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【第4回】ISO/FSSC22000の動向と概要

連載企画:JGAP・HACCPの基礎知識

【第4回】ISO/FSSC22000の動向と概要

食品製造業にとって食品衛生管理は最も重要な項目であり、HACCPやISO/FSSC22000などを認証する企業が増えていることは、第2回でも述べさせていただきました。今回は、HACCPを基にした食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO/FSSC22000について、その動向と概要を説明します。

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1.ISO/FSSC22000の動向

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ISO/FSSC22000の最近の認証取得数を見ると増加傾向にあり、全世界的に食品安全・安心の意識が高まっていると考えられます。我が国でも同様に増加傾向にあり、今後のHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)義務化の影響でさらに増加傾向になっていくと考えられます。

 
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2.ISO22000の概要

ここでは、ISO22000とはどういう規格か、その概要を説明します。ISO22000は、一次生産から消費までの、食品及びその材料の生産、加工、配送、保管及び取扱いに係わる一連の段階及び活動(フードチェーン)における食の安全を守るための規格です。ISO9001とHACCP(前提条件プログラムを含む)を融合して開発されました。(図表2参照)

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ISO22000は、食品安全を確保するため、次の4つの主要素を組み合せた要求事項を規定しています。

①相互コミュニケーション
②システムマネジメント
③前提条件プログラム(日常管理すべき衛生管理の一般事項と維持活動)
④HACCPの原則

実際の要求事項は、図表3の通りです。

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製造過程において、病原微生物を死滅させる加熱工程や金属異物の混入を防ぐ金属検出工程などは、CCP(重要管理点:Critical Control Point)になることが多く、7.6項において、管理手段、許容限界、モニタリング手順などを設定し、管理していくことが求められます。(図表4参照)

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3.FSSC22000の概要

一方、FSSC22000とは何か、ここでその概要を説明していきます。FSSC22000は、FFSC(Foundation for Food Safety Certification)が開発・運営している食品安全システム認証のスキームです。ISO22000では、PRP(前提条件プログラム)の取り組み内容・レベルが企業によってまちまちです。そのため、世界の食品メーカーや流通業者が参加するGFSI(Global Food Safety Initiative)に、食品安全のためのスキームの1つとして承認されませんでした。
FSSC22000は、ISO22000の7.2項(図表3参照)の内容を詳細にし、また補強することで、食品安全への取り組みをさらに推進するしくみとなっており、こちらはGFSIに承認されています。ちなみに、ISO22000の7.2項の内容を詳細・補強したPRPの規格は業種ごとにあり、例えば食品製造業では、ISO/TS22002-1と呼ばれます。(図表5参照)すなわち、FSSC22000は、ISO22000の認証を取得している食品製造業であれば、7.2項の部分をISO/TS22002-1の規格に適合させ、追加要求事項(図表6参照)を満たせば、認証を取得することができます。

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(文責)一般社団法人中部産業連盟 主任コンサルタント
伊東 辰浩

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