JA全青協の会長を経て
―会長になった経緯は?
立候補したわけでもなく、ご縁でした。誤解されがちですが、JAは企業ではなく農家メンバーの組合です。会長も農家だし、出資もしているから組合員の1人なんです。青年部は概ね50歳ぐらいまでの若年層組織で、そこの会長を仰せつかりました。
最初は、地区のJAで理事の順番がまわって来ました。積極的に取り組んでいたら認められて兵庫県の委員長になったのですが、それが近畿ブロックの代表を兵庫県が担当する年でした。1年間、近畿ブロック代表として全国の理事を務めて、翌年に会長を仰せつかりました。
方向性の変化
―会長を経て大西さんの農業スタイルは変わりましたか?
当時68,000人のトップに立ち、1年間で35県の青年部組織を訪ねたのは大きな経験でした。その時に強く思ったのは、結局は農家ひとりひとりの考え方が大切だということでした。
農業では、ひとつのまとまりとして地域がクローズアップされがちです。でも、同じ地域の中でも様々な考え方の農家がいます。規模の大小や作付けではなく、考え方がしっかりした農家がいる地域は活性化していて、新規就農者も増えていると感じました。
以前は、栽培技術の向上が課題の中心でした。これからは、ビジネスセンスやマネージメント能力の重要性が高まっていると思います。