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ニワトリで除草・耕運・施肥する移動式の小屋「チキントラクター」の作り方【DIY的半農生活Vol.46】

和田 義弥

ライター:

連載企画:DIY的半農生活

ニワトリで除草・耕運・施肥する移動式の小屋「チキントラクター」の作り方【DIY的半農生活Vol.46】

茨城県筑波山のふもとでセルフビルドした住まいに暮らし、約3.5反(35アール)の田畑でコメや野菜を栽培するフリーライターの和田義弥(わだ・よしひろ)が、実践と経験をもとに教える自給自足的暮らしのノウハウ。今回紹介するのは、ニワトリの力で、畑の除草・耕運・施肥までできる「チキントラクター」。床のない移動式の小屋で、ニワトリが草を食べてくれ、足で地面を引っかき回して耕し、フンが肥料になるという一石三鳥の仕組みだ。それを実際に使っている筆者が、作り方のポイントと使い方を詳しく紹介。DIYで簡単に作れるので、ニワトリを飼っていたらぜひお試しあれ。

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ニワトリで除草・耕運・施肥する「チキントラクター」

「チキントラクター」とは何ぞや?
初めてその言葉を聞いたら、おそらく多くの人は首をかしげると思う。チキンはご存じの通り鶏肉のことだ。ニワトリとも解釈できる。トラクターは農業で土を耕す、あのマシンですね。するってえと、ニワトリが引っ張るトラクター? いやいや、ニワトリを運ぶ機械では? または、ニワトリをデザインしたトラクターとか? たぶんそんなものを想像するのではないだろうか。でも、全部ハズレ。

チキントラクターとは、床のない移動式のニワトリ小屋のこと。ニワトリをその中に入れて庭や畑に置いておくと、雑草を食べてくれ、エサを探して地面を足で引っかき回し、フンが肥料になり、その小屋を移動させながら土を耕していくというものだ。だからトラクター。ニワトリの習性を利用したユニークな仕組みである。語感がいいし、合理的でありながら、ちょっと笑える。

ニワトリが草を食べてくれ、地面をひっかいて耕してくれる

ヨーロッパでは古くから、移動式のニワトリ小屋を畑に置いて草や虫を食べさせたりしていたようだが、チキントラクターという名前とそのシステムは、持続可能な農業の手法のひとつとして1990年代に定着したと言われている。

そりゃ、トラクターと名前がついていたって、エンジンを積んだマシンのようにはいかないが、ニワトリを飼っていて、畑があれば、やりたくなっちゃう。私がチキントラクターを知ったのは十数年前だが、その考え方に半ば感心しながら、半ば笑いながら、すぐに作ったものね。

実際、1日畑に置いておくと、その場の草はすっかりきれいになる。翌日は場所を変えて、またそこを耕運、除草してもらう。そうやって、ちょいちょい庭や畑を移動させてやれば、極めて微力ながらも、耕運や除草の役に立つ。いや、立たないかも……。でも、こういうやり方は楽しいからいいよね。

チキントラクターの跡。1日ですっかり草がなくなった

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失敗しないチキントラクターのサイズと設計ポイント

ネットで「チキントラクター」を検索すると、いろいろなサイズやデザインのものが見られる。小屋のように大きなものや、移動しやすいようにタイヤを付けたもの、ハウス用の金属パイプを使ったドーム型のものなど、その人なりに工夫してDIYしている。

いろいろなチキントラクター

製作のポイントは、サイズと使い方だろう。飼育する羽数が多くなれば、当然チキントラクターは大きくなる。設置場所にもよる。畑の畝間や通路、限られた広さの庭や家庭菜園に置くなら、ある程度コンパクトでなければいけない。また、大きくなれば、その分だけ重さが増し、移動が困難になる。タイヤを付けて転がすアイデアもあるが、畑では地面が柔らかく、タイヤが埋まってしまう恐れもある。本来、移動させながら使うものなのだから、サイズと移動のしやすさのバランスはとても重要だ。動かすのに手間や労力がかかると、そう遠くないうちに常設になる可能性が高い。

で、わが家のチキントラクターは、床面積約100×110センチの1〜2羽用。正面から見ると三角形だ。フレームは、最低限の強度を確保した細い木材(スギ)で組み、壁は金網。普段、ニワトリは小屋や放牧場で過ごし、チキントラクターを使うのは天気のいい日の日中だけだ。雨の日や、夏の気温が高い日は使わないので、雨よけや日よけになるようなものはない。扉は蝶番(ちょうつがい)のない取り外し式。簡単に作れて、とってもシンプル。小さくて軽く、手軽に移動できるのがいいところだ。

チキントラクターの作り方

材料



材料は、自宅にあった端材や廃材を利用。もちろん、すべてホームセンターで手に入る資材だ。⑤と⑥は扉の枠。
①スギ(15×45×1000ミリ)3本
②スギ(15×45×800ミリ)6本
③スギ(15×45×1100ミリ)2本
④スギ(15×45×470ミリ)1本
⑤スギ(25×25×780ミリ)2本
⑥スギ(25×25×410ミリ)2本
⑦金網 適宜
⑧スリムビス(40ミリ)適宜

なお、ここからは三角形になっている面の方を「正面(または背面)」、長方形の面(底面以外)を「側面」として説明していく。

作り方

1. 材料をカットする



②は一方の端を45度の角度にカットする。角度を設定して切断できるスライド丸ノコ(回転するノコ刃を前後にスライドさせて材料を切断する工具)があると、仕事が早い。かつ、安全で正確だ。

2. 屋根のてっぺんに側面の骨組みを付ける


①の両端と真ん中に、先端を斜めにカットした②を取り付ける。正面から見たときに、①のスギが三角形の頂点になるイメージ。屋根でいうところの一番高い部分、棟木(むなぎ)だ。材が薄く、普通のビスを使うと割れてしまうので、ドリルで下穴をあけてから、40ミリの細いスリムビス2本を使って固定する。

②には事前にドリルで下穴をあけておくと、木が割れにくく、スムーズにビスを打てる

上が普通のビス、下がスリムビス。軸が細く、頭が小さいため、木が割れにくい。今回の工作では、材料の接合にはすべてスリムビスを使用する

3. 側面の下部の材を取り付ける



②のもう一方の端にも、棟木と平行に①を取り付ける。ここでもスリムビスを使用する。

4. 正面と背面の下部の材を付ける


③は両端を45度にカットする。


両端を45度にカットした③を正面と背面の底辺になるように取り付け、左右のフレームをつなぐ。これで正面から見ると三角形になる。

5. 戸当たりを付ける


側面の一部を取り外し式の扉にするため、写真の位置に④を固定し、扉が内側に落ちるのを防ぐ戸当たりを付ける。

6. 扉を作る


⑤と⑥を四角に組んで、扉の枠にする。

7. 金網を張る



⑦の金網をチキントラクターのフレームと扉に合わせてタッカー(建築用のステープラー)で固定する。金網は金切りバサミで少し大きめに切り出しておき、最後に余った部分を切りそろえる。

8. 完成


扉は取り外し式。外側からつっかえ棒をしておけば、ニワトリが中から開けて脱走する心配はない。

簡単でしょ。多少でもDIYの経験があれば、1時間もかからずに作れる。
中にニワトリを入れておくと、1日で地面の草はすっかりきれい。軽いので移動も楽にでき、毎日、ちょっとずつ動かしながら庭や畑を耕していける。

上毎日場所を変えながら、庭や畑の草を食べてもらう。草が旺盛に育つ夏は結構役に立つ。水は容器に入れて置いておく

そうそう、以前、飼っていたウサギを入れていたこともある。ニワトリほどの効果はないが、同じように草を食べてくれる。でも、ウサギは穴を掘るので、しばらく目を放していたら脱走しておった。すぐ捕まえて鍋にしたけどね(ウソですよ)。

そうそう、今春、自給菜園と稲作をテーマにした講座を企画しています。
わが家の自給的暮らしをちょっとだけ公開しちゃいます。
興味のある方はこちらをご覧ください。

「自給菜園&稲作講座 春夏コース」

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