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販売本数5,000本!女性農業家と自然派化粧品メーカーが手掛ける100%食用成分のハンドクリーム

販売本数5,000本!女性農業家と自然派化粧品メーカーが手掛ける100%食用成分のハンドクリーム

女性農業家の知恵と経験を生かした商品を作りたい、という思いで始まった「農業女子いしかわハンドクリームプロジェクト」。石川県産の農作物を使い、乳化剤、香料、鉱物油を使わないハンドクリームは、自然派化粧品メーカー「ルバンシュ」とのコラボレーションで生み出されました。

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石川県の女性農業家が中心になって企画・製造・販売を行ったハンドクリームが、注目を浴びています。同県能美市の自然派化粧品メーカー、株式会社ルバンシュとタッグを組んで世に送り出したこの商品は、発売1年で5,000本を売り上げる大ヒット商品となりました。人気の秘密は一体何なのでしょうか。このプロジェクトを全面的にバックアップした、ルバンシュ代表取締役の千田和弘(せんだかずひろ)さんにお話をうかがいました。

女性農業家と自然派化粧品メーカーの強力タッグ


ルバンシュは、食用成分を使った安全な化粧品を作り続けている化粧品メーカーです。地元の野菜や果物を原材料とする商品もあり、社長の千田さんは常々、「農業家の方たちの力になりたい」という思いを持っていました。そんな両者が手を組み、2015年3月、「農業女子いしかわハンドクリームプロジェクト」が始動しました。

プロジェクトの中心となったのは、石川県の女性農業家グループ「石川なないろ~I☆M☆J」のメンバーの方々です。全員が、米や加賀れんこん、ブルーベリーなどを栽培する農家の女性たちです。

「女性農業家の知恵と経験を生かした商品を作りたい」という思いからスタートした当プロジェクトで、製造に名乗りを上げたのは、同県能美市の自然派化粧品メーカー・ルバンシュでした。ルバンシュ社長の千田さんは、発足当初からプロジェクトに参加し、製品ができるまでを見守ってきました。

「石川県は豪雪地域なので、冬は農閑期です。ハンドクリームは冬に売れる商品ですから、農閑期をうまく活用して、メンバーのみなさんに自分たちが関わった商品を販売してもらうことができる。とても面白い試みだと思いました」(千田さん)

女性農業家ならではのこだわりがいっぱいのハンドクリーム


ハンドクリームを作るに当たって、メンバーの方たちがこだわったポイントは4つ。

①地元の農産物を使う
②食べられる成分のみで作る
③乳化剤(界面活性剤)を使わない
④紫外線ケアもできるとうれしい

特にこだわったのが「食べられる成分だけで作る」ということでした。農業家の手は、農産物に直接触れるものです。万が一、口に入っても安全なハンドクリームが作れたら、農業に携わる方はもちろんのこと、多くの人の役に立つはずです。メンバーの要望をまとめた結果、この4つが開発コンセプトとなり、実際の製造がスタートしました。

ルバンシュの先端技術で、こだわりのハンドクリームが完成


試作品を作っては実際に使ってみる、という工程を幾度も繰り返し、改良を重ねていきました。特に、香りや使用感については気を配りました。香りつきのハンドクリームだと、農作物に触れる際、香りが移りかねません。「ハンドクリームは香りで選ぶ、という方もいらっしゃいますが、農業に携わる方のハンドクリームに強い香りは適しません。結局、香料フリーで作ることになりました」。同じ観点から、べたつきや肌なじみの良さなどにも配慮しました。

紫外線ケアの機能については、ルバンシュの先端技術が力を発揮しました。「UVカットには石油系材料を使うのが一般的です。しかし、今回は『食べられる成分だけを使う』という命題があったため、それは使えません。試作を繰り返し、米ぬかに含まれる成分で、紫外線カット効果のあるオリザノールの配合に成功しました」。夏の暑さを耐え抜く米は、それ自体に紫外線を防ぐ機能が備わっているのだと言います。

地元の加賀太きゅうり(かがふときゅうり)やブルーベリーのエキスを配合し、「地元産野菜の使用」の条件もクリア。乳化剤、香料、鉱物油を使わないハンドクリームが完成したのは、プロジェクト発足から1年後の2016年3月のことでした。

累計販売5,000本達成!女性農業家の営業活動


商品名は、「畑の中でも、不思議の国のアリスのようにかわいらしく、イキイキ・キラキラ・ワクワクと活動したい」という願いを込めて、「畑の国のアリス ハンドクリーム」と名付けました。発売日は、ひな祭りにちなんだ2016年3月3日。既にハンドクリームの需要期である冬を越していましたが、メンバーたちは販売活動に挑みました。
パッケージのシールを一つ一つ手作業で貼り、地元の道の駅やマルシェで手売りし、少しずつファンを獲得していきました。口に入れても安全で、香り移りしないハンドクリームは、子どもを持つ方や、料理人の方などにも喜ばれました。コツコツと販売活動を広めていった結果、1年間の販売本数は5,000本を突破したのです。

「大企業を除けば、1,000本以上を1年以内に売り切るオリジナル化粧品の割合は2割から3割程度です。5,000本という数には、私も驚きました。5,000本のうち1,000本は、コアメンバーの6人で売り切ったんですよ。彼女たちのモチベーションの高さには脱帽です」。
販売ノルマもない中、5,000本もの売上を記録し大成功を収めたのは、ひとえにメンバーの熱意のたまものでした。

女性農業家を応援する多くの人の気持ちが詰まった商品

「畑の国のアリス ハンドクリーム」を使ってみると、のびが良くさらっとしていて、べたつきません。塗った手をなめてみても、一般的な化粧品が口に入ってしまった時の嫌な感覚はなく、まったく味がしません。これなら、すぐに料理をしたり、子どもにご飯をあげたりすることも躊躇なくできそうです。

(ルバンシュ代表取締役 千田和弘さん)

女性農業家を応援したいというたくさんの人たちの気持ちから生まれた「畑の国のアリス  ハンドクリーム」は、ルバンシュのホームページから購入できます。「畑の国のアリス」の次回作にも期待が高まります。

【関連記事】

加賀野菜を化粧品に 自然派化粧品ルバンシュの「食べられる化粧品」作り

株式会社ルバンシュ
http://www.revanche.co.jp/
ルバンシュオンラインストア
http://www.revanche.jp/
写真提供:株式会社ルバンシュ

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