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お米マイスターの資格とは?ワンランク上の農業へ!資格の取り方など紹介

連載企画:ワンランク上の農業へ!役立つ資格の取り方、使い方

お米マイスターの資格とは?ワンランク上の農業へ!資格の取り方など紹介

日本人の食事にとって欠かせないものといえばお米。風味豊かでおいしく、栄養豊富な日本のお米は世界からも注目を集めています。一方で、お米を買うときに「どれを買ったらよいのかわからない」「それぞれどう味が違うの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決するには、お米のスペシャリストによるアドバイスが一番分かりやすいです。

「ワンランク上の農業へ!役立つ資格の取り方」第2回目は、お米の専門職経験がある人だけが取得できる、「お米マイスター」の資格を紹介します。

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お米のことなら任せて!お米マイスターは、お米の博士号

就農

お米マイスターは日本米穀小売商業組合連合会が主宰する資格です。この資格を取得すると、品質管理、種類、ブレンド技術、炊き方などのお米に関する幅広い知識を得られます。さらに、様々なお米の特性を生かした商品づくりや、お米の素晴らしさを広く伝えていける人と認定されます。

そしてお米マイスター最大の特徴は、小売業をはじめとする、お米の専門職に5年以上従事している人だけに受験資格があるということです。

ドイツ語で「巨匠、師匠」という意味を持つ「マイスター」という言葉通り、お米マイスターはお米の師匠、いわば「お米の博士」のしるしなのです。お米に関する資格や認定は複数ありますが、その中でも専門知識と経験を極めたスペシャリストのみが得られる資格だといえます。

三つ星を取得したら五つ星に挑戦!難関の試験とは

就農

実際にお米マイスターの資格を取得するには、どのような段階を踏めばよいのでしょうか。

まず、受験をするためには「三ツ星お米マイスター認定講座」を受講する必要があります。認定講座は年に1回開催され、申し込んだ人には事前にテキストが配布されます。このテキストを用いて学習し、認定講座に行くと、講座を受講した日にそのまま試験を受けることができます。

試験に合格し、無事に三ツ星お米マイスターに認定されると、さらに上のランクである五ツ星お米マイスターの受験資格が得られます。筆記試験で知識量が必要となる三ツ星お米マイスターに対し、五ツ星お米マイスターは事前課題や口頭試問があり、より実践的なテクニックが要求されます。

試験の情報は「お米マイスター全国ネットワーク」(※1)のホームページで告知されるので、受験を考えている人はこまめにチェックするとよいでしょう。

お米に関連するその他の資格

お米ソムリエ

お米ソムリエとは、お米の品種や産地、製法などに精通し、適切なお米を選び出すことができる専門家のことです。飲食業界や一般家庭での料理において、より美味しいお米の提供や食卓を彩るために活躍しています。

お米の歴史や文化についても研究しており、日本の食文化の一端を担う存在です。

また、飲食業界での就職や転職において、資格を持つことがアピールポイントとなります。お米ソムリエは、地域のお米の魅力を発信することで、地域振興にも貢献することができます。受験資格なしで、在宅受験ができるため、初めての方でも受験しやすい資格です。

白米ソムリエ

白米ソムリエとは、白米に特化した専門家のことです。お米の品種や産地、特徴や味わいを熟知し、適切な白米の選定や保存方法、調理法を提案することができます。

白米の色やつや・口当たりや香り・炊き上がりなど、細かな違いを見極めることができ、最適な白米を選び出すことができるのが特徴です。資格を取得すると、就職・転職でのアピールや講演活動などに役立ち、自身のキャリアアップや趣味のレベルアップにつなげることができます。受験資格なしで、在宅での受験が可能です。

ごはんソムリエ

ごはんソムリエとは、日本全国のさまざまなお米に精通したプロフェッショナルのことを指します。お米の種類や産地、品質の違いなどを熟知しており、適切なお米の選定や保存方法、調理法などを提供可能です。

飲食業界での仕事が多く、店舗でのお米の提供や、お米を使った新しいメニューの開発、イベントへの出展などをおこなっています。

一般の家庭でも、お米に関する相談やレシピ提供、家庭教育などのアドバイスをする場合もあります。ごはんソムリエは、日本の食文化や伝統を支える重要な役割を担っており、国内外での食文化の普及・発信にも貢献しているのが特徴です。

公益社団法人日本炊飯協会が認定する資格で、講習・実習を受講して各試験に合格すれば取得できます。

農家におすすめなその他の資格

日本農業技術検定

日本農業技術検定とは、農業技術のレベル向上を図るための検定制度です。農業に関する幅広い知識や技術を問う資格であり、農業従事者や農業に興味のある人などに役立ちます。

農業の専門的知識や技術を習得し、応用する能力を評価することにより、より高度な農業技術を持った人材を輩出することを目的としています。農業機械・農薬畜産・農業経営など、広範な分野にわたる試験が設けられているため、合格には十分な学習が必要です。

日本農業技術検定を取得すると、農業の専門性を高めることはもちろん、農業従事者のスキルアップや農業振興に貢献することもできます。一般社団法人全国農業会議所が運営する民間資格で、学科試験に受験資格はありませんが、実技試験の2級以上には受験資格があります。

農薬管理指導士

農薬管理指導士は、農業や林業などで使用される農薬の適正な使用を指導し、農薬に関する情報提供や相談に応じる資格です。農薬の使用は、農作物や林業において欠かせないものですが、適正に使用しないと、人体への健康被害や環境汚染を引き起こす可能性があります。

そのため、農家や林業者に対して、農薬の正しい使い方や選び方、作物に対するリスクなどの知識を指導する必要があります。適正な農薬使用についてアドバイスをおこなうことで、人体や環境に対する悪影響を防ぐのが目的です。

農薬管理指導士は、農薬の種類や効果・使用法・安全性・保管方法などに関する知識を身につけ、国の認定試験に合格することで取得できます。

受験資格は各都道府県によって異なるため、受験したい地域の条件を確認しましょう。

産業用マルチローターオペレーター技能認定

産業用マルチローターオペレーター技能認定は、ドローンなどのマルチローターを産業用途で操縦するための資格です。ドローンを安全に運用するために必要な技術や知識だけでなく、農薬散布に関する知識なども必要になります。

ただし、産業用マルチローターオペレーター技能認定を取得した場合でも、農薬を散布するには、各種許可や資格を取得することが必要となる場合があります。

資格を取得することで、産業用ドローンの運用や管理に関する仕事に就く機会が増えることも期待できます。受験するためには、教習施設での実技教習・学科教習を修了する必要があります。

農業簿記検定

農業簿記検定とは、農業における経理や財務管理に必要な知識を身につけたうえで、実務での活用能力を証明するための資格試験です。農業生産者や農業法人、農業関連企業などが受験対象とされ、農業の特性に合わせた独自のルールや法律、税制についての内容も含まれます。

農業には、作物の生産や畜産だけでなく、農機具や施設の管理、販売などといったさまざまな業務があります。業務によってコストがかかるため、売上や収益を把握することが重要です。

農業簿記検定では、コストや売上、収益などを適切に管理するために必要な知識や技能が問われます。また、税金や補助金などについても理解が必要です。

農業簿記検定は、農業に関わる人々が適切な経営判断をおこなうために必要なスキルを身につけ、より良い経営を実現するための資格試験だといえます。受験資格に制限はなく、誰でも資格取得を目指せるのが特徴です。

野菜ソムリエ

野菜ソムリエとは、野菜の知識を深め、料理や食事のプロとして、野菜の魅力を発信する人を指します。

野菜の知識を深め、野菜の栄養や調理方法、保存方法などについて専門的な知識を持っていることを証明できるのです。野菜について専門的な知識を身につけ、野菜と食材のマリアージュを考え、料理のアドバイスや提案をおこないます。

また、野菜の選び方や栄養素などについてアドバイスし、より健康的な食生活を提案することも可能です。

レストランやホテル、食品メーカーなどで活躍するほか、野菜専門店や農産物直売所などで、野菜の販売や情報提供をおこなう場合もあります。

資格を取得するには、講習の受講や課題の提出、修了試験に合格することなどが必要です。

小学校での特別授業、メディア出演など広がる活躍の場

就農

基本的には店頭でお客様への米選びに関するアドバイスやブレンド、精米などのサービスを行っているお米マイスター。最近ではその活躍の場も広がっています。

例えば農林水産省の助成を受けて行われている、小学校での特別授業。お米マイスターが先生となり、お米の作り方や「お米文化」の素晴らしさ、大切さなどを子どもたちに伝えています。もちろん小学校だけでなく、各地での講演会やワークショップでも、お米マイスターが活躍中です。

他にも、企業と協力して新商品開発に携わったり、テレビや雑誌などのメディアに出演したり、様々な場所でお米マイスターの活躍を見かけるようになりました。

「お米作りやお米販売のノウハウは持っているけど、いまいち生かしきれていない…」、そんな悩みを持っている方は、ぜひお米マイスターの認定試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。持っている知識や経験を深めて、より多くの人々にお米のよさを伝えていくのに役立つはずです。

(※1)日本米穀小売商業組合連合会 お米マイスター全国ネットワーク

上記の情報は2017年12月20日現在のものです。

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