牛・豚はどうやって肉になる?芝浦と場・東京食肉市場を探検 – マイナビ農業

マイナビ農業TOP > マーケティング > 牛・豚はどうやって肉になる?芝浦と場・東京食肉市場を探検

マーケティング

牛・豚はどうやって肉になる?芝浦と場・東京食肉市場を探検

牛・豚はどうやって肉になる?芝浦と場・東京食肉市場を探検

2017年11月18日

東京都中央卸売市場食肉市場は枝肉、内臓、原皮を生産する「芝浦と場」と、これらの製品を取引する「市場」の2つの部門から構成されています。この施設の中心となるセンタービルの6階には2002年から「お肉の情報館」が設けられており、この加工流通拠点で行われる仕事について、模型、パネルや映像などを使って分かりやすく解説しています。

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

日本における食肉の歴史

薬食い、そして将軍も大好物

日本では仏教の伝来と為政者の統治上の必要から食肉禁制や殺生禁止令が何度も出され、江戸時代まで約1,200年間、公には食肉がタブーとなっていました。しかし実際には、多くの人は動物の肉が重要な栄養源であることを知っており、「薬食い」と称して、支配階級の間でも庶民の間でも、しばしば食べられていたのです。江戸の町の中にもいろいろな獣肉を出す店があり、また、15代将軍・徳川慶喜は父である水戸藩主・一橋斉昭の、いわゆる食育によって豚料理が大好物になり、薩摩藩から取り寄せた豚肉を頻繁に賞味していたと言われています。

東京初のと場は白金

欧米人が多数訪れ、将軍自ら肉を食べ、日本に公然と食肉文化が広がり始めた幕末の1867年、荏原白金村(現・港区白金付近)にと場が設けられました。そこから食肉の普及とともに、現在の芝浦と場・東京食肉市場が発展したのです。2002年12月から開設している「お肉の情報館」では、そうした歴史についても展示しており、誰でも見学可能です。
 
【関連記事はこちら!】
>大都会のへそに食肉流通拠点 東京食肉市場まつり2017に肉好き大集合

わかりやすく充実した展示内容

リアルな模型

同館に入ってまず目を引くのは、本物と同じ大きさの生体牛・豚の模型と、双方の枝肉(半身の状態の肉)の模型です。この枝肉は牛が半身で約250 kg、豚が半身で約38 kgの重さ。生体は牛が約800kg、豚が110 kg強なので、一頭から取れる食肉(枝肉2本)は牛が体重の60%、豚が70%くらいです。また、黒毛牛の皮も敷かれており、これには実際に触ることもできます。

内臓のレプリカも

さらに「枝肉の格付け、肉部位、内臓部位」のコーナーでは、実物大の牛・豚の内臓(レバー、ハツ、タン)のレプリカが展示されており、実際に手に取って大きさや重さを確認することが出来るようになっています。ちなみに市場内では牛は「大動物」、豚は「小動物」と呼ばれており、牛の大きさは驚くほどです。

と畜解体作業の流れ

牛と豚を別々に処理

「と畜解体作業の流れ」は、パネル展示とDVDの映像で見ることができます。運ばれてきた牛や豚は、それぞれのけい留所で休ませ、体を洗って清潔にし、別々の場所・ラインで処理します。そして一頭ずつ移動させ、狭い場所に追い込んで、と畜銃や麻酔で気絶させます。

放血

喉を切って素早く体内の血を出します。この「放血」をしっかりやらないと肉の味が悪くなったり、腐りやすくなるので、とても重要な作業です。

BSE検査

続いて頭部を切り取ります。牛の場合は延髄を採取し、BSE(牛脳海綿状脳症)検査に出します。また、後の工程で背中から背骨の神経のひとつである脊髄を採取し、同様にBSE検査に回します。

皮をはぐ

皮をはぐ作業を、おなかからおしり、腰へと流れ作業で進めます。実はこれがうまくできるかどうかで、質の良い肉・皮になるかどうかが決まります。皮は靴や鞄、ベルトなどの革製品の材料になります。

内臓を取り出す

胃や腸などの消化器系の意臓と、心臓や肝臓などの内臓を仕分けして取り出します。この時、内臓を広げて、病気がないか、臓器一つ一つを検査。合格したものだけが内臓処理室へ送られ、BSEなどの検査結果が出るまで保管されます。

枝肉にして保管

電動のこぎりで一等の牛をタテに切り分け、枝肉(半身の状態)にします。背骨の中心で正確に切り分けなくてはいけない、熟練の腕が必要な作業です。豚は自動背割り機によって背割りし、枝肉にします。

枝肉は蒸気を吹き付けて汚れを取るなど、きれいに仕上げし、最終的な検査を受けます。合格した枝肉は冷蔵庫に運ばれて合格印が押され、翌日のセリに備えて保管されます。

枝肉・内臓・原皮は市場へ

この後、枝肉は市場に送り出され、格付機関が格付を行います。そして卸売業者がセリなどで売買。各地の精肉店、スーパーマーケットで販売されたり、加工業者によってハム・ソーセージなどに加工されたのちに販売されます。内臓や原皮も飲食店や原皮加工業者の手にわたり、食材や革製品の材料に使われます。

差別と闘う姿勢

この他、同館では「食肉の歴史と人権」というコーナーを設け、と場で働く人たちに対していまだに続く差別問題(悪意ある手紙やネット上の誹謗中傷など)についてパネルや映像で解説。人権侵害に断固として抗議し、食肉加工に対する正しい理解を促しています。

おいしく安全な食肉を提供するために稼働

おいしく安全な食肉を提供するために、大都市・大消費地のど真ん中で、毎日稼働する東京食肉市場。私たちの食事になる牛豚肉がどのように作られ、送り届けられるのか、衛生にどこまで気をつかっているのか、しっかり情報発信することで、消費者の信頼と関心を高めています。

写真提供:東京食肉市場協会

東京都中央卸売市場食肉市場

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

関連記事

カテゴリー一覧