東京中央卸売市場の出荷量は6倍以上!
このような地道で、かつ効率的なプロジェクト推進によって、着実に県内のダリア栽培は拡大していきました。
「事業開始前の平成22年は、ダリアを生産する農家の戸数は22戸、栽培面積は2.8ヘクタール、販売額1,820万円、出荷量は11万7, 000本でした。しかし、平成28年は生産戸数109戸、面積10ヘクタール、販売額1億900万円、出荷量74万7,000本にまで成長しています。
毎年、過去最高額を更新していて平成28年度、29年度とも1億円を突破しました。平成28年度の東京都中央卸売市場の出荷量は、平成22年度に比べて6倍以上となり、飛躍的に拡大しています」。
さらに、国内外の優れた新品種を選ぶ「ジャパンフラワーセレクション」で、その年の最高傑作に贈られる「フラワー・オブ・ザ・イヤー」にNAMAHAGEダリアの品種が二度選ばれるなど、品質の面でも名実ともに認められるまでになっています。
現在、ダリアの需要が多い首都圏を中心に出荷し、関東地域で約8割を占めるそうです。また、「NAMAHAGEダリアを周年で流通させブランド力をさらに高めていくため、平成29年から宮崎県と協同でリレー出荷(※)を開始しています」。
※リレー出荷:農産物の出荷を出荷時期の異なる産地間でリレーのようにつないでいくことによって、安定的に市場に供給すること。
「秋田県のダリアの栽培面積は全国1位になるまで拡大しました。しかし、栽培経験の浅い生産者が多く、技術格差が生じていることが現在の課題です」。
県内での技術向上も進めながらダリアの生産量日本一を目ざして、今後も海外進出も積極的に推進していくとのことです。
また、ダリアと共に事業推進されたリンドウについては、地域の気象立地条件に適したオリジナル品種が6品種開発されました。リンドウ生産の適地である中山間地域を主体に生産拡大中です。
リンドウは、ダリア同様に品種開発から普及、生産・流通対策まで集中的・継続的に取り組んだことで、面積・出荷量・販売額ともに全国第2位の産地になるまで成長しました。リンドウは水田転作物のひとつで、日当たりや排水の良い水田との相性が抜群であることから、水田農業の起爆剤になった品目といえます。
秋田県のダリアやリンドウの取組は、県が主体となって新しい品目に注力する成功事例として参考にできるのではないでしょうか。