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八王子市の地産地消を実現 東京でオンリーワンの道の駅「八王子滝山」(2/2)

八王子市の地産地消を実現 東京でオンリーワンの道の駅「八王子滝山」

大都市・東京は思いのほか、農業の盛んなところ。特に多摩地域は農地も多く、その中心にある八王子市は生産地としても、消費地としても大きな規模を持っています。その八王子に「道の駅」があるのをご存知でしょうか?
道の駅は、その地域の特産品の販売や基本情報が得られる場所で、通常は観光施設の一種とされています。ところがここに車で乗り付けて買い物をしていくのは、ほとんどが地元住民。この道の駅は、一大農業地帯である八王子の「地産地消」の舞台となっているのです。

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TOKYO-Xも八王子生まれ

野菜だけでなく、畜産に関しても八王子は隠れた名産地。近年、都心のスーパーマーケットでもよく目にするようになった、霜降りのブランド豚肉「TOKYO-X」も、もともとは八王子で生まれたものです。
1880(明治13)年から2012(平成24)年まで130年以上も続いた食肉処理場があり、手作業で牛や豚の処理がされてきました。開発当初のTOKYO-Xはそこから直接市場に供給されていました。

酪農農家のジェラート店

また、酪農も盛んで、市内にある10軒以上の酪農農家の生乳を原料とした牛乳や乳製品もよく売れています。
その酪農農家の一つがジェラート店を出店。もちろん自家製のミルクを使ったジェラートで、それにしょうが、かぼちゃ、栗など、地元産の旬の野菜や果物を混ぜ込んだジェラートは大変な人気で、夏の暑い日は長蛇の列ができるほど。

農家のおかみさんの惣菜店

また、農家のおかみさんたちがチームを組んで作った惣菜店も評判の店。ダイコンやニンジンをはじめ、地元の農産物を材料にした煮物や、小豆を生から煮て作るあんころ餅など、手作りの品々は熱心なファンを生み出しています。
これについてはちょっと面白いエピソードも。もともと家で手料理を作っていたおかみさんたちですが、開店にあたってプロの料理研究家にメニュー作りを協力してもらいました。ところがその研究家の料理はおしゃれで味が薄すぎる。ここに来るお客さんの口に合わず、ウケが悪かったのですが、昔ながらの味付けに戻したら大ヒットしたとのこと。その土地ならではの好みを知ることが、繁盛するか否かの大きなポイントのようです。

フードコートでは八王子ラーメン

イートインできるフードコートでは八王子ラーメン、八王子ナポリタンといった地元ならではの名物料理、そしてその日仕入れた新鮮な野菜をその場で、おかわり自由で食べられるサラダバーなどを提供しており、ランチタイムには満席状態が続きます。

織物文化と里山文化


古くから養蚕業が盛んで「桑都(そうと)」とも言われ、織物が伝統工芸として受け継がれている八王子。高尾山をはじめとする森の恵みと、こころ癒される里山の風景がある八王子。深い歴史、独自の文化、豊かな自然を併せ持つこの土地の魅力を感じられるコーナーもあります。23区地域のベッドタウンというイメージしか持っていない人にとっては印象がガラッと変わる場所かも知れません。

農業が活気づけば街全体が元気になる

混んでいる日は広い駐車場も満車になるほどにぎわう「八王子滝山」は、高齢者の集いの場、子供連れのちょっとしたレジャースポットとしても活用されるなど、地域密着型の新しい道の駅モデルにも挙げられています。
そのべースになっているのはもちろん農業であり、地産地消の実現です。農業が活気づけば、街全体が元気になり、新たな文化の創造に繋がっていく。それこそが八王子滝山が発信する最も重要なメッセージではないでしょうか。

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