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江戸っ子が惚れた鶏が蘇る 農と食の仕事人の傑作・東京しゃも開発秘話

江戸っ子が惚れた鶏が蘇る 農と食の仕事人の傑作・東京しゃも開発秘話

最終更新日:2018年09月10日

牛豚肉が原則タブーだった江戸時代、鶏、中でも軍鶏(しゃも)を使った料理は、日本の食文化において孤高の地位を占めていました。食糧が豊富になり、食文化の幅が広がった今日でもその地位が揺らるぐことはありません。
引き締まった肉質とコクのある味に惚れ込んだ人たちの間で、昔ながらの軍鶏に最も近いとされ、有名になったのが「東京しゃも」です。
現代の食肉需要に応えて開発されたこの鶏は、養鶏の専門家と料理家、農と食の仕事人が一体となって生み出したドラマチックな傑作です。

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東京しゃもの来歴

軍鶏は時代小説の主人公の好物

江戸時代初期、シャムの国(タイ)から伝来した軍鶏(しゃも)」。元来、闘鶏用の鶏で猛禽のような美しい体躯と、勇猛果敢な性格は人々の血を大いに沸かせました。
もう一つの魅力はその肉の美味しさで「鬼平犯科帳」や「竜馬が行く」といった人気時代小説にも登場。主人公らの生き様を彩る特別な食べ物として描かれています。

ブロイラーが戦後の市場を席巻

日本の養鶏は戦後の高度経済成長期において、アメリカで開発されたブロイラーに席巻されました。繁殖力旺盛で飼育しやすく、生後わずか40日で出荷できるブロイラーは安価で市場に流通し、大量生産・安定供給のニーズに適応。味も淡泊で用途が広く、日本の食卓に鶏料理のバリエーションを広げ、鶏=ブロイラーの認識が巷に浸透しました。

現代の流通に適応できる規格品をめざして

生産効率の高いブロイラーと比べて、軍鶏は喧嘩には強いものの繁殖力は非常に弱いため、現代の食肉需要には全く応えられません。しかし、その味を愛し称讃する人の声は時代を超えて語り継がれています。そこで量産可能な品種、現代の流通に適応できる規格品を作ろうと、ブロイラーと掛け合わせたりして、全国で様々なしゃもが作られました。

喧嘩はしないが肉質はそのままの東京しゃも

「東京しゃも」もそうした量産型の一種ですが、ブロイラーの血を交えず、純系軍鶏の血統を75%受け継いでいるのが大きな特徴で、他の地域の軍鶏とは一線を画しています。
まず、オスの純系軍鶏と、メスのロードアイランドレッド(採卵鶏)を掛け合わせた二元交雑種を作ります。その二元交雑種に、さらにオスの純系を掛け合わせていきます。
通常、オスの軍鶏は好戦的ですが、ここでは比較的大人しく、群れの中で順位の低い、弱いオスだけを選んで交配させます。するとヒナの頃から一緒に飼えば争わない、気性の穏やかな軍鶏が出来上がります。つまり祖先のように喧嘩はしないが、肉質はそのまま受け継いだ完成品が、1984(昭和59)年に誕生した「東京しゃも」なのです。

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