「あの旅館で食べた朝ごはん」を自宅で
温泉旅館に泊まって翌朝に食べた朝ごはん。なぜかついついおかわりしてしまいませんか?
前夜はやたらと品数の多い夕食をたらふく食べて、朝起きるとまったくお腹が空いていない。これじゃあ朝ごはんは入らないなあ…と思いつつも、朝食が運ばれて来ると、思わずお腹がぐうと鳴る。
納豆、焼魚、焼き海苔、生卵…何の変哲もないおかずたちがやたらとおいしそうに見え、おひつからよそうごはんがやたらとおいしそうに見え、ついついごはんも食べ過ぎる…。
そんな記憶の中の「おいしかった、あのごはん」を想起するお米があったらいいなあという発想から生まれたのが、食のクリエイティブチーム「honshoku」が企画・開発したブレンド米です。その名も「旅館の朝ごはん米」。自宅でこのお米を炊いて食べながら「あの旅館の朝ごはん」の思い出も一緒に食べるという新しい趣向のお米です。
お米のブレンダーは、東京・原宿「小池精米店」三代目で五ツ星お米マイスターの小池理雄(こいけ・ただお)さん。「粒がしっかり」「しつこくない甘い匂い」「申し分ないツヤ」「食べ終わった飯椀にごはん粒がくっつかないように」。honshokuからの数々のオーダーをもとに、違う品種のお米をブレンドさせて何度も試食と再ブレンドを繰り返しながら、イメージ通りのお米の味わいをつくることに成功しました。
つやつやふっくらとした炊きあがり。程よい粘りとほろほろ感。しっかりとした食感で食べ応えがありながらも、すっきりとした味わい。お腹に重たくなく、朝からついついおかわりしてしまうお米です。そのまま食べてもおいしいですが、おかずと合わせると、まるで合わせ出汁のような相乗効果でごはんもおかずもおいしくなるから不思議。「honshoku」代表の平井巧(ひらい・さとし)さんは「特に玉子がけごはんは絶品」と太鼓判を押します。
出汁や茶をかけないと完成しない「茶漬け米」
そして、「旅館の朝ごはん米」と同時に発売されたのは、「〆の茶漬け米」。お酒好きの方ならば誰もが経験ある“〆の炭水化物”という幸せを想起させるブレンド米です。
数ある〆の炭水化物の中でhonshokuが選んだのは、熱々の出汁や茶を注いだ茶漬けを「はふはふ」と食べる至福のひととき。お酒が好きな小池さんにブレンドをお願いすると、ほぼ一発でイメージ通りのブレンドに成功したそうです。
この「〆の茶漬け米」は、炊いてそのまま食べると、とびきりおいしいわけではなく、どこか物足りないお米。ところが、塩鮭や古漬け、昆布、明太子など好きな具を乗せて熱々の出汁や茶をかけると…お米の1粒1粒が生き生きとし始め、程よいほろほろ感が生まれ、たちまち絶品のお米に進化します。
熱々の出汁や茶をすすりながら、さらさらと米粒が流し込まれていく。いくらでも食べられてしまいそうな軽やかさと、じわりと身体に染み渡るうまさ。
ここまでくると、もはや茶漬けのために生まれたとしか思えないブレンド配合。“出汁をかけないと完成しない”と言っても過言ではないお米です。
食べる人の体験がお米をおいしくするブレンド
これまでは、お米は「味」「生産者」「産地」「ブランド」「価格」などで選ぶのが一般的でした。一方で、今回のブレンド米でhonshokuが提案したのは、食べる「場所」「シーン」「気分」「思い出」をお米のブレンドによって表現するという楽しみ方。「コーヒーやワインなど、おいしさを目指してブレンドされている商品がたくさんあるならば、おいしさを目指したブレンド米があってもいいはず」と代表の平井さん。ブレンド米の可能性を掘り下げようと、2017年春から開発を始めました。
新品種が乱立するなどお米の品種が溢れている時代、どのお米を選べばいいのかわからないという人はきっとたくさんいるはず。一方で、「あのとき食べた、あのごはん、おいしかったなあ」というおいしい思い出話は盛り上がりやすい。そこで、「ごはんがおいしかったシーンを再現するお米」というコンセプトで企画しました。とは言え、おいしい体験は人によって千差万別。それを承知の上で、honshokuはあえて「それぞれの体験の詰まったお米」を目指しました。多くの商品は、作り手が完成させて食べ手に提供します。しかし、このブレンド米は、食べ手の「体験」や「思い」が加わってこそ完成するという、ちょっと特異な商品です。
「おいしさ」は料理そのものの味だけではなく、その場の雰囲気や、一緒に食べた人など、そのときの環境をまるっと含めたものが「おいしさ」につながります。そして、「おいしかった思い出」は、どんどん美化されていくもの。honshokuのブレンド米は、そうした記憶を刺激して呼び覚まして、ごはんをとびきりおいしく感じさせてくれるのです。
自分で楽しむだけでなく、旅行好きのあの人には「旅館の朝ごはん米」、お酒好きのあの人には「〆の茶漬け米」をプレゼントするのもおすすめ。一緒に「おいしかった、あのごはん」の思い出話を肴に食べると、新しいごはんのおいしさが見えてくるかもしれません。
あなたには、どんなごはんの思い出がありますか?
「旅館の朝ごはん米」「〆の茶漬け米」でおいしい思い出に浸ってみるのはいかがでしょうか。