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オーガニック視点で考える農業のススメvol.3:日本有数の有機農業・埼玉県小川町 Organic Fesに込めた有機農業の輪

オーガニック視点で考える農業のススメvol.3:日本有数の有機農業・埼玉県小川町 Organic Fesに込めた有機農業の輪

2017年10月04日

2017年9月9日(土)、有機の里・埼玉県小川町の豊かな自然の中で開催された《Ogawa Organic Fes》(通称:オガフェス)に行ってきました。「五感でオーガニックを感じる一日」をスローガンとし、今年で4回目を数えるオガフェスは、2014年の初回開催時から、オーガニックや環境問題に関心のある若いアーティストの賛同と参加が多いのが特徴です。また、地域に広がるオーガニックをテーマとし、イキイキとしていて、元気なオーガニック・イベントだという印象を受けました。

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オガフェス

若いアーティストやモデル・各種専門家の発信力で幅広く集客

今年のオガフェスも、環境省の「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトとの共催となり、連携するアクティビストチームMOTHER EARTHのアンバサダーであるアーティストや環境関連専門家が音楽ステージやトークステージに登場しました。

オガフェス
オガフェス
音楽ステージの最終枠では「つなげよう支えよう森里川海」プロジェクトのテーマソング『MOTHER EARTH』を作詞・作曲・編曲したMINMIさんが登場して、イベントの締めくくりを盛り上げました。

オガフェス

MOTHER EARTHのアンバサダーにはアーティストやモデル、エシカルファッション関係者やフードコーディネーター、菜園料理家が名を連ねており、これらの人々の発信力が、若者、ファミリー層、食に関心のある女性たちなど、幅広く集客する原動力としてうまく機能しているようです。

MOTHER EARTHアンバサダー
MOTHER EARTHアンバサダー

また、ファミリー層のためのキッズエリアのプログラムも充実していました。小川町ならではの紙すきや和紙ちぎり絵体験、つみきっず広場やコースターづくりなどのコンテンツが盛りだくさん用意されていて、小さいお子様がいるご家族でも一日中楽しめるような仕組みになっていました。

紙すき
つみきっず広場

有機農業の聖地のひとつ、埼玉県小川町で広がる有機就農者の鎖と輪

埼玉県南西部に位置する東武東上線の終点「小川町」は、2014年ユネスコ無形文化遺産に認定された「和紙・日本の手漉和紙技術」のなかの細川紙の手漉き技術を守る町として全国的に知られるようになりました。
小川町
また、埼玉県小川町は、山形県高畠(たかはた)、千葉県山武(さんむ)と肩を並べて、日本でもっとも早い時期から有機農業に取り組んだ町として挙げられます。

小川町の有機農業は、1971年に下里地区にある《霜里農場》の金子美登(かねこよしのり)さんが最初の種を撒き、スタートしました。

小川町

以前、講演会でお聞きしたのですが、金子さんが始めた当初、有機農業はあまり順調にはいきませんでした。そして、いよいよ諦めないといけないかと心が折れそうになったときに支えてくださったのが、有吉佐和子(ありよしさわこ)さんだったそうです。朝日新聞で環境問題を取り上げた『複合汚染』という小説を連載し、大反響を呼んだ有吉さんが、金子さんの取り組みを知り、支援してくれたとのことでした。

そうして少しずつ軌道に乗りはじめ、1983年には金子さんの《霜里農場》での研修を修了した卒業生の中から小川町で初めての新規就農者が誕生しました。また、その卒業生が始めた農場からも新たな就農者が羽ばたくようになり、有機就農者の輪が広がっていきました。

その後、1995年に小川町有機農業生産者グループが設立され、2003年には共同出荷も開始しました。さらに2006年に国の有機農業推進法成立してからは、2008年に小川町有機農業推進協議会が設立されました。

現在では、60人以上の就農者が小川町とその周辺の地域で有機農業に励んでいます。耕作面積に占める有機占有率は約14%だと言われていて、世界有数の有機の里といえるでしょう。

オガフェスのオーガニックマルシェに出店していたシンガ―ソングファーマーで《蔬菜(そさい) 沓澤農園》代表の沓澤周一(くつざわしゅういち)さんも金子さんの孫弟子だそうです。風の丘ファームで研修を受け、2015年6月に独立されました。

小川町

沓澤農園では、農薬と化学肥料は一切使わずに野菜を生産し、お野菜ボックスで定期購入希望者にお届けしたり、単発での注文にも対応したりしています。また、マルシェやイベントにも積極的に参加して、お野菜のおいしい食べ方をお客様に伝えるのを楽しみにしているそうです。

会場に並んでいた野菜は、10分程煮るだけで簡単にほどけるそうめんかぼちゃ(錦糸うり)や、生のまま皮ごと食べられるかぼちゃのコリンキー、姫冬瓜、バターナッツなどの重量系をはじめ、タイ料理によく使われるプリッキーヌなどの珍しい野菜、ナス、バジル、大葉など10種類以上が並んでいました。また、一緒に並べられたお豆クリップなどは、沓澤さんの奥さまが趣味で栽培されている、可愛らしく目を引いていました。

沓澤農園の野菜
沓澤農園の野菜
沓澤農園の野菜

オーガニックは決して高くないことをわかってほしい

つみきっず広場
Ogawa Organic Fes実行委員長であり、小川町駅前にある「小川の(有機)野菜が主役の日替わりシェフレストラン」《べりカフェつばさ・游(おしゃべりカフェ)》代表の高橋優子(たかはしゆうこ)さんは、オガフェス来場者には、野菜の値段、食事の値段をぜひチェックして、オーガニックは決して高くないことを実感してもらいたいそうです。小川町の有機農業者は、一般的に売られている野菜の価格よりも少しだけ高い、あるいは同じくらいの価格で、安心な野菜が買える仕組み作りを目指しているとのことでした。

確かな未来を視野に、「持続可能性」をテーマにしていることから、環境省と共催しているオガフェスは、今後さらに注目度が増していくでしょう。オガフェスでは、このイベントを通して「適正な価格で安心の野菜を」という思いを、この先も老若男女問わず、あらゆる人々に届けて行きたいと考えているのです。

オガフェス
オガフェス

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