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冷蔵庫に入れないほうがいい野菜とは?

冷蔵庫に入れないほうがいい野菜とは?

2017年09月25日

野菜の貯蔵に適した場所として冷蔵庫が一番多く使われていると思います。野菜によっては、冷蔵庫に入れる事でかえってダメになってしまう事もあります。低温で保存する事の意味と、適さない理由はなぜかを考えてみたいと思います。

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保存のための適度な温度は様々

保存のために野菜や果物、いわゆる「青果物」を貯蔵する環境は温度によっていくつかに分類する事ができます。

・自然の温度下での貯蔵→常温保存

・暖かい地域や季節に低い温度化の環境を用意して貯蔵→低温貯蔵

・寒冷地や冬期などに凍害を防ぐために保温して貯蔵→保温貯蔵

この他、一般家庭で行うのは難しいのですが、青果物自身が出すガスによる劣化を防ぐ「CA貯蔵」など、流通の段階では青果物の劣化を防ぐために、きめ細やかな貯蔵方法が考案され実施されています。

出荷は行っていなくても、昔から自家用作物などを栽培して長期保存している家庭などでは、それぞれの野菜に適した保管場所が用意されている事もあります。食べる野菜は購入するだけという家庭の場合は、買ってきた野菜はとりあえず冷蔵庫に。となるかもしれません。冷蔵庫の場合、貯蔵温度のカテゴリーとしては「低温貯蔵」になります。多くの物はそれでも問題無いのですが長期保存の場合、冷蔵庫での保存が適さないものは低温による劣化で「冷蔵庫に入れたのに腐った」という現象が起きる事があります。これを「低温障害」と呼びます。

低温貯蔵の意味

冷蔵庫などの冷所で低温貯蔵を行うのは以下のようなメリットがあります。

・野菜の呼吸を抑えたり代謝活性を遅らせる

・蒸散作用を抑制する

・成熟によって軟化したり変色する事を遅らせる

この作用については「野菜や果物を冬眠させる」という風にイメージするとわかりやすいかもしれません。野菜は収穫された後でも呼吸をしていますし、追熟もします。常温でむき出しのまま放置しておくと、乾いたり腐ったりしていくのを寒いところに置く事で野菜の活動を鈍らせて劣化を遅らせるわけです。

野菜に必ず付着している微生物や菌が低温の環境では活動しにくくなるため、追熟ではなく微生物や菌の増殖で起きる腐敗やカビの発生を抑える事につながります。

冷蔵庫では温度管理が難しい

冷蔵庫の温度は野菜の貯蔵というより、食品が腐敗しないよう微生物の活性を抑える低温下での保管を目的としたものになっているので、元々野菜を入れるには温度が低めです。そのため「野菜室」が設けられているものは、冷蔵室より若干高めの設定となっています。

・冷蔵室→約3℃から5℃

・野菜室→約5℃から7℃

野菜の貯蔵は野菜室を使用した方が良いのですが、野菜によっては野菜室でも低すぎる事があります。

熱帯・亜熱帯原産の物は低温が原因で腐りやすい

通常は涼しい方が長持ちする青果物のうち、暑い環境で育つ物は低温にあてると痛みやすく、低温障害を起こします。バナナやマンゴーなどの熱帯原産のフルーツの他、ナスやトマトなどの身近な野菜も低温障害が起きやすい物の仲間です。具体的にはどんな野菜がどの温度で障害が起きるのかをまとめたものが以下の表になります。
引用:低温障害|日本食品科学工学会誌 Vol. 43 (1996) No. 3 P 336-337※ピッティング→クレーター状の陥没が起きる事

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/43/3/43_3_336/_article/-char/ja/

低温障害の原因

低温障害が起きる原因としては、元々その植物が生まれた環境による要因に気候が大きく関わる以外の理由はありません。暑い環境に適応したため、低温に対抗するシステムが元から備わっていないのです。低温障害で起きる症状は野菜によって異なってきますが、共通するのは「寒さで凍傷(火傷)になってそこから腐り始める」というイメージがわかりやすいかもしれません。

家庭ではどうすればいいのか

購入して劣化する数日以内に食べきる場合はそれほど神経質になる必要はありませんが、根菜などをある程度の長期貯蔵する場合は冷蔵庫に入れない方が長持ちします。また温度だけに気を取られがちですが、蒸散といって野菜などが呼吸する事で水分を失い、しなびて劣化する野菜も多いのでその点でも注意が必要です。

常温とは

これは「エアコンなどを入れていない自然な状態の室温」ではありません。実は「常温」はJIS(日本工業規格)で「15℃から20℃」と定められています。真夏や真冬で温度調整されていない部屋は常温から外れてしまいます。夏の場合、エアコンを24時間入れたままにしている部屋があればそこに置いておくのがベストです。

夏野菜の保存は一手間かける

ナスやキュウリなども数日以内であれば野菜室で良いのですが、たくさん収穫できた時やもらった時など、一週間程度持たせたい場合は保存に一手間必要です。以下に記載がない野菜でも、暑い時期に収穫できるものを野菜室に入れる時は新聞紙などで包んで、冷気を和らげてやる方が長持ちしやすくなります。

ナス

低温障害も起きやすいのですが、乾燥による劣化も起きやすいので冷えすぎない場所であっても、丸のままではすぐにしなびて傷んできます。ラップに包んで野菜室に入れます。極端な高温でなければ、多少暑い部屋でも室温の方が劣化は少ないかもしれません。ただし、乾燥でしなびてしまわないようポリ袋に入れるか新聞紙でくるむなど蒸散で水分を失わせないようにします。

キュウリ

キュウリは水分に当たる事で腐りやすく、自分の蒸散した水分でも表面から腐り始めたりします。購入した場合でも、ポリ袋から出して新聞紙かキッチンペーパーなどで包み、スペースがあれば立てて保存します。

トマト

熟れている度合いで置き場所が変わって来ます。青いトマトの場合は、冷蔵庫に入れると固いまま腐ってしまうので室温に置いて追熟させます。熟れているものは冷蔵庫に入れて熟しすぎる事がないよう追熟を止めます。冷蔵庫に入れる場合はポリ袋に入れるかラップに包んでヘタが下になるよう置きます。生で食べ切れない時は、加工してから冷凍した方が良い野菜の代表的なものです。

オクラ

冷蔵庫に入れると野菜室でも劣化が早いので、コップに少し水を入れた状態で生けた方が長持ちします。30℃前後の極端な高温が続かなければ、室温で生けておいた方が何もせず野菜室に入れるよりも長持ちします。冷蔵庫に入れる場合は、コップごとにラップに包んで野菜室に入れます。

ピーマン

水に弱いのですが、キュウリやナスほど果実に水分を含んでいないので紙に包む必要はなく、ポリ袋に入れるかラップに包んで野菜室で保存します。

根菜、切っていない野菜は冷蔵庫に入れない方が長持ちする

ジャガイモやタマネギなどは冷蔵庫に入れず、光を遮った状態で保存する方が長持ちします。そもそも収穫してからしばらくは休眠状態であるため、冷蔵しなくてもそれほど劣化はしません。暑い時期に部屋が高温になる場合など、ジャガイモは新聞紙で包んだ上でポリ袋に入れて野菜室に入れます。タマネギは密封すると傷むので、風通しのよい所で乾燥させるようして保存します。

例外として、絶対に冷蔵庫に入れてはいけないのがサツマイモです。サツマイモは根菜としては低温障害が特に出やすいので、夏でも冷蔵庫に入れないようにします。冬期は置き場所によっては、おがくずなどに埋めて保管する必要があるくらいなので、冷蔵庫に入れると腐ってしまうからです。

カボチャもカットしたものは切り口から劣化するので、ラップに包んで野菜室に入れなければなりませんが、丸ごとのままであれば冷蔵庫で長期保管すると腐ってしまうので、室温で保存します。

低温に弱い野菜の保存に適した温度

必ずしもその温度の環境におけるものばかりではありませんが、目安として覚えておくと便利です。

 

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