自給自足の暮らしに憧れて辿り着いた。「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法【ファームジャーニー:長野市大岡】 – マイナビ農業

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自給自足の暮らしに憧れて辿り着いた。「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法【ファームジャーニー:長野市大岡】

自給自足の暮らしに憧れて辿り着いた。「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法【ファームジャーニー:長野市大岡】

2017年08月17日

長野県で農家を営む遠藤さんは、農家を志していたわけではなく、自給自足の暮らしを実践したいと、埼玉県から長野県へ移り住みました。ゼロから農業を学び、自然農法を実践するまでに至った経緯について詳しくお聞きしました。

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「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法

北アルプスを望む長野市大岡で、農薬や化学肥料を一切使わない、自然に寄り添った農法で少量多品種の作物を育てる「農楽里(のらり)ファーム」。15年ほど前に「自給的な暮らしをしたい」と思い立ち、埼玉県から長野県大岡へ移住し、ゼロから農業を学んだ遠藤夏緒(えんどうなつを)さんにお話をうかがいました。

自給自足の憧れがきっかけで、思いがけず「農家1代目」に

遠藤さんが営む農楽里ファームは、白馬三山と戸隠連峰を望む、信州の湧き水が出てくる小さな集落にあります。棚田の中に古民家が点在し、昭和の風情が残る環境の中、米や山菜、ジャガイモ、ニンジン、長ネギ、大豆など、たくさんの種類の作物を少しずつ育てて卸しをしたり、直接販売をしています。

「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法

遠藤さんが大岡の地に移り住んだのは、およそ15年前。30代半ばのことです。「自然農を実践する川口由一さんの著作や、哲学者の内山節さんのエッセイなどを読み、自然の中で自給自足の生活をすることに憧れを持ち、自らも実践したいと思ったんです」

大岡という場所を選んだのは、北アルプスを望む素晴らしい景観に惚れたから。湧き水も豊富で、空気もとても澄んでいて、「自然の中での暮らし」に惹かれていた遠藤さんには心動かされるものがありました。

「今住んでいる家を古民家として紹介されました。母屋の周囲一面が金色のフクジュソウに囲まれていて、その美しさに魅了されたのも決め手になりました」

遠藤夏緒(えんどうなつを)
遠藤夏緒(えんどうなつを)さん

その時点では、職業として農家を志したわけではありませんでした。しかし、自給自足の暮らしをするためには当然、家族で食べる程度の作物を作り、育てる必要があります。そこで遠藤さんは、「自然農」を実践しようと土作りから勉強を始めました。

「自然農は時間をかけて土を育てていかなければなりません。借りている土地だと、いつか返さなければならないので、自分の土地を持ちたいと思いました。いろいろと調べたところ、農地を買うためには『農地法』という法律によって農家である条件を満たさなければならないことがわかったんです。その結果農家1代目となりました」

肥料・苗・畑作りも「自然」を徹底

「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法

農楽里ファームでは、畦(あぜ)の刈り草や米ぬか、大豆、もみ殻、もみ殻くん炭などの植物系の肥料を最小限に抑えて使う自然農法を目標に、すべての作物を育てています。大豆などの作物によっては、完全無肥料栽培を実践しています。

さらに、苗作りに必要な培養土は、自家製のほか、有機JASの認定を受けた資材を使用。種子については、自家採取のほか、自然農法センターの種子、農薬処理のされていない種子を厳選して使用しています。

圃場(ほじょう)については、田んぼを畑に、畑を田んぼに転換する田畑輪換や、畑作物の輪作、コンパニオンプランツなどを試み、雑草や病害虫の発生を回避する工夫を試みています。また土耕せずに作物の生きる力を最大限に引き出す「不耕起栽培」や「半不耕起栽培」にも取り組んでいます。

少量多品種を手がけているのも農楽里ファームの大きな特長

「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法

「春にはフキノトウなどの山菜から始まり、季節が移り変わるとカンゾウ、アサツキ、セリ、葉ワサビ、山ウド、ミツバ、ノビル、タラの芽が収穫できます。4月中旬ごろからジャガイモや長ネギの植え付けが始まり、同時に葉物野菜などの種まきがスタート。大豆の種まきは6月下旬に開始し、枝豆の旬が9月中頃、大豆の収穫は11月中旬。田んぼの作業は4月の1週目から稲の苗作りを始め、5月半ばに田植え、稲刈りは10月中旬から。冬の間は収穫した大豆や古代米の選別をしたり、お餅作りをしています」

農楽里ファームの野菜は「味がキレイ!」

人工的なものは避け、徹底的に「自然」にこだわって育てた野菜は、葉の色が鮮やかで、見た目も味も爽やかです。「農楽里ファームの野菜は、味がキレイ!」。農業体験に訪れた5歳の子どもが、茹でたブロッコリーを食べながら発した言葉です。

「『こんなに少なくてよいのかな?』と心配するほど、少ない肥料で育てる方が、健康に美味しく育つんです。成長はゆっくりで野菜の形も小さめになりますが人の健康と一緒ですね。栄養過剰は病気を招き、薬を使わなければならなくなりますから」と、遠藤さん。

「手間ひまをかけて育てた作物を、喜んで食べてくださるお客さんがいるということが、私の喜びです」

覚悟と愛と感謝が新規就農成功の秘訣

「農楽里ファーム」で取り組む有機・無農薬・自然農法

「一瞬一瞬、刻々と変化する自然に、日々触れながら生きている。その自然を相手に仕事をし、暮らすことができている。自然の美しさに感動し、心洗われる毎日です」と、遠藤さん。

ここまで困難もありましたが、農家になって15年を経た今、農場の運営がきちんとまわっているのは、縁があった土地に、根っこを張る覚悟があったからと語ります。

「その土地を愛すること、その土地の人たちに感謝の気持ちを忘れないことが大切。覚悟と愛、感謝が新規就農成功の秘訣ではないでしょうか」

今後もさらに大地に根を張り、心身ともに健康で美しい暮らしを営む。そして、食べた方にも幸せを感じてもらえるような作物を作っていくことが、農楽里ファームの目標だそうです。

 

農楽里ファーム
長野県長野市大岡甲1791
http://www.norari-farm.com

※写真提供:農楽里ファーム

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