水浸しでも野菜は育つ 古代人の知恵から生まれた水耕栽培
バングラディッシュ(人口約1億5908万人)は、国土のほとんどが熱帯モンスーン気候帯に属し、200本以上もの河川が流れています。毎年6~10月の雨季には、広範囲にわたって洪水が起きてしまうため、地域によってはほとんどの農地が水没してしまいます。
水浸しの時期に農作物を育てることは難しく、バングラディッシュには、季節的に食料を得られないことで起こる飢餓状況を表す「モンガ」という言葉があるほどです。
こうした環境のもとで生まれたのが水耕栽培です。水耕栽培は古代から行われてきた農法ですが、農業の近代化などに伴い、ほとんど用いられなくなっていました。しかし近年は経済的で環境にも優しい農法として再び注目が集まっており、水耕栽培に取り組む人が少しずつ増えています。