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ずぼら女子による無肥料・無農薬・ほぼほったらかしでも育った作物、育たなかった作物ランキング【秋冬編】

伊藤七

ライター:

連載企画:ずぼら女子の半農半X

ずぼら女子による無肥料・無農薬・ほぼほったらかしでも育った作物、育たなかった作物ランキング【秋冬編】

「家庭菜園にチャレンジしたことはあるけれど、枯らしてしまった」「雑草の管理ができなくて、途中で放棄してしまった」という方はいらっしゃるでしょうか。私はずぼらなタイプなので、気持ちはよく分かります。そんな私のような方におすすめしたいのが、秋に種をまくことです。秋は雑草の伸びる勢いも弱まりますので、夏よりも管理が楽です。寒い地域では、「秋まき」と言いつつも8月頃に種をまかなければ間に合わない場合もありますが、私が住んでいる千葉県は10月に種をまいても間に合う作物もあります。本記事では、知識・経験ゼロから無肥料・無農薬で家庭菜園を始めたずぼら女子目線で、「ほぼほったらかしでも育った作物」、「一度も上手く育たなかった作物」を紹介します。「ずぼらな家庭菜園」を実践して、ちょっと野菜を食べられたら嬉しい!と考えている方の参考になればうれしいです。

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ずぼら女子・伊藤七の家庭菜園スペック

サツマイモをみんなで収穫。筆者は左

筆者は家庭菜園5年目の31歳です。農についてきちんと学んだ経験はなく、インターネットや書籍から情報を得ています。

「何となく種をまいて、何となく見守るだけでも野菜ができるのか気になる」という好奇心から、無肥料・無農薬で栽培しています。

数年間は、元々畑だった土地を借りて野菜を栽培していました。

PHは6~6.5程度

今年の春からはカチカチだった土地を開墾して野菜を栽培しているので、以前よりも栽培の難易度が上がったものだと思います。

最小限の手入れでも育った作物ランキング【秋冬編】

野菜の種たち

私はずぼらな性格なので、小まめな水やりや雑草取りはしておらず、特別な虫対策や病気対策もしていません。していることといえば、最低限の間引きくらいです。それでも問題なく育つ野菜はありました。

ここからは、秋に栽培を始めて、冬~春にかけて収穫できる野菜を「あまり手がかからない」「失敗しにくい」という観点からランキング形式で発表します。山梨県都留市で2012年から農業をしている「はのさち自然農園」の羽野幸(はの・さち)さんからいただいたプロ目線での見解も交えて紹介していきます。

土地の状態や気候によって差はあると思いますが、これから栽培を始める方の参考になれば幸いです。

羽野さんは2012年春に独立。農薬、除草剤、肥料を使わず、お米と約20種類の野菜を栽培している。地域のパン屋さんと共に小麦を栽培したり、調味料を作るために大豆の栽培をしたりと、農を起点にした暮らしを楽しんでいる

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● 1位:菜花
● 2位:大根
● 3位:ホウレンソウ
● 4位:ニンニク
● 5位:カブ
● 6位:ラディッシュ
● 7位:スナップエンドウ
● 8位:ソラマメ
● 9位:チンゲン菜
● 10位:ごぼう

第1位:菜花

春の菜花

菜花は間引きもせずに完全放置しても育ちました。虫に食べられたこともありません。千葉県では菜花をよく食べる文化があるので、ホームセンターへ行けば種もたくさん販売されています。おひたしやパスタとして食べると、春の訪れを感じられて幸せな気持ちになります。

ちなみに大根や白菜などのアブラナ科の野菜を放置していると、4月頃に菜花になります。「菜花」という野菜があるのではなく、アブラナ科の野菜が春先に出す茎とつぼみを食用にしたものを菜花と呼ぶようです。いろいろな植物の菜花を食べ比べるのもおすすめです。

第2位:大根

大根を収穫

大根は、間引きをするだけで十分大きく育ってくれました。煮物、ステーキ、漬物、サラダなど幅広い食べ方があり、また重量感がすごいので、食糧として非常に頼もしい存在です。

「もし秋冬に1つだけ野菜を育てるとしたら何を育てますか?」と聞かれたら、迷わずに大根と答えます。楽さと食べ応えのバランス感が良い野菜だと思います。

第3位:ホウレンソウ

肉厚のホウレンソウ

ホウレンソウも間引きするだけで良い感じに育ってくれました。鉄分が豊富なので、特に女性にとってはありがたい存在です。

第4位:ニンニク

ニンニクは近所のホームセンターで購入

ニンニクもほとんど放置していましたが、無事に育ちました。ニンニクをバラして土の中に埋めて、春を待ってから収穫します。普段食べる部分はもちろんですが、ニンニクの芽も食べられるので、家庭菜園ならではの贅沢感を味わえます。

国産のニンニクを購入すると意外と高いので、ニンニク好きの方は家庭菜園で育ててみるのもおすすめです。

第5位:カブ

カブは小さめのうちに収穫すると美味しい

カブも間引きをするだけで育ちました。何回チャレンジしても育つので、栽培の難易度は低いのだと思います。ただし、大根やホウレンソウなどと比べると、食べ頃が短いように思います。旬の時期を逃すとすぐに硬くなったり、苦味が出てきたりするので、「ちょっと早いかな?」と思うくらいで収穫するといいかもしれません。

羽野さんいわく、カブやラディッシュは「少し早いかな」と思うタイミングで収穫した方がよいとのこと。収穫が遅れると、す(中に空洞ができる)が入ってしまうことがあるためです。「種の袋に書いてある、収穫までの日数を参考にしてみてください。早生〜晩生まで品種によって生育の速度が異なるので、収穫までの日数が変わってきます」(羽野さん)

第6位:ラディッシュ

「はつか大根」とも呼ばれる、すぐに収穫できるラディッシュ

かぶの仲間のラディッシュも簡単に育ちます。種をまいてから1ヶ月も経たないうちに食べられるので、飽き性の人でも楽しめるでしょう。かぶと同様に旬の時期を逃すと美味しくなくなるので、小さいうちにサッと収穫した方が良いと思います。

第7位:スナップエンドウ

甘いスナップエンドウ

気付いたらマメがわさわさ実っていました。マメは肥料の少ない土地でも育つようなので、自然栽培に適しているのではないでしょうか。虫食いもなく簡単に育てられましたが、支柱を立てる手間がかかったので、7位としました。

第8位:ソラマメ

お酒に合うソラマメ

ソラマメもほとんど放置で実りました。ただし、ひとつのさやの中に1~2粒しか実りませんでした。摘心が不十分だったり、栄養不足だったりすると、このようになってしまうようです。購入すると高いので、ソラマメを上手に作れたら気持ちとしては嬉しいのですが、上手にできないのであればスナップエンドウに賭けてもいいかな、という気持ちになります。

第9位:チンゲン菜

チンゲン菜は虫食いがポツポツと見られる

チンゲン菜は順調に育ちましたが、虫食いが発生しました。寒い時期とはいえ、ネットをかけた方が安心かもしれません。

第10位:ごぼう

小さめだけど美味しいごぼう

ごぼうは一応栽培できました。しかし、短くて細いものばかりです。調べてみると、ごぼうは深くてふかふかの土でなければ大きく成長しないようです。ずぼらな私は「育つなら育て、育たないなら育たなくてOK」という気持ちで平地に種をまいたので、これがよくありませんでした。

羽野さんからは「ごぼうは根が深くまっすぐ伸びるため、柔らかくほぐれた土の方が育ちやすいです。私のまわりでは、肥料の袋など厚めで丈夫なところに土を入れて育てている方を見かけます。これだと、収穫が比較的簡単になるそうです」とアドバイスをいただきました。

一度もうまくいかなかった作物【秋冬編】

以前の記事では、キャベツやブロッコリー、にんじんなどが思うように育たなかった旨を紹介しました。今回も秋冬の作物に絞って、うまくいかなかったものを難易度順にランク付けしていきます。

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第1位:白菜

秋冬の野菜の代表である白菜ですが、全くうまく育てられませんでした。これまでに2回、2つのパターンでチャレンジしてみましたが、いずれも理想通りにはいきませんでした。

結球しなかった白菜

まずは種から育てたパターンですが、結球しませんでした。発芽自体はするものの、白菜らしく丸まっていく様子はなく、緑の葉っぱが外に広がっていくのみでした。

白菜は株と株の間を広くとらなければいけないようなので、間引きをしっかりすべきだったかもしれません。

結球したが虫食いの多い白菜

翌年は結球こそしたものの、虫食いが多く、味が美味しくありませんでした。葉物野菜が虫に食われると苦くなってしまうので、あまり食べる気になりません。白菜の味よりも、えぐみや苦味が前面に出てきます。

羽野さんからは「防虫ネットをした方が、幼虫による食害を減らすことができます。結球しはじめてからもネットをしていたら、アブラムシを大量発生させたことがあります。風通しが悪くなったことが原因かもしれません」とアドバイスをいただきました。

また、株間もきちんとあけた方がよいとのこと。「私の地域では、寒さから守るために、霜が降りる前に先端を紐でくるんでいます。小さいうちは食べられやすいので、苗を育てて植え替えることをおすすめします。種まきや植える時期も重要です。遅くなりすぎると結球が間に合わなくなります」(羽野さん)

第2位:ネギ

ネギを直播きしましたが、ひょろひょろの葉っぱが出てきたあと、いつの間にか消滅してしまいました。

羽野さんいわく、ネギは肥えた土地の方が大きく育つとのこと。

また、ネギは草に負けやすいため、適度な草取りも必要だとアドバイスをいただきました。草の勢いが優勢になると大きく育たないほか、草をそのままにしておくと、ネギが消滅することもあるといいます。

第3位:玉ねぎ

玉ねぎは一応育ちはしたのですが、直径2㎝程度にしかなりませんでした。肥えた土が必要だと聞くので、「なんとなく無肥料栽培」との相性は悪いのかもしれません。

「苗を植えかえる時に、大きくなっていることも重要。小さな苗のままだと、大きくなりにくいです。何度か無肥料での栽培を試みましたが、大きくなりませんでした。肥えた土で栽培する方が、大きくなると思います。冬に氷点下になる地域なので、寒さで枯れないように対策をしています。土を厚めにかける・寒冷紗を使用する・籾殻を厚めにかけるなど色々なやり方があります。また、ネギと同様で草に負けやすいため、適度な草取りも必要です」

プロ農家目線“ずぼらな性格の人におすすめの作物~秋冬編~”

「ずぼらな性格の人が肥料・農薬のほか、ネットなどの資材も使わず、露地栽培で種から挑戦」する条件で栽培する場合、成功しやすい秋冬の作物は何だと思いますか?

羽野さんにこうたずねたところ、次のように教えてくれました。

● 葉物:小松菜・ルッコラ
● 根菜:カブ・大根・二十日大根
● いも類:秋まきのジャガイモ(※寒い地域では難しいです)

選んだ観点は、次の通りです。

「葉物は寒さに強く、収穫までの日数が短め。手間がかからず、間引き菜も楽しめるという観点で小松菜とルッコラとしました。根菜は大きくならなくても楽しめるほか、葉っぱが虫に多少食べられても、地中の部分は収穫して楽しめるカブや大根、二十日大根を選びました。いも類ではトータルで手間がかからないジャガイモがおすすめ。ただし、寒い地域では、ジャガイモの秋まきはおすすめしません。秋冬野菜全般に関わることですが、低い気温になると、成長の速度がゆっくりになるので、時期が遅くなると大きく育たないです。種まきの適期は、近くで栽培している人に聞くのがおすすめです」(羽野さん)

プロ農家目線“ずぼらな性格の人には難易度が高い作物~秋冬編~”

同様の条件下で栽培する場合、反対に難易度が高い秋冬の作物は何か。羽野さんに代表的なものを教えてもらいました。

● キャベツ
● ブロッコリー
● カリフラワー
● 白菜

「これらの作物を畑に蒔いて育てる場合は、さらに難易度があがります。小さいうちは、特に幼虫やコオロギに食べられやすいので苗を植え替える方法がおすすめです。ネットをしないで育てたら、苗がボロボロになったことがあります。肥えた土でないと花蕾(株の中心にできる蕾で食べる部分)を大きくすることが難しく、何度挑戦しても、お店で販売しているようなサイズにはなりにくかったです」

春夏よりも秋冬の栽培がおすすめの作物

最後に「春夏では難易度が高いが、秋冬だったら難易度が低くなるという作物」があるかたずねたところ、次のように教えてくれました。

● 葉物:小松菜・ルッコラ・水菜・わさび菜・からし菜・ホウレンソウなど
● 根菜類:大根・カブ

春夏よりも虫たちの勢いが弱くなるので、上記の葉物は難易度が下がるとのこと。
根菜類は、とうが立ちにくくなり、葉っぱを虫に食べられてもある程度は育つためです。

まとめ

白い肌がつやつやした宮重大根

ずぼらな人でも野菜を栽培しやすい時期がやってきました。温暖な地域であれば、まだまだ種から栽培しても間に合う作物が多くあります。はのさんからのお話にもあったように、特に葉物は秋冬の方が上手く育てやすいはずです。ぜひこの時期を活用して、家庭菜園を楽しみましょう。

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