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官民・地域連携で実現する地方創生「日経 地方創生フォーラム」レポート

官民・地域連携で実現する地方創生「日経 地方創生フォーラム」レポート

2017年10月25日

2017年9月27日、東京都千代田区大手町の日経ホールで、「日経 地方創生フォーラム」が開催されました。第2部の「官民連携と地域連携で実現する地方創生」では、「農業で実現する地方創生」をテーマに、パネルディスカッションを実施。「マイナビ農業」を運営する株式会社マイナビ執行役員 地域活性事業部事業部長 池本博則(いけもとひろのり)もパネリストとして登壇しました。パネルディスカッションの様子をレポートします。

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地方創生に取り組む自治体や民間企業の代表者が登壇

パネルディスカッションのコーディネーターは、日本総研 創発戦略センターのシニアスペシャリスト、三輪泰史(みわやすふみ)さんです。農業再生による地域活性化、先進農業技術の導入支援などを専門とし、内閣府や農林水産省などの有識者委員も歴任しています。

パネリストは、農業を通じて地方創生に取り組む地方自治体の首長や企業の代表で、以下の5名です。

新潟県新潟市長 篠田昭(しのだあきら)さん
新潟県新潟市は、2014年5月に「大規模農業の改革拠点」として、国家戦略特区に指定されました。

栃木県茂木町長 古口達也(こぐちたつや)さん
栃木県茂木町は、全国に6つある「全国モデル『道の駅』」の1つ「道の駅 もてぎ」や、農家に人気の良質なたい肥を製造する有機物リサイクルセンター、公共建築物の木質化などで注目を集めています。

有限会社穂海農耕・株式会社穂海代表取締役 丸田洋(まるたひろし)さん
有限会社穂海農耕・株式会社穂海は、新潟県上越市の農業生産法人であり業務用米の栽培で「儲かる農業」を実現しています。

株式会社キースタッフ 代表取締役副社長 伊藤順(いとうじゅん)さん
株式会社キースタッフは、農畜漁業者や小規模食品事業者に常温で無添加で日持ちする加工技術や衛生管理・品質管理体制構築、デザイン・ブランド開発、販路開拓や加工場整備支援を行い、地域の6次産業化をサポートするコンサルティング会社です。

株式会社マイナビ執行役員 地域活性事業部事業部長 池本博則(いけもとひろのり)
株式会社マイナビでは、2017年8月に農業に関する情報を提供する「マイナビ農業」をオープンしています。

大規模農家と篤農家の両輪が地域の農業を支える

集落営農が盛んな新潟県上越市で、農業生産法人として新規参入し、大規模農業を行う農業生産法人を営む丸田さんへ向けて、コーディネーターの三輪さんから「地域の反応はどうでしょう。軋轢などありませんか。」という投げかけから、討論が始まりました。

「私が『みつひかり』という品種の米を作り始めたのが2011年頃から2012年前で、当時はコシヒカリが中心の時代でした。行政や近隣農家に了承をとって始めたのですが、『また変わったことをしているね』と言われました。私もその通りだと自覚していますし、特に軋轢はありませんでしたね」と丸田さんは笑顔で語ります。地域とのコミュニケーションもうまくいっているようです。

「みつひかり」は品質と食味に優れた、多収穫の品種です。株式会社会社穂海では、「みつひかり」をはじめとする業務用米を大手外食チェーン等に出荷しています。

大規模農業によりBtoBのビジネス展開を行う丸田さんは、「篤農家があってこそ、新潟県のトップブランドが維持できるんだと思います。私たちのような大規模農家と篤農家の両輪があって、初めて成立するんです」といいます。

これに対し、新潟市長の篠田さんは、大規模農家と篤農家の両輪が必要という意見に同意しつつも、「新潟は、これまで『新潟のコシヒカリ』というブランドに依存し、農薬や肥料を使い、大量のお米を作ってきたが、最近では首都圏の意識の高い消費者から敬遠されてきたという現実もある。それを改革していかねばと、新潟市では意識の高い農業者による有機農業も広がりつつあります」と、別の角度から見解を展開しました。

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地域の農業者の競争力を高めるために行政ができること

「地元の農業者の競争力を高めるために、行政としてどんなことができるのでしょう。」と三輪さんが問いかけます。

「茂木町では道の駅や、有機質たい肥の製造センターを作りました。正直、農業者のみならず、一般消費者にも広く受け入れられるとは想定していませんでした。町民もこれらを誇りに思っているようです」と古口さん。農業者が活躍する場、市民が交流する場が作れるのは行政だからこそできることです。

これに続き、篠田さんは新潟市の取り組みを紹介します。

「新潟市は2つの取り組みを実践しています。まず、学校給食の主食を、農薬と化学肥料の使用を5割減らした地場産コシヒカリなどによる完全米飯給食としました。また、宿泊型の教育ファームを作り、地域全ての小学生に農業体験をさせることで、地元の食のすばらしさを教えています」。教育を通して文化を作っていく事も、行政でなくてはできないことです。

民間企業が地域をつなぐハブになり農林水産業を盛り上げる

では、民間企業はどのようにして農業を支え、地方創生をサポートしているのでしょうか。

「当社のプロジェクトで、2つの地域をつないだことがあります。伊豆大島のゴマサバを、群馬県上野村の加工場でレトルト加工したのですが、その加工品が群馬で学校給食として出されたのです。すると、今度は群馬で採れた椎茸の水煮のレトルトが伊豆大島に送られて、学校給食になりました」と伊藤さん。

6次産業化のノウハウで地域資源の活用を手助けするだけでなく、地域と地域をつなげて新たな展開を生み出しました。

農業に関する新しい情報のプラットフォームも誕生しました。農業のすべてがあつまるWebサイト「マイナビ農業」です。

「ビジネスとして農業を捉えている方、趣味で農業をやられている方、ひとことに農業といってもさまざまなベクトルがあります。それを一つに束ねたいと思い、『マイナビ農業』を立ち上げました。

篠田市長や古口町長の思いだったり、丸田さんや加藤さんのビジネスのスキームだったり、そういった情報を一カ所に集めて、発信していきたいのです。

『マイナビ農業』は、誰もが気軽に立ち寄れて、さまざまな人と出会える『寄合所』を目指しています」。(池本)

農業や将来の地域へ可能性を感じさせてくれるパネルディスカッションとなりました。官民や地域を問わず、農業と人々がつながり協力することで、日本の各地域で明るい未来が開けてくるのではないでしょうか。

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>マイナビ農業が「いちばん大きな寄合所」を群馬県嬬恋村に作りました

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