有機農業×福祉が未来を切り開く! 新しい農業を描く「ベジモファームB」の可能性 – マイナビ農業

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有機農業×福祉が未来を切り開く! 新しい農業を描く「ベジモファームB」の可能性

有機農業×福祉が未来を切り開く! 新しい農業を描く「ベジモファームB」の可能性

2017年08月30日

2017年3月に「全国農福連携推進協議会」が発足。農福連携が盛んになることで、持続可能なサービスとして、オーガニックが日本に根付くきっかけになっていくと語るサインズ代表の小林さん。ビジネスの基盤上にある福祉事業の強みや、障がい者雇用における有機農業の価値について迫ります。

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「有機農業は野菜がおいしいだけでなく、作り手にとっても大きな価値がある」と話すのは有機野菜の生産・宅配、有機農業スクールやレストラン事業を手がける、サインズ株式会社代表の小林寛利(こばやしひろとし)代表さん。同社は、障がい者の就労継続支援事業所「ベジモファームB」(愛知県)、「野のファーム」(栃木県)を運営しています。有機農業と福祉の可能性について、小林さんにお話をうかがいました。

関連記事:初めての有機農業を応援 初心者にも奥深さを分かりやすく「ベジモ有機農業スクール」

失敗を糧とし、「ベジモファームB」「野のファーム」をスタート


小林さんが運営する「ベジモあいち」は、有機野菜の生産・通販事業で、愛知県豊川市にメーンファームがあります。その土地で生活している人は、その土地で育ったものを食べるのが、おいしくて体に良いという「身土不二(しんどふじ)」の考えのもと、近隣の愛知県、岐阜県、三重県、静岡県限定で宅配サービスを行なっています。

小林さんにとって新規就農であったものの、2008年に会社を始めてから有機野菜の販売事業は顧客を増やし、2011年には移動販売を開始。直営オーガニックレストラン「Vegimo deli&豊橋店」(愛知県豊橋市)もオープンし、6次産業化も行っています。

以前から、有機農業と福祉の連携に先見性を見出していた小林さんは、畑作業などで障がい者の雇用に挑戦したことがあるそうです。しかし、経営者側の障がい者への理解が足らず、この時は障がい者の雇用は実現できませんでした。

「障がい者の個性を理解し、それを活かすにはどのように体制を整えるかが重要」と痛感したそうです。この経験を糧とし、現在の「ベジモファームB」「野のファーム」の構想へつながっていきました。

ビジネスの基盤の上に福祉事業を。強みを生かした経営が功を奏した


2013年に、栃木県佐野市に「ベジモとちぎ」と、障がい者就労継続支援多機能事業所として「野のファーム」を開設。2016年11月から「ベジモあいち」でも、障がい者の就労継続支援事業所B型である「ベジモファームB」が始まりました。就労継続支援事業は、障がい者が雇用契約を結ぶA型と、雇用契約を結ばないB型の2種類があり、「ベジモとちぎ」はA型とB型を兼ねており、「ベジモファームB」はB型に該当します。

両事業所では、支援の必要な知的、身体、精神の障がいがのある方が、ベジモのスタッフとともに畑の作業や袋詰め、計量などや出荷を行います。定員20名で、10代から60代と幅広い年齢層の障がい者の方が働いています。基本的に1日5時間で週5日通いますが、個人の体調や体力、就農経験などの段階に応じて調整するそうです。ひと月の工賃は最大22,000円で、全国平均の15,033円(平成27年度就労継続支援B型事業所の平均月額工賃、厚生労働省)よりもやや高めに推移し、同時に野菜の出荷数も伸張しています。

「福祉事業に新規参入すると苦戦するケースも多いですが、私たちの場合はもともと、ベジモあいちでのビジネスのベースが整っていたので、会社と利用者の方で、双方によい結果がもたらされました。経営基盤があることは私たちの強みでもあります」と小林さんは話します。

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