「とらこ」の由来。家族の商いと、まっすぐな気持ち

社名の“とらこ”には、山本さんの原点が宿ります。自身が寅年であること、そしてかつて商売繁盛で知られた祖母から、名前ではなく「とらこ」と呼ばれて育った記憶。家業を営む背中を見て育った少年は、大人になって土を選びました。採れたての香り、汗の感触、手に伝わる重み。“生きる”と直結する仕事で、地域に貢献したい。そんなまっすぐな気持ちが、とらこ株式会社のエネルギー源です。
したい・やりたいを尊重する。現場が主役の経営理念
とらこが大切にするのは、現場の声です。「みんなの“したい”“やりたい”を大切にしたい」という山本さんの言葉どおり、日々の作付けや段取りも、チームの提案から磨かれていきます。

ねぎの栽培においては、播種から育苗、圃場準備、土寄せ、収穫・選別までの一連の流れを段取り良く回すことが品質の要。だからこそ、現場発の工夫と改善が最大の武器になります。挑戦に寛容で、失敗から学べる空気が、畑の力を引き出す——とらこの畑は、そんな“前向きさ”で満ちています。
ねぎ一筋に見えて、地域とともに広がる仕事

主力はねぎ。しかし、とらこの仕事は畑の外にも伸びています。地元の学校との連携による職場体験の受け入れや、学校給食への食材提供など、「地元に恩返しをする」取り組みを継続。子どもたちが土に触れ、収穫の喜びを知る体験は、食と農を結ぶ最短の教育です。地域の食卓と畑を近づけるほど、作る責任も大きくなる。だからこそ、日々の管理に手を抜かず、鮮度と香りをそのまま食卓へ届ける体制づくりに注力しています。
「強みは、チャレンジし続けること」
「これといって強みはない」と笑う山本さん。しかし、実はそれが最大の強みでもあります。天候も相場も、毎年違うのが農業。正解がない世界で、手を止めないこと、試すこと、やり抜くことが、とらこの流儀です。

圃場のレイアウト見直しや作業導線の改善、機械化の工夫、品種や作型のトライ。小さな改善の積み重ねが、収量と品質、そして働きやすさに跳ね返ってきます。挑戦の結果が畑に、そのまま表れる。それがとらこのリアルです。
次のフィールドへ水田にも挑む、とらこの未来像
「お米栽培をやってみたい」。山本さんの視線は、ねぎの畑から水田へも向き始めています。地域の遊休農地の受け皿となり、輪作や土づくりの選択肢を広げることで、生産の安定性と地域の持続性を両立させたい。新しい作目への挑戦は、リスクではなく、地域を支える役割の拡張だと捉えています。
“かっこいいから始めた”農業は、いま“必要だから続ける”農業へ。とらこ株式会社は、挑戦を合言葉に、八幡の畑から確かな一歩を重ねていきます。
会社情報
とらこ株式会社(京都府八幡市)
主な生産:ねぎを中心とした野菜生産
所在地:〒614-8212 京都府八幡市戸津中代25-1
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