化抑制効果があり鮮度保持効果を高めることが示唆された。収穫後の電解質漏出物が少ないため、カビによる腐敗も抑制されたと考えられる。
先行研究(稲荷ら)によると、ペクチン質の変化により、果実や野菜は成熟に伴って組織が軟化する。塩酸可溶性ペクチンは成熟するに従って未熟53.7%、緑白41.8%、成熟28.1%と減少し、水溶性ぺクチンは未熟16.7%、緑白28.1%、成熟34.8%と成熟するに従って増大することが明らかとなっている。
プレミアムセル-酵母発酵物(SP)などを用いると、水不溶性である塩酸可溶性ペクチンの減少が抑えられ、水溶性ペクチンの増加が抑制されることで細胞構造の正常な維持や電解が早期に漏出することを抑制しているのではないかと考えられる。
注:ペクチンとは細胞を構成する多糖類の一種で、細胞同士を接着する役割がある。細胞の小型化と緻密性の向上は組織の物理的強度の向上に繋がり果肉の緻密性向上に影響を与えたため、食感評価において果肉がしっかりしているとされたと推察する。
<考察>
子どもや消費者に安心して食べてもらえる農産物を。若手農家たちによる持続可能な農業をサポート
今回の実験で得られたデータを元に、「施肥管理システム」で実際に作物を栽培したのが、佐賀県白石町の玉ねぎ農家・木室和晃さんです。
木室和晃さんプロフィール
就農22年目。畜産と畑作を両方行っており、循環型農業で環境にやさしい農業を実践している。栽培している農産物は、玉ねぎのほか米、麦、菜種など。2014年、若手農業後継者グループ「白石菜の花ファーム」を設立。現在、代表を務める。

若い世代に「農業って面白いよね」と思ってもらえるように農業を変えていきたいという木室さん。「この事業に参加したことが、そのきっかけになればいい。これからもおいしくて、栄養価の高い農産物を作っていきたいです」
約10年前に、若手農業後継者グループ「白石菜の花ファーム」を設立した木室さんは、循環型で環境にやさしい農業を実践してきました。

同じく「白石菜の花ファーム」のメンバーで、キャベツやレタス、スイートコーン、菜の花などを栽培する農家の溝口哲也さん。「付加価値の高い商品を作って、それを認めてもらうことが農家にとっての醍醐味です」
―この事業に参加した理由を教えてください
生産から流通までのプラットフォームの構築へ全国に広がるブランド野菜「Vege Love」への期待
20年以上蓄積したデータを基に、必要な時期に必要な肥料(有効成分)をタイミングよく施肥するテクノロジーをマニュアル化した独自の「施肥管理システム」は、硝酸態窒素の低減、美味しさ・栄養価・収穫量・日持ちの向上と、青果物の付加価値を高めます。更にトータル施用により高温障害で生育不良を起こした作物も短期間に回復したことが、農家さんからのデータで実証されました。この「施肥管理システム」によって育てられた、栄養価も高くて美味しい野菜をブランド化し、多くの消費者への提供を目指しています。それが、「Vege Love」です。
すでに関東圏のスーパーでは取り扱いが始まっており、大手スーパーや卸売店のバイヤーからも品質(味・旨味・日持ち・えぐ味の減少)の良さが高評価されています。
―最後に、「Vege Love」への思いをお聞かせください。
お問い合わせ
株式会社福岡九州クボタ 白石営業所
アドバイザー 淵上 浩義
〒849-1105 佐賀県杵島郡白石町遠江244‐16
0952‐84‐2955白石菜の花ファーム 木室和晃
090-6291-5810株式会社 ML・セルインパクト
本社 〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺5丁目18-2
セカンドオフィス 〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺4丁目20-36-501
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