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【反収1,000万円超】国産バニラ×ITの挑戦。99%輸入の市場を狙う

【反収1,000万円超】国産バニラ×ITの挑戦。99%輸入の市場を狙う

お茶やサツキの名産地として知られる三重県鈴鹿市。伝統ある農業の地で今、希少な国産バニラが新たな可能性を広げています。バニラは1キロ10万円にも届く高値で取引される一方、気候管理の難しさと加工の手間がネックとなり、国内での普及は限定的でした。
この壁をテクノロジーで乗り越え、誰もが取り組める作物へと転換させているのが、吉坂包装株式会社の上田泰(うえだ・やすし)さん。同社では、バニラ栽培に必要なノウハウを体系化し、栽培データの蓄積・共有から栽培システムのパッケージ販売まで、一貫した仕組みづくりを進めています。これまで国内生産が困難とされてきたバニラ栽培を、データとITによって誰もが挑戦できる稼げる農業の仕組みへとアップデートする。伝統の地から始まる、現場の知恵を紐解きます。

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1キロ10万円の価値。「資産」としての強みを持つバニラ

バニラはラン科の植物で、その芳醇な香りはアイスクリームや洋菓子、香料など幅広い用途で世界中から需要を集めています。原産地はメキシコですが、現在の主要産地はマダガスカル。近年は気候変動による不作のリスクを抱えており、世界的なニーズの拡大と共に国際価格は高騰を続けています。そのことからも、天候に左右されない施設栽培で、国産化を実現することは、大きな市場を獲得できるチャンスを秘めているのです。

現在、国内で流通するバニラの99パーセント以上は海外からの輸入に依存しています。取引価格は1キロ数万円から、グレードによっては10万円にも届く高付加価値な作物ですが、上田さんが強調するのは、「売り急ぐ必要のない加工品」としての資産性と、既存の作物にはない収益性でした。

「バニラは収穫して終わりではなく、加工してから取引されるため、腐ることがありません。一般的な野菜や果物は、相場が暴落しても鮮度が落ちる前に売らなければならない構造的な弱みがあります。その一方バニラは保存がきく。つまり相場を見極めながら、出荷のタイミングを自らコントロールできるんです」(上田さん)

収穫後のバニラ。冷凍保存することで加工するタイミングも調整できる。

わずか10アールの面積で1,000万円超の売上を十分に狙えるバニラは、これまでにない収益性を実現する作物として期待を集めています。実際に、上田さんのもとにはすでに2年間で130社以上が見学に訪れており、その95パーセントが農業とは無縁の一般企業であることが、新たなビジネスとしての注目度を物語っています。

複雑な加工プロセスをデータ化し、品質を高めて安定させる

バニラの価値を左右する香りは、「キュアリング」と呼ばれる工程で決まります。本来この工程には、天日干しなどの多大な労力に加え、数ヶ月におよぶ熟成期間や職人の勘による見極めが不可欠でした。上田さんは、このコストのかかる工程を解消するため、専用機による自動化システムを構築しました。

バニラキュアリング専用機。

上田さんは現在も自らデータを収集しながら、バニラの香りを最大限に引き出すための最適解を日々追い求めています。「本来キュアリングは手間もコストもかかる重労働です。だからこそ私が機械と向き合い、データを通して導き出したやり方は、これから挑戦する方々へ惜しみなく共有します」と語ります。こうした栽培・加工のノウハウの提供は、吉坂包装が手掛けるコンサルティングサービスの核心であり、これまで農業に携わったことのない方にも最短距離で取り組める仕組みとして整備されています。

庫内の温度・湿度をモニタリング。バニラ本来のポテンシャルを引き出せるかは、キュアリングにかかっている。

誰が作っても高品質な香りを再現できるこのサービスは、新規事業としてバニラ栽培に参入する企業や生産者にとって、大きな支えとなっています。現に沖縄や九州、そして東京都の神津島などでは、上田さんのサポートのもとでバニラの栽培がスタートしており、その知見は地域を越えて広がりを見せています。

24時間の管理が必須。立ちはだかる労力とコストの壁

高い収益性の裏には、シビアな現実があります。バニラは苗から育てて収穫できるようになるまで、通常4〜5年という長い歳月を要します。バニラ栽培において重要なのは、理想的な環境を維持し続けることです。一年を通して温暖な熱帯の原産地とは異なり、四季による寒暖差が激しい日本の本州では、この点が課題となります。上田さんは「本来は25度から35度がベスト」と語りますが、この適正な温度を保つことは、決して容易ではありません。

特にバニラは深夜に活動し、高い湿度を求める植物です。本来であれば夜間もハウスに付きっきりのケアが必要。しかし「ここまでの制御は人の手では無理ですね」と、上田さんは断言します。さらに、ハウス建設などの設備投資も数千万円規模になります。これだけの先行投資をする以上、失敗は許されません。

バニラ栽培の収益性の裏にある厳しさについても忖度なしに語ってくれた。

この高単価という魅力を、しっかりと手元に残る利益に変えるためには、ただ栽培を成功させるだけでなく、実を大きくして秀品率を高め、全体の収量を増やして収益性を引き上げていくことが欠かせません。しかしその一方で、シビアな環境管理の負担やコストの壁という現実も立ちはだかります。その解決策となったのが、環境制御システム「アルスプラウト」の活用です。

不可能を可能にする、システムによる自動管理

24時間の管理体制を実現したのが、環境制御システムの「アルスプラウト」です。これは、栽培環境(気温や湿度、日射量など)をモニタリングし、自動で装置を動かして理想の環境を整えることができるシステムです。上田さんは「アルスプラウト」を活用することで、夜間に活動するバニラの管理を、人の目や手が届きにくい時間帯もデータで把握し、コントロールできる体制を整えました。

「夜中のミスト噴霧を自動化できたことは非常に大きいです。センサーが環境の変化を逃さず、遮光カーテンやミストを自動で操作します。また夜だけでなく、夏場の昼間、35度を超えるような猛暑日でも温度を下げてくれるので、季節問わず最適な環境を維持できるようになりました」(上田さん)
「アルスプラウト」の導入により、常にハウスに付きっきりだった管理負担が、およそ1.5人分の省力化へとつながっています。

潅水システムが作動する様子。時間や温度など、あらかじめ設定した条件で作動させることができる。最適な栽培環境を保つことにより、収穫物の規格・品質や収量性の向上が図れる。

本来なら膨大な手間がかかる管理も、今ではスマホやパソコンで状況を確認できるため、圃場に足を運ぶ回数も削減できています。機械に任せられることは、徹底的に任せる。吉坂包装の栽培パッケージに「アルスプラウト」を取り入れることで、困難だったバニラ栽培は、誰もが挑戦できる作物に進化しています。

一台2〜3時間で組み立て完了。低コストで自分でメンテナンスできる安心感が現場を支える


「アルスプラウト」の導入は、上田さんが三重県と共同でバニラの産地化に向けた研究を進めていた際、県の職員から「性能の高さがダントツだ」と紹介されたことがきっかけでした。「アルスプラウト」は、生産者が自ら組み立てや配線を行うDIY方式を採用することで、導入コストを最低限に抑えることに成功しています。一台あたりの組み立てに要するのは2〜3時間ほど。実際に使ってみた上田さんは、人手をかけずに確実な管理ができるこの強みが、農業未経験の方にも受け入れられると確信し、吉坂包装の栽培パッケージへの採用を決めています。

「アルスプラウト」の内気象ノード(モニタリング装置)。ハウス内の気温、湿度、CO2、日射などを計測し、クラウドにデータを送信する。

適切な環境の維持が求められるバニラ栽培において、設備トラブルは一刻を争う事態です。しかし、自分で組み立てる「アルスプラウト」なら、仕組みを理解できているため、万が一の際も自身で対処できます。
業者を待たずに自分たちでも解決できる安心感こそが、24時間の徹底した管理を支える大きな強みとなっています。

バニラが証明した環境制御システムの実力

自らアルスプラウトを設置して理想の環境を追い求める上田さん。その取り組みを支えているのが、「アルスプラウト」を販売する株式会社サカタのタネです。

「アルスプラウト」の技術サポートを行う株式会社サカタのタネ ソリューション統括部 村山雄亮(むらやま・ゆうすけ)さん

村山さんは、国内で事例の少ないバニラでも「アルスプラウト」が活用できることに手応えを感じています。精密な制御が求められる現場において、吉坂包装が理想とする栽培環境の実現をサポートできたことは、大きな自信につながったといいます。
「『アルスプラウト』は、現場に合わせた環境を生産者ご自身で実現できるのが大きな魅力です。一方で、システムの導入や設定などに関して不安に思われる部分もあるかと思います。だからこそ私どもがしっかりとご相談に乗り、環境づくりをサポートする体制も整えています」(村山さん)

サカタのタネが担うのは、「アルスプラウト」による環境づくりや設定面のサポートです。実際の栽培では、生産者が作物の状態を見ながら判断し、調整を重ねていくことが欠かせません。「アルスプラウト」は、その判断をデータで支え、省力化や効率化を後押しをします。

「アルスプラウト」のクラウド画面のようす。スマホ・パソコンからハウス内の温度や湿度、CO2濃度、日射量、土壌水分などを確認できる。

「アルスプラウト」は、自身のハウスや栽培環境に合わせてスペックを取捨選択できる柔軟性が、幅広い生産者から支持を得ています。国内での栽培技術が確立されていないバニラにおいて、吉坂包装の栽培パッケージに採用された実績は、生産者の挑戦を機能面から支え切る環境制御システムとして、高い信頼性を示しています。

国産バニラが描く「新しい特産品」への道

バニラの特性に合わせて専用培土と共に上田社長が自ら開発した立体栽培システム。

今回の取材で明らかになったのは、国産バニラの確かな手応えです。苗から育てて収穫するまでには3〜5年という歳月がかかるものの、上田さんが示す10アールあたり1,300万から2,000万円という売上の指標は、その期間の投資や労力を十分にカバーできるポテンシャルを持っています。これはまさに、データに基づく環境制御が可能にした現実的な数字といえます。

なにより上田さんが想い描くのは、バニラを三重県、そして日本の新たな特産品に育て、誰もが持続的に取り組める農業の形です。吉坂包装が提供するコンサルティング事業を通して、栽培ノウハウや最新のデータを惜しみなく共有する。こうした取り組みこそが、若手や新規就農者が迷わず一歩を踏み出せる環境をつくり、次世代農業のスタンダードになっていくでしょう。
鈴鹿の地から国産バニラの香りが全国へ広がる未来は、もう始まっています。

取材協力:吉坂包装株式会社

国産バニラの普及に取り組む同社のウェブサイトでは、本記事で紹介した栽培の仕組みや、環境制御システムの詳細を公開しています。
新たな事業としてバニラ栽培を検討されている企業の方や、ITを活用した農業経営に興味をお持ちの生産者の方からのご相談も幅広く承っています。
以下の公式サイト内のお問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

吉坂包装株式会社オフィシャルページはこちら

吉坂包装株式会社へのお問い合わせはこちら

お問い合わせ
株式会社サカタのタネ ソリューション統括部
〒224-0041
神奈川県横浜市都筑区仲町台2-7-1
TEL 045-945-8806
※問い合わせの際、「マイナビ農業を見た」とお伝えください

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