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ブドウを種から育てた5年間。幾多の試練を乗り越え、収穫までたどり着いた軌跡

のりんご

ライター:

連載企画:のりんごの家庭菜園日記

ブドウを種から育てた5年間。幾多の試練を乗り越え、収穫までたどり着いた軌跡

こんにちは、のりんごです。今回はブドウを種から育てた5年間の記録をお見せしたいと思います。3~4年で収穫できたらいいなと思っていましたが、現実は厳しく、虫の被害や猛暑の影響、鳥の被害など順調とはいかない5年間でした。それでも枯れることなく、年数を重ねることに大きくたくましくなっていき、やがて実をつけ、収穫までたどり着きました。この記事ではそのような5年間を日記形式で書いていますので、一つのブドウの成長物語として楽しんでいただけたら幸いです。

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なぜ種からブドウを育てたのか?

本来ブドウ栽培は種から育てると実がなるまでに非常に時間がかかるため、苗から育てるのが一般的です。しかし、たまたま食べたブドウに種が入っていたのを見て、「この種を植えたらブドウの実はなるのだろうか」という疑問がわき、興味本位で植えてみることにしました。

種まき開始:発芽まで207日…。まだまだ先は長い

ブドウの種まき

2020年8月24日。食べたブドウの種をまきました。
ブドウの種は一度寒さに当たらないと発芽しない性質があるため、土に植えた状態で春を待ちます。発芽することを信じて、春まで水やりを欠かさず行います。

ようやく発芽

2021年3月19日(207日目)。種をまいてから207日目にしてようやく発芽しました!その6日後には双葉が開きました。207日間も腐らずに発芽の時を待っていたのだと思ったら、それだけでも発芽の瞬間はとても感動しました!

成長が遅い……

2021年8月25日(1年1日目)。種をまいてから1年後に本葉が3~5枚になりました。成長のスピードが遅かったので、緩効性肥料を与えたら成長のスピードが早くなりましたが、それでも草丈は10センチ程度。まだまだ収穫までの道のりは遠そうです……。

種まきから1年後~:成長したのに、葉っぱが虫に食べられる……

無事冬を乗り越えられるのか?

2022年1月7日(1年136日目)。ブドウは落葉樹なので冬になると全ての葉っぱが落葉します。ブドウの苗は耐寒性が高く、-15度でも枯れないと言われていましたが、こんな小さい状態で冬を越せるとは思えないので、念のため、不織布を巻いて、簡易ビニールハウスで冬越しをしました。

全て落葉した状態

不織布を巻く

ビニールハウスに入れて冬越し

無事冬越しに成功

2022年4月16日(1年235日目)。この年の冬は雪が積もったり、―6度になった日もあったりしたので最悪枯れてしまうかと思いましたが、なんとか冬越しできて一安心しました。春には新芽が2カ所から出てきたので、大きく育ってほしいです。

植え替えてリング支柱を取り付け

2022年5月25日(1年274日目)。一回り大きい鉢に植え替え、リング支柱を取り付けました。これからはつるをリング支柱に巻き付けるあんどん仕立てで育てていこうと思います。

虫に葉っぱがほとんど食べられる……

2022年8月14日(1年355日目)。ここで問題発生!6月の中旬頃からハマキガの幼虫(ハマキムシ)やススメガの幼虫に葉っぱを食害されてしまいました。見つけ次第、テープで捕っていましたが、スズメガの幼虫はブドウの茎に擬態しているため、気づかず半分以上の葉っぱが食べられてしまいました……。想像以上の食害でこんなに一気に葉っぱがなくなったことに驚きました。スズメガの幼虫はかなり要注意です。

左側の茎の葉が全て食べられてしまった

ハマキムシの被害にあった葉

茎に擬態しているスズメガの幼虫

今年は側枝も何本か出ていたので、一気に大きくなると思って楽しみにしていたのですが、思ったより大きくなりませんでした。虫に葉っぱが食べられなければもっと大きくなったと思うのですが、枯れなかっただけよかったと思うしかないですね……。
来年はスズメガの幼虫がつかないように何かしら対策を打たないといけないなと思います。

種まきから2年後~:猛暑で新芽が全て枯れる!

2回目の冬を乗り越えられるのか?

2022年12月18日(2年116日目)。ブドウの苗が大きくなったので、今年は不織布を巻くなどして、ビニールハウスに入れずにこのままの状態で冬越ししてみます。少し不安ですが、もし枯れそうになったら不織布を巻こうと思います。
2回目の冬、無事に乗り越えられますように……。

無事冬越しに成功

2023年5月9日(2年258日目)。株が大きくなったのもあり、このまま冬越しできました。春にはたくさん新芽が出てきて今年はさらに大きくなることが期待できます。今から楽しみです。

12号鉢に植え替え

根詰まりしていたのか、新芽が何度もしおれてしまったので、急いで12号鉢に植え替えました。

新芽が枯れ続ける

2023年7月3日(2年313日目)。大きい鉢に植え替えたので、葉数は増え、かなり株が大きくなりました。

しかし、新芽がしおれる状態が続きます。最初は水切れを起こしているのかなと思いましたが、土は湿っていました。となると「葉っぱに虫が隠れている?」と思い、全て確認しましたが虫はいませんでした。
それ以外にもいろいろ調べてみたものの、これといった原因が全くわからず悩み続ける毎日です……。

もしかして暑いのかな?

2023年7月20日(2年330日)。あれから数週間以上経ちましたが、新芽付近がしおれる現象がまったく治まりません。
もしかして、暑いのかな……?
寒冷紗をかけて直射日光を遮ってみることにしました。

すると数週間後には新芽が全て復活しました!
一時はこのまま枯れたらどうしようかと悩みましたが、なんとか回復してくれてよかったです。

新芽付近の葉のしおれがなくなる

種まきから3年後~:今年は咲くと思ったが……

2024年4月15日(3年235日目)。昨年株がかなり大きくなったので、今年は花が咲くだろうと期待していたのですが、咲きませんでした。花芽は前年の7~8月に形成されるみたいなので、まだ株の大きさが十分ではなかったのかもしれません。

今年は月に1回、緩効性肥料を与え、来年の開花を信じて待つことにします。

種まきから4年後~:待ちに待った開花!そして収穫へ!

花穂を確認!

2025年4月21日(4年241日目)。さらに1年経ち、ついに花穂が出ました!
ブドウの花穂は3~5節目に出ます。葉っぱが出始めてから毎日確認しては、「まだ花穂が出ていない」とがっかりしていました。だからこそ、花穂が出たときの喜びは今でも忘れられません。

待ちに待った開花

こんなに摘蕾して大丈夫?

2025年5月15日(4年265日目)。ブドウのつぼみがたくさん出てきました。全ての花を残してしまうと粒が不揃いになったり、粒同士がぶつかって裂果したり、落花の原因にもなるので、ブドウの房の先端から5センチだけ残すようにして残りのつぼみを切り詰めます。
作業中、「こんなに切っちゃって大丈夫かな?」と何度も不安になったので私は先端から6センチ残すようにしました。

摘蕾前の花穂

摘蕾後の花穂

ジベレリン処理に挑戦

2025年5月22日(4年272日目)。ブドウの花が満開になりました。
ブドウの花を今まで見たことがなかったので、思っていた満開の状態と全然違ったのでびっくりしました。どうやらブドウの花は花びらがないようです。
満開になったら、種なしブドウにするために、ジベレリン処理をしました。10日後には果実の肥大を促すために2回目のジベレリン処理を行いました。

満開になったブドウの花

ブドウの色がおかしい!?

2025年6月19日(4年300日目)。またまた問題発生!日に日に大きくなっていくブドウを見て喜んでいたら、ある日ブドウが干しブドウになっていました……。
調べてみると、どうやら日焼けのようです。今年は猛暑の日が多かったからか、6月中旬だというのにブドウの実が日焼けして枯れてしまいました。
そこで猛暑対策として、寒冷紗や遮光ネットをかぶせることにしました。

きれいなブドウを作るための袋掛け

2025年7月17日(4年328日目)。ブドウの実が大きくなってきたので、袋掛けをしました。あまりブドウの色づきがよくなかったので、ブドウの房が減るのはとても怖かったのですが、11房あったうちの3房を摘房して8房を育てることにしました。
これで色づきがよくなってくれるといいのですが……。

ブドウがない!

2025年7月30日(4年341日目)。日に日に着色が進んでいくブドウを見るのが楽しみになっていた毎日でしたが、いつものようにブドウの様子を見に行くと、ブドウがありません!

なんと、鳥に食べられてしまったようです……。鳥や動物は食べごろを本当にわかっていますね。ちなみに翌年、監視カメラを設置して様子を見るとハクビシンに食べられたので、もしかするとこの時の犯人もハクビシンだったかもしれません。
何度も袋の中をチェックするのが大変だったので、数房ほど袋掛けをしないで栽培していたのがよくなかったのだと思います。

収穫まであと数週間。なんとか残りのブドウは無事であってほしいです……!

いよいよ収穫

2025年8月15日(4年357日目)~2025年9月6日(5年14日目)。袋掛けをしたり、ネットをかけたりといろいろ対策を打った結果、無事ブドウはおいしそうな紫色になりました。
もっと濃い紫色になるまで待とうかなとも思ったのですが、また鳥や動物に食べられてしまったら悲しいので、色づいたものから収穫することにしました。
夜の気温が下がると色づきやすいようですが、この年は熱帯夜も多く色づきが遅かったので、ちゃんと紫色に色づいてくれて安心しました。

糖度を測ると平均糖度19度でとても甘かったです。今回はそのまま食べる以外にもブドウの皮で色水を作ってブドウゼリーにしました。ブドウの甘さと透き通る紫色のゼリーが暑い夏にぴったりでおいしかったです。

栽培の振り返り

このようにブドウを種から育てて5年かかりました。地植えにすれば3年や4年で収穫できたのかもしれません。序盤の成長の遅さや虫の被害などで苦戦はしたものの、ブドウの茎は挿し木もできると言われているだけに生命力は高く、枯れずに無事収穫までたどり着けることができてよかったです。

良かった点

良かった点は、果物を収穫するまでに種からどのように育っていくのかといった経過を全て知ることができた点です。1年目の小ささを見ると、本当にブドウ棚が作れるくらい立派な木になるのかなと不安でしたが、時が経つにつれ、だんだんたくましくなっていく姿に感動しました。

改善できそうな点

店で売っているような粒のそろったブドウにならなかったので、おそらく房をつけすぎていたと思います。来年以降はもう少し房の数を減らしてきれいな形のブドウができるように育てていこうと思います。
また、葉の管理がちゃんとできていなかったため、葉の成長に栄養がいっていました。もっとブドウの実に栄養を集中させるために、定期的に摘葉をしていこうと思います。

まとめ

最近は種なしブドウも増えてきたので、種からブドウを育てる機会が減ってきましたが、5年も育てると愛着も湧きますし、花が咲いて実がなったときの喜びはひとしおです。家でブドウ狩りが楽しめるのは育てた方の特権ですよ。苗からでもいいのでぜひこの機会に育ててみてはいかがでしょうか。

「YouTubeでわかる! スーパーで買った野菜・果物で家庭菜園」(マイナビ出版)

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