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野菜ソムリエが教える、美味しい梨の選び方。味と食べごろは見た目・香り・品種でわかる!

さとう ともこ

ライター:

野菜ソムリエが教える、美味しい梨の選び方。味と食べごろは見た目・香り・品種でわかる!

夏から秋にかけて旬を迎える梨。暑い季節にはひんやりとしたみずみずしさが心地よく、秋には甘みを増した豊かな味わいが楽しめます。品種の特徴や選び方のコツを知ると、よりおいしい一玉に出会える確率が高まります。本記事では、和梨の旬ごとの代表品種や鮮度の見分け方、保存方法、食べ方の工夫までを解説します。

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梨の基本情報と品種の違い

梨まるごととカット
シャリシャリとした歯ざわりと、口いっぱいに広がるみずみずしさが魅力の梨。バラ科梨属に分類され、日本では古く弥生時代の遺跡から種が発見され、奈良時代に編纂された『日本書紀』にもその名が記されています。

現在、日本で栽培されている梨は大きく分けて「和梨(日本ナシ)」「洋梨」「中国梨」の3種類です。このうち国内で最も多く生産されているのが和梨で、全国の売場に並ぶ梨の多くを占めています。和梨には数多くの品種があり、果皮の色味によって「赤梨」と「青梨」の2系統に分けられます。

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赤梨の品種と特徴

赤梨
赤梨は果皮が黄褐色から赤褐色に色づくのが特徴で、表面にはサビ(コルク層)が多く形成される傾向があります。糖度が高くジューシーな味わいで、代表品種は「幸水(こうすい)」「豊水(ほうすい)」「新高(にいたか)」「新興(しんこう)」など。夏から秋にかけて全国で親しまれ、和梨の主力として広く流通しています。

近年は、新しい品種や地域オリジナルの赤梨も注目を集めています。「あきづき」は大玉で果汁が豊富、まろやかな甘さが魅力の人気品種。「にっこり」は栃木県生まれで、食べ応えがあり日持ちも良いのが特徴です。また、鳥取県のオリジナル品種「新甘泉(しんかんせん)」は糖度が高く酸味が少ないため濃厚な甘さで人気を集めています。

青梨の品種と特徴

青梨
青梨は黄緑色の果皮が特徴で、さっぱりとした甘さと爽やかな酸味を持ちます。代表的な品種には「二十世紀(にじっせいき)」「秋麗(しゅうれい)」「新碧(しんみどり)」などがあります。

なかでも二十世紀梨は鳥取県が主要産地として知られ、全国的なブランド梨として定着しています。秋麗は熊本県で盛んに栽培され、糖度の高さとさわやかな風味が魅力です。新潟県生まれのオリジナル品種「新碧(しんみどり)」は、果実が600gほどの大玉で存在感があります。糖度は「豊水」や「幸水」と同等以上に高く、酸味が非常に少ないため、甘みが強く感じられます。

和梨と洋梨、中国梨の違い

和梨は日本および中国中南部を原産とする果実で、日本国内では最も広く栽培されています。果実は丸い球状で、シャリシャリとした食感とみずみずしさが特徴。甘くさっぱりとした味わいで、収穫後すぐに食べられます。

洋梨
一方、洋梨はヨーロッパが原産で、果実は上部が細く下部がふくらんだひょうたん型をしています。収穫直後は硬く、そのままでは食べられませんが、追熟させることで果肉が柔らかくなり、とろけるような食感に変化します。香り高く芳醇な甘みを楽しめるのが特徴で、「ラ・フランス」「ル・レクチェ」「バートレット」などが代表品種です。

中国梨は、中国を原産とする種類で、白梨(はくり)やシナ梨とも呼ばれます。見た目は洋梨に近い形をしていることが多いですが、食味は和梨に似てシャリシャリとした食感とさっぱりとした甘さが特徴です。日本では流通量は限られていますが、北海道で栽培される「千両梨(せんりょうなし)/身不知(みしらず)」や岡山県などで栽培される「鴨梨(ヤーリー)」が知られています。

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おいしい梨の選び方

和梨は追熟しないため、収穫時の鮮度がそのまま食味を左右します。新鮮な梨を選べば、シャリシャリとした食感とみずみずしい甘さを存分に楽しめます。ここでは、店頭で実際に確認できる4つのポイントを紹介します。

和梨の見極めポイント

軸で鮮度をチェック

軸が太く青々としてみずみずしいものは鮮度が良好。黒ずんで細くなっているものは収穫から時間が経っているサインです。

皮の状態で食べ頃を見極める

品種にもよりますが、赤梨は赤褐色が濃くなったら、青梨は黄緑から黄色に変わる頃が食べ頃です。表面にツヤがあり、しわやざらつきのないものを選びましょう。熟すにつれて果皮のサビ(コルク層)が目立たなくなり、表面がツルツルしてくるのも特徴です。

形のバランスを確認

丸みが均等でバランスの良い梨は果肉が詰まっており、味にムラが少ない傾向があります。逆にいびつな形のものは、甘みや食感に偏りが出ることがあります。

重さで果汁の多さを見極める

同じ大きさなら、ずっしり重い梨ほど果汁が豊富で甘みもあります。手に取ったときに重さを感じられるかどうかが大きな判断材料になります。

これは避けたい!いまいちな梨の特徴

見た目で「おいしそう」と思っても、鮮度が落ちていたり、十分な甘みがのっていない梨もあります。ここでは、購入を避けたい梨のサインを4つ紹介します。

軸が黒ずみ、細くなっている

軸は鮮度を見極める重要なポイント。黒ずんで細くしぼんでいる軸は収穫から時間が経ち、甘みやみずみずしさが落ちているサインです。

皮にしわや乾燥が見られる

梨は水分量が多いため、鮮度が落ちると皮にしわが寄り、全体が乾いたように見えます。こうした梨は果汁が抜けてシャリシャリ感が失われている可能性があります。

表面に大きな傷やへこみがある

小さな点や自然な模様は問題ありませんが、大きな傷やへこみがある梨は果肉にまで影響していることがあります。傷口から劣化が進むため、避けるのが無難です。

柔らかく張りがない

梨は基本的に硬さと張りがある果物です。柔らかさを感じたり、全体がぶよぶよしているものは鮮度が落ち、食感もボヤけています。購入後は劣化する前に、なるべく早めに食べるのがおすすめです。

梨をおいしく食べる保存方法

買ってきた梨

梨は水分を多く含み傷みやすいため、保存状態によって味や食感が大きく変わります。購入後できるだけ早く食べるのが理想ですが、状況に応じた方法で保存すれば、みずみずしさをより長く保てます。

常温保存の注意点

夏場は傷みやすいため常温保存には向きません。気温が低い季節なら冷暗所で2~3日程度は保存可能です。乾燥を防ぐため、一玉ずつ新聞紙に包むかポリ袋に入れて涼しく風通しの良い場所に置きましょう。重ねて保存すると傷みやすいので、平らに並べて置くのがポイントです。

冷蔵保存で5〜7日程度

梨の保存に最も適しているのは冷蔵庫の野菜室です。洗わずに一玉ずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて保存しましょう。その際、軸が出ている部分を下にして置くと水分の抜けを防げます。目安として5〜7日程度で食べ切りましょう。

冷凍保存の活用法

食べきれないときは冷凍保存も可能です。皮をむいて食べやすい大きさに切り、密閉袋に入れて冷凍庫へ。凍ったままシャーベット感覚で食べたり、半解凍してスムージーやデザートに活用できます。ただし、解凍後は食感が変わるため生食には不向きです。

季節ごとの代表品種

梨は夏から秋にかけて次々と品種が登場し、時期ごとに違った味わいを楽しめます。旬に合わせて選ぶことで、その品種の魅力をより引き出すことができます。

夏に旬を迎える梨

8月上旬から出回る「幸水(こうすい)」は、早生品種の代表格。糖度が高く果汁が豊富で、甘くジューシーな味わいが魅力です。続いて8月中旬からは「豊水(ほうすい)」が登場し、甘みにほどよい酸味が加わったコクのある味わいを楽しめます。暑さが続く時期、冷やした梨は格別の爽やかさです。

秋に旬を迎える梨

9月以降は大玉の品種が多く出回ります。「新高(にいたか)」は大サイズの赤梨で果汁たっぷりで濃厚な甘みが特徴です。同じく赤梨の「新興(しんこう)」や「南水(なんすい)」は果肉が柔らかく多汁で、特に南水は糖度が高く甘みが強いことで知られています。貯蔵性が高く、冬のギフトにも選ばれています。

また、青梨の代表格の「二十世紀(にじっせいき)」は、歯ざわりの良さとたっぷりの果汁、さっぱりとした甘さで秋の味覚として親しまれています。

もっとおいしく!切り方・食べ方の工夫

梨は切り方や食べ方を少し工夫するだけで、見た目や食感の印象が大きく変わります。基本の切り方はもちろん、おもてなしやおやつにぴったりのアレンジを取り入れてみてはいかがでしょう。

梨の切り方、基本と応用

くし切にした梨
最も一般的な切り方は「くし切り」です。種まわりの酸味の強い部分を取り除き、お尻の甘い部分を分け合えるおいしい切り方でもあります。縦に6~8等分にして芯を取り、皮を剥けば、シャリっとした歯ざわりを存分に楽しめて、食べやすい大きさに仕上がります。

梨の応用カットのスティック・スライス・輪切り
応用として、皮付きで楽しめる3つの切り方を紹介します。まず、薄めのスライスはサラダや前菜にぴったり。スティックカット(1センチ角程度)はお弁当やおやつに便利で、爪楊枝を刺せばおもてなしにも向き、お尻の甘い部分も分け合えます。さらに、輪切り(0.5〜1センチ)は断面に星型の種が現れ、見た目も華やか。デザートや盛り付けにおすすめです。

食感を楽しむ冷やし方のコツ

常温で保存している梨は、冷やしてから食べると一層おいしくなります。冷やしすぎると甘みを感じにくいため、食べる前に冷蔵庫で2〜3時間冷やすのがベスト。切った後に氷水にサッとくぐらせれば、表面がキリッと冷えて爽快感が増します。

デザートや調理での楽しみ方

梨ゼリー
和梨はそのままでも十分おいしいですが、アレンジ次第でデザートとしても活躍します。コンポート(シロップ煮)はさっぱりと上品な甘さに、ゼリーにすれば食感の楽しさが加わります。また、冷凍した梨で作るスムージーは、氷を加えなくても自然な甘さと爽快感を楽しめます。

選ぶ楽しみで梨を満喫

梨は夏の爽やかな甘さから秋の芳醇な味わいまで、旬の品種ごとにおいしさが深まる果物です。赤梨・青梨の特徴を知り、色や重さ、軸の状態を手がかりに鮮度の良いものを選べば、よりおいしい一玉に出会えます。追熟しないため、新鮮なうちに食べましょう。切り方の工夫を取り入れれば、日常のおやつからデザート、サラダまで幅広く楽しめます。選ぶ楽しみを感じながら、旬の梨をさらにおいしく味わってくださいね。

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