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冬の南国フルーツ「バンレイシ(釈迦頭)」ってどんな果物? 栽培方法や美味しい食べ方、保存方法を農家が解説

冬の南国フルーツ「バンレイシ(釈迦頭)」ってどんな果物? 栽培方法や美味しい食べ方、保存方法を農家が解説

ゴツゴツとした緑色の果皮に覆われ、まるで釈迦の頭のような見た目をした不思議な果物「バンレイシ(釈迦頭)」。しかし果肉の色は驚くほど白く、味は甘くてバニラアイスのように美味しい。英語圏では「シュガーアップル」と呼ばれるほどだ。日本では沖縄県を中心に栽培されており、秋から冬にかけて収穫できる数少ない熱帯果樹のひとつである。マンゴーやパイナップルが夏の果物であるのに対し、バンレイシは「冬に食べられる南国フルーツ」という極めてユニークな存在だ。本記事では、バンレイシの食味や品種、食べ頃の判断基準や栄養素、さらには沖縄で実際にバンレイシを栽培している筆者の経験をもとに、栽培暦や育てる上でのポイントなど、さまざまな側面から深堀っていきたい。

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バンレイシの特徴

バンレイシの果実を割った様子

バンレイシ(別名:釈迦頭、学名:Annona squamosa)は、バンレイシ科の分類であり、見た目のインパクトと中身のギャップが大きい果物である。ゴツゴツした緑色の果皮からは想像できないほど、中の果肉は白く繊維はなく、強い甘味とバニラのような香りをもつ。この「外見と味のギャップ」こそが、世界中でバンレイシが長く愛されてきた最大の理由である。

バンレイシの名前の由来

バンレイシは、中国語の「番荔枝」が由来とされている。「番荔枝」とは、「異国の地から来たライチのような果物」という意味で、これは16~17世紀以降、スペインやポルトガルによって、中南米原産のバンレイシが東南アジアや中国南部へ持ち込まれた時にそう呼ばれたものである。和名の「釈迦頭(しゃかとう)」とは、果皮のウロコ状の突起が、釈迦の頭部のぶつぶつとした巻き毛の螺髪(らほつ)に似ていることに由来する。

釈迦の螺髪のような見た目から「シャカトウ」へ

英語では「Sugar apple」あるいは「Sweetsop」と呼ばれるが、どちらも甘さが特徴であることからそう呼ばれている。

学名 Annona squamosa の 種小名である「squamosa」 はラテン語で「鱗(うろこ)状の」という意味であり、この果皮の構造が分類学的にも強く意識されていることがわかる。つまり、バンレイシの名前の多くは、甘さとウロコ状の外見のどちらかに由来しているのである。

バンレイシの旬

バンレイシの栽培暦。冬に収穫できる珍しい果物

バンレイシは熱帯果樹でありながら、日本では秋から冬にかけて収穫することができる。沖縄県では、アテモヤと並び「冬の南国フルーツ」として出荷されることもある。

これはバンレイシが剪定後に伸びた新梢に花をつける性質をもつためで、夏に剪定すると秋に開花し、冬に結実・成熟するという生理周期を持つからである。多くの熱帯果樹が夏に収穫期を迎える中、バンレイシが冬に実るという点は、通年で仕事を創出するという意味でも大きな価値を持っている。もちろん、剪定の時期を調整することによって、夏に収穫することも可能である。

バンレイシの国内での広がり

バンレイシの原産地は、中米から南米、西インド諸島付近の熱帯地域と考えられている。しかし現在、バンレイシはアメリカ大陸の熱帯地域だけではなく、タイ、ベトナム、フィリピン、台湾、インド、日本など、東南アジアなどでも非常に広く栽培されている。

この広がりの背景には、もちろん味質が優れているということもあるが、バンレイシの種子がある程度保存しやすいということがある。

日本でのバンレイシは、未だ小型のものが多いが、お隣の台湾では、とても大型の果実が育種されており、高級フルーツとしてもブランド化されている。

バンレイシの品種

バンレイシには多数の品種が存在する。日本では、古くから日本に持ち込まれたものであるが現在も実生で増やされている現状である。緑色の果皮をもつグリーンタイプや、レッドアテスと呼ばれる赤色の果皮をもつものが多く出回っている。

レッドアテスと呼ばれる赤果皮タイプ

緑果皮タイプよりもやや濃厚な印象

また、台湾では、約400年前にオランダの植民地主義者によって台湾に持ち込まれた歴史があるが、その後いくつか品種改良がされている。中でも東部(とくに台東)で広く栽培されている大型系統のひとつに、大目釈迦と呼ばれるものがある。この果実は一般的なバンレイシよりやや大きめで、皮の突起が比較的整い食味も良いとされる台湾で人気の品種である。

台湾(台中)の市場で撮影した「大目釈迦」

さらに、かなり珍しい方ではあるが、タイではゴールデンと呼ばれる果皮が黄色いタイプも存在する。筆者がタイではじめて見かけた時にはとても興奮した。また、ブラジルではタネが入らないシードレス品種があるようだ。

タイ(チェンマイ)で見かけたゴールデン釈迦頭

ハイブリッド品種やバンレイシ属の食用となる近縁種

育種に関しては、このバンレイシと近縁のチェリモヤ(学名:Annona cherimola)を交配させてアテモヤ(Annona squamosa × Annona cherimola)というハイブリッド果樹も存在する。こちらも「森のカスタード」と呼ばれるほど味質がよく、現在沖縄では広く栽培されており、釈迦頭よりも有名である。

アテモヤ(左)とチェリモヤ(右)

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また、近縁種にトゲバンレイシ(和名:刺蕃茘枝、学名:Annona muricata)と呼ばれるものもある。バンレイシよりも一回り大きく、酸味があることから英名でサワーソップと呼ばれる(バンレイシは英名でスイートソップ)。こちらのトゲバンレイシも沖縄で栽培されており、強すぎない酸味で美味しい。

サワーソップの果実

さらに、似たようなものにギュウシンリ(和名:牛心梨、学名:Annona reticulata)というものもある。果実が赤く、牛の心臓のような形をしていることからギュウシンリとなったが、英語圏でしばしばワイルドスイートサップやカスタードアップルと呼ばれているものだ。バンレイシのような甘い香りは少ないが食用になる。

ギュウシンリの果実

バンレイシはどんな味?

バンレイシの味は、バニラアイスと呼ばれることもあるほど濃厚で美味しい。皮付近の果肉が少しジャリジャリしていて、他のバンレイシ属の果実と比べても独特な食感で美味しい。

シュガーアップルと呼ばれる甘さの秘密

バンレイシはシュガーアップルと呼ばれるほど、砂糖のような強い甘さがある。果実糖度(Brix)は20~25度であり、マンゴーやブドウなどその他多くのフルーツよりも糖度は高い。この甘さは、果実中のデンプンが追熟中に糖へ変換されることによるもので、熟すにつれて果肉が柔らかくなり、甘味が一気に増す。これはチェリモヤやアテモヤと共通するバンレイシ属の生理的特徴である。

おススメの食べ方

生食

半分に割り、スプーンですくって食べるのがもっともシンプルで美味しい。
繊維感が全くないが、皮付近のほうが、ジャリジャリとしていて美味しい。その食感の変化も楽しみながら味わっていただきたい。

冷凍

果肉を取り出して冷凍すると、シャーベット状になり、アイスクリームのような食感になる。日持ちもするし、一気に食べきれない方は、冷凍保存しても良い。

ジュースなどに加工

ミキサーで牛乳やヨーグルトと混ぜると、濃厚なスムージーになって美味しい。
ミキサーをする際は、タネはしっかりと取り除こう。

食べごろのバンレイシの見分け方

写真では少しわかりにくいが食べ頃のバンレイシ

バンレイシは食べ頃になっても見た目がそんなに変わらないので、食べ頃のタイミングを見極めることが難しい。そこで、ここではバンレイシの食べ頃の見分け方について細かく紹介した。バンレイシの未熟果は硬く、果皮が鮮やかな緑色をしているが、熟すにつれて、以下のようになってくる。

 

1.     果皮の色が少し「明るい緑色」になる。
バンレイシは熟しても赤や黄色にはならないが、未熟時の濃い緑から少し色が抜けたような変化が起こる。

2.     柔らかくなってくる。
未熟の時は、石のように硬い状態であるが、追熟を経て柔らかくなり、触ったときに「少しへこむ」ようになる。

3.     ウロコ(突起)の間が少し開く
果皮のゴツゴツしたウロコが、熟すとすき間が広がってくる。

4.     少し甘い香りが出てくる
完熟直前になると、バニラのような甘い香りが果実から漂い始めます。これが出ていればかなり美味しく食べられる状態である。

バンレイシの保存方法

バンレイシの保存は、「追熟させる段階」と「食べごろになった後」で方法が異なるため、それぞれ紹介する。保存方法を間違えると、美味しく食べられないので注意が必要である。

未熟なバンレイシ(硬い状態)の保存

追熟が済んでいないものは、常温で保存することが大切だ。冬の間は暖房の効いた25℃程度の部屋で保存すること。直射日光を避けて保存しよう。硬いうちに冷蔵庫に入れると追熟しないどころか、低温障害を起こし、黒くなって食べられなくなるため気を付けてほしい。夏の場合は、カビに気をつけて風通しの良い涼しい場所で保存しよう。

食べごろ(柔らかくなった後)の保存

追熟が完了した後、どうしても保存したい場合には、冷蔵庫で2~3日は保存可能である。果皮が割れてくるため、ラップで包むか、袋に入れてから冷蔵保存した方が無難だ。また、果実がたくさんあって、長期保存したい場合には、果肉だけをスプーンなどで取り出してフリーザーバッグなどに入れて冷凍保存しよう。スムージーやアイス、シャーベットにして美味しく食べてほしい。

栄養価と健康効果

バンレイシは栄養価も高い

バンレイシは「甘い果物」であるが、その甘さは単なる嗜好性にとどまらず、栄養学的にも非常に優秀な果実である。実際、バンレイシは熱帯果樹のなかでもエネルギー密度が高く、さらにビタミンやミネラルをバランスよく含む。古くから熱帯地域で「滋養」のある果物として扱われてきた。

エネルギー補給や美容におススメな理由

バンレイシの可食部100gあたりのエネルギーはおよそ90〜100kcalとされ、これはリンゴや柑橘類の約2倍に相当する。この高いエネルギー値は、果実中に多量に含まれる糖質によるものである。バンレイシの糖は、ショ糖だけでなく、ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)も豊富で、体内にすばやく吸収されてエネルギーに変換される。

暑さの厳しい熱帯でこの果実が重宝されてきたのは、少量で効率よくエネルギーを補給できる果実だったからである。
さらに注目すべきは、果肉100g中にカリウム(247mg程度)、マグネシウム(21mg程度)などのミネラルが多く含まれる点だ。とくにカリウムはナトリウムの排出を促進し、血圧の安定化やむくみの予防に寄与する。マグネシウムは筋肉や神経の働きを調整する必須ミネラルであり、疲労回復やストレス耐性の維持にも関与する。

また、バンレイシはビタミンC(36mg程度)を比較的多く含む果実でもある。ビタミンCは抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去することで、細胞の老化を抑制し、肌の健康維持に寄与する。コラーゲンの合成にも不可欠な栄養素であるため、美肌やアンチエイジングを意識する人にとっても有用な果物といえる。

さらに、バンレイシにはポリフェノール類などの抗酸化成分も含まれていることが知られている。これらの成分は炎症の抑制や生活習慣病の予防に関与する可能性が指摘されており、熱帯果実のなかでも機能性が高い部類に入る。

バンレイシの甘さは「太りそう」という印象を与えがちだが、実際には脂質が少なく、果糖主体で血糖値の上昇が比較的緩やかである点も特徴である。適量を守れば、高エネルギーでありながら体にやさしい天然のデザートとして活用できる。

このように、バンレイシは「とにかく甘い果物」ではなく、エネルギー補給、ミネラル補給、抗酸化作用を同時に満たす機能的な果実である。熱帯地域で古くから重宝されてきたのは、その味だけでなく、こうした栄養学的な合理性に裏打ちされているのである。

バンレイシの栽培方法

バンレイシ(釈迦頭)の栽培は、基本的にはアテモヤとほぼ同じである。同じバンレイシ属(Annona)の果樹であり、生理的な性質も非常によく似ているため、アテモヤを育てられる環境であればバンレイシも問題なく栽培できる。むしろ、バンレイシはアテモヤよりも結実しやすく、初心者向きともいえる果樹である。

日本での栽培は可能?バンレイシに適した気候条件

地植えのバンレイシ

バンレイシは熱帯性果樹で、生育適温は25〜32℃前後である。低温に弱く、15℃以下で生育が低下、5℃以下になると葉を落としたり、枝枯れを起こしたりするため、日本では沖縄県や奄美諸島などの温暖地が露地栽培の適地となる。本州以北ではハウス栽培が必要である。

耐寒性はアテモヤより弱いが、暑さには強い。バンレイシ属の中では、低地の湿度が高いエリアで十分に栽培ができる。また、結実性はアテモヤよりはバンレイシのほうが高い。日照を好むため、できるだけ日当たりが良い場所に植えることが重要である。日照不足になると枝が徒長し、花つきや結実が悪くなる。

土壌は排水性の良い弱酸性~中性(pH 6.0~6.5)が理想である。過湿を嫌うため、粘土質の土壌や水はけの悪い場所では高畝にするか、鉢植えでの管理が向いている。排水不良の園地ではすぐに枯れやすい。

バンレイシの葉

バンレイシの剪定から収穫まで

バンレイシはアテモヤと同様に、新しく伸びた枝(新梢)に花が咲き、そこに果実がつく性質を持つ。そのため、剪定によって収穫時期をある程度コントロールできる。

沖縄では、6〜7月あたりに切り返し剪定(夏剪定)を行うと、その後に伸びた新梢に9月ごろ花がつき、12月末あたりから冬の果実が収穫できる。剪定の際は、伸びすぎた枝を切り戻し、風通しと日当たりを確保することが重要である。

バンレイシの花

人工授粉の方法(アテモヤで解説してるがバンレイシでも同様)

バンレイシの花はアテモヤと同じく雌性先熟(最初に雌しべが成熟し、その後に雄しべが花粉を出す)という性質を持つが、バンレイシはアテモヤよりも自然受粉率が高く、人工授粉をしなくても実がつきやすい。とはいえ、確実に大きく形のよい果実を得たい場合は、アテモヤと同様に人工授粉を行うと収量と品質が安定する。

果実は、十分に肥大して果皮の突起がややなだらかになり、色が少し淡くなった頃が収穫適期である。収穫後は常温で追熟させ、柔らかくなったら食べ頃となる。

人工授粉をしないと果実が肥大しない

鉢植えで育てるためのポイント

バンレイシは鉢植えでも十分に栽培できる果樹である。鉢は最低でも10号(30cm)以上のものを使い、排水性の良い用土を用いる。鉢植えの場合、水もちが良い用土を使い頻繁にかん水すると、過湿になりやすいため、水のやり過ぎに注意する。そのため、排水性の良い鹿沼土と赤玉土を1:1の配合で十分である。表土が乾いてからたっぷり水を与えるようにすると、根腐れが起きず健全に育ちやすい。

冬場は5℃以下にならない場所に移動させるか、簡易ハウスなどで保護すると越冬が安定する。鉢植えは移動できるという点で、バンレイシの栽培に非常に向いている。

バンレイシの増やし方

バンレイシは実生(タネまき)、接ぎ木、取り木のいずれでも増殖可能である。
実生苗は、親と同じ品質の果実になるとは限らないため、果実品質が良い系統を確実に増やしたい場合は、接ぎ木か取り木が適している。

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台木にはチェリモヤ、アテモヤなどの別種も使うことができる。それらを活用すると、樹勢が強く根腐れもしにくい。逆にバンレイシを台木にする場合は、排水不良の場所ですぐに根腐れしてしまう。沖縄のような多雨環境では、チェリモヤやアテモヤ台の方が根腐れに強く安定しやすい。

取り木でも発根しやすく、筆者の経験でもバンレイシは比較的簡単に取り木が成功する。この点もアテモヤとよく似た性質であり、家庭果樹として扱いやすい理由のひとつである。

タネから発芽したばかりの幼い実生苗

チェリモヤの台木にバンレイシを接木した様子

バンレイシに関してよくある質問

Q1 花が咲かないのですが、なぜですか?

剪定をしてみましょう!
バンレイシは新しく伸びた枝(新梢)に花をつける果樹であるため、剪定をせずに古い枝ばかり残していると花が咲きにくくなる。夏に切り返し剪定を行い、新しい枝を発生させることが重要である。また、日照不足も花芽形成を妨げるため、日当たりの良い場所で育てることが必要である。

Q2 花は咲くのに実がつきません、どうしたら良いですか?

人工授粉をしてみましょう!
バンレイシの花は雌性先熟であり、雌しべが成熟する時間帯と、雄しべが花粉を出す時間帯がずれている。そのため、自然受粉が起こりにくいことがある。バンレイシはアテモヤよりも自然結実しやすいが、確実に実をつけたい場合は、人工授粉を行うことで結実率が大きく向上する。

Q3 実が小さい、または形がいびつになります。

しっかりと人工授粉をしてみましょう!
人工授粉をせずに、自然についた果実は、花粉がしっかりついてなく、果実がいびつになる。
これは受粉が部分的にしか行われなかったことが原因である。バンレイシの果実は、花の中に多数ある雌しべそれぞれが受粉することで均一に膨らむ。人工授粉の際に花粉をまんべんなく付けることで、丸く美しい果実になりやすい。

Q4 タネが多くて食べにくいのですが、これは普通ですか?

はい、バンレイシはもともとタネが多い果実である。
そういった意味では、品種改良がほとんど起きておらず、原始的な状態のまま現在も栽培されている果物でもある。これから、種無し品種などの改良も期待したい部類の果物である。
しっかりと、人工授粉をすると、タネもしっかり入るのだが、その分果肉が厚くなり、相対的にタネの割合は少なく感じられるので、大きい果実を目指しましょう!

Q5 冬に葉が落ちますが枯れたのでしょうか?

冬に葉が落ちるのは枯れてるわけではない。
バンレイシは半落葉性の果樹であり、低温期や乾燥期には葉を落とす性質がある。沖縄や温室内でも、冬に葉が少なくなることは珍しくない。枝が生きていれば、春に再び芽吹くので心配はいらない。

Q6 バンレイシは鉢植えでも実がなりますか?

問題なく果実がつきます!
むしろ鉢植えは水分管理や授粉作業がしやすく、結実までは簡単である。10号鉢以上で育て、十分な日照と剪定を行えば、家庭でも安定して果実を収穫できる。

Q7 虫や病気はつきやすいですか?

風通しや日当たりが悪いと、残念ながらつきやすい。
一般的な熱帯果樹と同様に、カイガラムシやアブラムシがつくことがあるが、適切な剪定と風通しの確保で多くは防げる。風通しが悪いと、コナジラミなどもつき、葉っぱが黒くなる「すす病」も出てくるので、なるべく良い環境を作ろう!

カイガラムシは果実表面の凸凹につきやすい

まとめ

バンレイシは、見た目もユニークで、濃厚な甘味とバニラのような香りを持ち、とても魅力的な南国フルーツである.中南米や東南アジアでは古くから親しまれてきた果物であり、日本でも沖縄を中心に、秋から冬に収穫できる数少ない熱帯果樹として徐々に注目が高まっている。台湾で育種されている大型系統、さらには黄色いゴールデンタイプなど、品種の多様性もあり、日本でのバンレイシもまだまだ発展の余地が大きい果樹でもある。

栽培面では、アテモヤとほぼ同じ管理で育てることができ、しかも結実性が良い。剪定と日照をしっかり確保し、必要に応じて人工授粉を行えば、家庭でも十分に果実を収穫できる。鉢植えにも適しており「南国フルーツを自宅で育てたい」という人にとっても、バンレイシは非常に現実的な選択肢である。

まだ日本では知名度の低い果物ではあるが、実際に食べてみると、その味と個性に驚かされるはずだ。この冬、もしバンレイシを見かけたら、ぜひ一度手に取ってその味を体験してみてほしい。

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